mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

バルセロナ!!〜サバデイ日記・番外編

サバデイの街にもすっかり慣れ、今日は日本食やさんKOTEの奥様に紹介していただいた美容院に来ております。

《蝶々夫人》3日目終演!(サバデイにある日本)〜サバデイ日記13 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

慣れたとはいえ、残念ながらまだスペイン語もカタルーニャ語も話せない私。気合いで意思疎通!どうなることやら?(笑)

私があんまりメチャクチャ言語で話しかけると、とても良い人そうな美容師さんの気を使った笑顔がだんだんいたたまれない感じになるので......ちょっとお話は休憩して、今日は何度か遊びに行ったバルセロナ(サバデイから電車で40分)の思い出でも...。

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こちら、港からオリンピック村に向かって海岸沿いに歩いた時の写真。右上の旗?看板?のせいでなんだかCDジャケットっぽく見えますが(笑)、近代的な建物と海岸がこんなに近くて面白い!なんかこの距離からだと、ん?ここ浅草?みたいな金色の物体も!

港では、港町七尾で生まれた、自称「七尾の裕次郎」の娘としてこんなアホ写真も撮りました。

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もちろん道行く人にはジロジロ見られました。


先日、テレビの歌番組っぽいので、懐かしい♪ばーるせろおなーーっ!♪という曲が流れていました。その部分しか分かりませんでしたが。

バルセロナオリンピックって...

バルセロナオリンピック - Wikipedia

1992年か!

柔ちゃんが目指してたやつですね。


当時のオリンピック村は、今では各国料理の小さなレストランがズラリと並ぶ広場。

私たちは少し高い位置から海が見渡せるレストランでパエリアを食べました!

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柔ちゃんも食べたかなあ(笑)。

しかし、実はパエリアはバレンシアの名物らしいですね。バレンシア出身の我らがシャープレスくんがなんか威張ってました。

で、これはバルセロナ名物なの?と思っていた、

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嬉しそうすぎる(笑)。

でも、チョコラテとチュロスも、なんだかスペイン全土で食べるみたいだし。

いったいバルセロナ名物は何ですか?

いや、私がここで聞くのも変か...。美容師さんに...ニコ。いや、困らすのは止そう。

ともかく、私が嬉しいのは魚が美味しいことかな。(まあ、それもイタリアで新鮮で美味しい魚がミラノに集まるのと同じでマドリードの方が美味しい、という噂も聞きましたが)。

まだ、見ただけなんですが、ぜひ行ってみたいレストランがこちら。

バルセロナエル・ナシオナルの中にあるレストラン、La Llotja!ラ・リョ、リョッジャ、ジェ...。

La Llotja | El Nacional Barcelona

あれ?この間歌った劇場と同じ名前だ。

劇場迷子。想いで迷子。〜サバデイ日記15 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

エル・ナシオナルの中ではまだお茶しただけで。

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何軒ものカフェ、バー、レストランがもと駐車場のだだっ広い建物の中に。

フードコート、というにはあまりにもオシャレですが、まあ、そういうことですね。

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今度は魚食べるぞ!

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他にもバルセロナでまた戻りたい場所といえば!ズバリ!!

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定番中の定番。やはり美しい〜。写真では伝えきれない!!
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こちら、文字マニアな私には堪らない扉。
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うちにもこういうの欲しい!(笑)
あと欲しいのは懺悔室!!クリスチャンでは無いので入ったことないのですが...心安まりそうだなあ......。

前に来た時は内部がまだかなり作業中で外側ばかり見たし、この間は1時間弱しかなかったので...またゆっくり行かねば!

あとは、こちらも本場、ではないのですが、趣味に生きるメゾソプラノ母ちゃんとしては外せなかったのがこれ。

充分盛り上がって楽しかったのですが、フラメンコ仲間と来たらまたますます楽しめたりしそうだなあー!なんて思いながら。
みんな、どうですか??

でもそれなら南の、本当の本場にも行かなきゃね〜。

さてさて、私の髪はどうなって......ん?なんだか予想よりかなり茶髪にされてるような予感がするんだけどー。
まあ、いいけどね(笑)。

出だしはこんな感じでした。
さて、どんな仕上がりになりますか......。







劇場迷子。想いで迷子。〜サバデイ日記15

 

 

蝶々夫人》公演、5回目めを無事、素敵な川の流れるリェイダの街にて終了!

2幕と3幕の合間に、私の蝶々さんがため息混じりに言いました。

まだ5回め?もう10年やってるみたい...

確かに。一晩につき舞台では3年経ってますので、10年どころか15年やってますよ!

そんな13〜15年めの会場、リェイダのLlotja劇場。また発音が難しいのですが(笑)、確かリョッジェ。ジェ、とジャ、との間くらい。

前回のレウス、フォルなんとか劇場とはうって変わってモダンな大劇場!

カタルーニャロードの始まりと、これから。〜サバデイ日記14 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

こちら外観ですが、大きすぎてかなり遠くからでないと全貌は撮れないので、一側面のみ。

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だだっ広いホワイエ、長い廊下、なぜかピンクに染められた入り口。

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客席、舞台はこんな感じで、キャパは1000くらい。

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舞台裏から楽屋がまた遠くて...。

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からしばらく歩くと「楽屋あちら」の案内。向こうに見える扉を開けると...

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階段。

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上みたいです。登ります。

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また扉。開けると...

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また扉。

なんだか、昔はまったミストというゲームを思い出してきました。

 

 

 

MYST for Windows<Me対応版>

MYST for Windows<me対応版></me対応版>

 

 

 

扉を開けると長い廊下。

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矢印が2つ...こっちか?

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正解!無事到着!!

この道筋を本番中は着物で何往復かしたわけです。

さらにこんなことも。

開演前に10分くらいトイレで叫んでいたそうですが、幸い舞台への出そびれなどはなく。

あのシーンで、もしボンゾが出て来なかったら??と想像してミキ蝶々さんと後から散々笑いました〜。

怪優歌手のミキさんがそれをどうやって乗り越えるか、ちょっと見たかった気もします(笑)。

 

さて、5回めの公演は大きい会場ながら客席とのコミュニケーションをよく感じられ、またいっそう盛り上がりました。よりドラマチックだった、良かった、と、5回とも観ているサバデイの劇場支配人の夫君にも言っていただけたので安心して告白すると.......私はなんだか、歌いながら、演じながら、色んなことが頭の中に渦巻く日でした。

集中していないわけではなく、むしろいつもより色々タイミングがバッチリだったり、本当に涙が流れたりもしたんですが、そんな自分や周りを冷静に見て、感じながら、何故か面白いこと(カツラが取れるとか)を想像してしまったり、思い出したり(稽古中の変な間違いとか)...。

そんな諸々な雑念を思い浮かべている自分が、いつも通り演じている自分を少し離れてみているような感覚になって、ひとつ気が付いたことがありました。

 

私のスズキにはモデルがいる!

それは、他の歌手のスズキなどではなく(実はプッチーニ好きじゃないし、あんまり蝶々夫人観たことない)、スズキっぽい女優さん?などでもなく。

 

彼女の名前はマリアンナさん

はい。日本人ですらありません(笑)。

彼女は私の師匠、オブラスツォワの従姉妹で、師匠が来日する際にはほぼ毎回一緒に来て、身の回りのお世話などをする方でした。

料理上手で優しくて、頭が良く(確か職業は会計士と数学の先生)、もの静かでキリッとして、でもどこか抜けていて、感じが良く。

彼女がどこかの国にオブラスツォワについて行って、オペラの稽古を堪能しすぎて劇場に一晩置き去りにされた話は、ボリショイ劇場で同じく置き去りにされそうになった私としては親近感湧きまくりでした。

背がすごく高く、まあ、ロシア人にしては普通なのかもしれませんが、180センチくらいかな。

よく一緒に江古田の家(実際は武蔵野音大宿舎)や、サンクトペテルブルクの家でクロスワードをして遊んだりしました。私はオペラ関係か神話系か、日本関係しか役に立ちませんが、意外とたまに(笑)あって。

オブラスツォワは、「マリアンナはつまんない!すぐメソメソするし、恋の話もできない!」(ずっと独身で恋人もなく、そのへんはミステリアスなマリアンナさん)、なーんて言ってましたが。でも2人は仲良しで。

たまに他の人と一緒に来日するとイライラが多くなったりもするところ、マリアンナさんだといつも落ち着いているので、私も助かりました(笑)。

 

そんなわけで、なんと!

私の「蝶々夫人×スズキ」のイメージは、「エレナ・オブラスツォワ×マリアンナさん」なのでした!!!

いや、オブラスツォワは絶対に3年も黙って待ってたりしませんけどね。

弟子の私がわざわざ日本から来ているときに、シベリアに恋人に会いに行っちゃったりしてましたからね!

どこまでいくの?て聞いたら「ちかくGiappone, casa tua(日本のあなたの家のちかく)」って。確かに、シベリア、能登半島に近付いてますけど。

常にトンチが効いた、面白い人でした。

それに比べると、まあメソメソとは言わないまでも確かに大人しいし、少し涙もろいマリアンナさんでしたが、逆にオブラスツォワが悲しんでいたりすると、少し離れてしっかりと見守っているような、必要とあらば近寄って手を握るような......。

ボリショイの指揮者だったオブラスツォワの夫(2人は日本の九州で恋に落ちたのです!)の具合が悪くなったとき。亡くなったとき。またその思い出を語るとき......。オブラスツォワの話を隣でうんうん、と聞くマリアンナさんの姿を思い出します。

夫のアルギスさん。

エレナ、その瞬間がいつ来るかは分からないけど、これは死だ。死がここにある

と言って、それから間もなく亡くなったとか。カッコイイ人だったなあ...。

 

あれ?シベリアに恋人に会いに行った話は、彼が亡くなったあとだよね?うん、そうです!かなり後。良かった。びっくりした(笑)。

弥生、恋には距離は関係ないのよ!

って、カッコイイんだか何だか分からないこと言って。しかも誰かに頼んでプライベートジェットで飛んで行った気がするよ...。絶対蝶々さんじゃないねー。

まあ今は天国から、好きな時に好きなところに飛んで行ってるでしょう。

たまには私にも会いに来てるかな?

ていうか、今かな?こんなに思い出してるし。

エレナ!プリヴェート!!

マリアンナさんは元気かな?

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たまたま持ってきた手帳に挟まってた古い写真たちの中に、マリアンナさんもいました!一番手前です。これは、浜松の同級生(私の後ろにいるマアコ!)に連れて行ってもらったうなぎやさんだ〜。

美味しかったなあ!懐かしい。うなぎ食べたい(笑)。

 

さてさて、次回の《蝶々夫人》公演、折り返し6回めは5月4日。

マンレーサという街に行きます!

http://www.kursaal.cat/index.php/acts/show/04-05-2016-0900h-madama-butterfly

カタルーニャロードの始まりと、これから。〜サバデイ日記14


今週のお題ゴールデンウィーク2016」

昨年は色々掛け持ちで走り回った(踊り狂った?)ゴールデンウィークでしたが、今年はここ、サバデイでずっとスズキ!

3日間のサバデイ・ファランドゥラ劇場での公演を終え、あとは7回の出張公演。

ロード第一日目はレウスという街のFortuny劇場。(この、Fortunyの読み方が意外と難しくて、何度も習ってようやく分かりましたが、もう忘れました...)。

こじんまりとしているけれど、伝統的な馬蹄形の美しい劇場。

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オケピットもこじんまりとしていて、打楽器がバルコニー席にはみ出してます。

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あと面白かったのは、緞帳に覗き穴が開いていて...。客席の様子が伺えるようになっていました!

開演前の様子が舞台の上からこんな感じに見えます。

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何かと覗き文化のあるスペインの劇場??(笑)

舞台裏!〜サバデイ日記12 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

さて、4回目の公演は旅ムードも手伝い、リラックスモード。

演出家のカルレスがいきなり合唱に混ざって出演していたりして驚かされましたが...。ひとりお休みがいたから、て!引越しの手伝い役、海兵役など、4役をこなしたようです!

Instagram

その他も諸々、面白いこともありましたが(モニターの位置を確認していなくて裏歌前に焦ったり、八百屋舞台に慣れず草履が脱げたり。笑)、無事、レウスの街の皆様にも感動をお届けできました。


サバデイでの公演の新聞、雑誌評なども続々出ており、評判も上々。


そうなんですよー。コンビネーションが最高なんです!(笑)

その他も、もしスペイン語わかる方がいたら読んでみて下さいませ〜。

Entitats en xarxa - Portal Municipal d'Entitats de Girona - Notícies

そんな感じで、嬉しいというよりは驚きと安堵を感じつつ、まだ6回公演があるので、評判を聞いてより期待して来てくださるお客様がいることを思って、しっかり演じなければと思います。


さてさて、どっぷりスペイン、いや、カタルーニャに腰を降ろしているスズキ母ちゃんですが。

日本からも、このようなニュースが!

キャストもいつの間にか全部発表されておりましたが、私的にツボなのは、私とジュリエッタをめぐる恋のライバル、テバルドを演じるテノールの所谷直生さんとの、まさかこの役で??!の共演。

Breeze Note《街にオペラがやってくる!vol.2》終演。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

共演も多く、飲み友達でもあり、うちの息子にもとっても好かれている所谷さんですが、実は私とは考え方が全く相容れない「男はこうあるべき!女はこうあるべき!」という古き良き四国男子(笑)。以前はよく喧嘩しました...。

最近はかなりあちらが我慢してくれているようなんですが、それでも私が男装したり、女の子を可愛がったりしていると(笑)、面白いほどのドン引きを見せてくれるのです!

そんな彼と、私の男らしいところをこれでもかと見せつけるこの《カプレーティ家とモンテッキ家》を!!!

私と意見は合いませんが(笑)、所谷さんは、ちょっとスペインかラテンアメリカ系を思わせる粘りのある色男声で、音楽的にも素晴らしいテノール

ロメオとテバルド、対決のDuettoもあるし、本物の火花が散りそう!?!


さて、今日も《蝶々夫人》の方はお休みなので、ちょっと《カプレーティ家とモンテッキ家》の楽譜でも開こうかな。

明日はLleidaという街のLlotja劇場にお邪魔します。また読み方が難しい......。

Òpera “Madama Butterfly” – Agenda de la Ciutat de Lleida

《蝶々夫人》3日目終演!(サバデイにある日本)〜サバデイ日記13

なんか、こんな気持ちになっていた3公演めでしたが...。

蓋を開けてみれば、これまでで最高の出来だったような。

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(こちらはGPの写真)。

歌手たちの声も劇場に馴染んできて良く響くようになって。(実際は歌手の方が劇場の音響に合わせてきてる、てのが正しいんですけど)。

同じ劇場で3回め。きっと毎回観ている人もいらっしゃるのが頭のどこかで気になっていて、毎回どんどん演技を変えたり、より盛り込んだり、何かしてしまうもの...。

しかも昨晩は開演時間が早めで時間に余裕があると思ったせいか??マエストロのテンポも遅めで、盛り込む隙間がありあり(いいのか?!)。

(色々やりすぎて3幕でケイトを発見するのが超ギリギリになって焦ったたのは秘密)。

私は勝手に変えているのですが......どうも演出のカルレスくんも色々マイナーチェンジを指示しているよう。

前回までは改宗したと聞いたとたん他の人と一緒に、なんで?てくらい、めっちゃ怖い顔で蝶々さんを責めながら去って行った蝶々さんのお母さん役の方が、昨日は少し同情を見せながら去って行きました!良かった!(笑)

そして、カーテンコールで貰える薔薇の花にも変化が!!

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左が初日のもの。右が3日目のもの。

高くなってる!!!

枝が隣にいたボンゾ・シンホくんの目を突きそうで怖かったです...。

そして終演後は、有志による!日本食打ち上げ〜。

私をすごく褒めてくれた美青年(そういうことは忘れない!笑)の彼氏がオーガナイズしてくれ、サバデイで最近2周年を迎えたという日本食屋さん、KOTEへ。

舞台裏!〜サバデイ日記12 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

kote

美味しいよ、というだけの知識のみでお店に到着。

あ、メニューの日本語がちゃんとしてる!と思いつつ入店。(ヨーロッパでは日本食屋さんといえど大体日本人はおらず、色々怪しいのが相場)。

すると、そこには素晴らしく感じの良い笑顔の日本人のご夫妻が。手には私達の《蝶々夫人》のプログラムを持って!!

なんて素晴らしい偶然...。

ご夫妻はいつもサバデイにいらっしゃるわけではなく、普段お店は娘さんご夫妻が切りもりしているとのこと。

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まだサバデイには3週間くらい滞在するし、また来よう!と思いながら帰ったわけですが...。

実は翌日(今日)、またお昼に行ってしまいました!!!

昨晩とは違うものを色々いただきましたが、すべて美味しかった〜。

あ、コテ、とはお好み焼きのコテのことで、こちらではお好み焼き、焼きそばがメインメニュー。メニューはまた滞在中にゆっくりご紹介したいところ...。


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マグロとアボカドのタルタルも最高でした!

そして、オーナーご夫妻から、デザートはすべて娘さんの手作りときき、体重が気になりながらも、大好物のフォンダンショコラを!!

こちらではCoulant de chocolateと呼びます。

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幸せな休日〜〜!!

さてさて、明日は《蝶々夫人》、レウスという街での公演です!


日本食パワーで、更に深いスズキを演じたいと思います。

舞台裏!〜サバデイ日記12

初日を見に来てくれた美青年に、「あなたのスズキのキャラクターが素晴らしくて恋しました」と言ってもらったのですが、彼が2日目の打ち上げに一緒に参加して(合唱団の美青年の彼氏だから)、一緒に飲めや踊れやしていたら、

「あなたがこんな風に飲んでゲラゲラ笑って騒いでるのが不思議です」

って、ちょっと悲しそうに言われてしまいました。夢を壊してごめんなさい......。

舞台に裏はつきものなんです!!


さて、2日目も熱狂に震えたサバデイ・ファランドゥラ劇場。

開演前、2階楽屋廊下にちょっと気になる窓を見つけました。

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潜水艦の窓みたいな......。

ちなみに向こうにいるのはシャープレスくん。彼が立ってるとこがメイク室前。

3階楽屋廊下に行ってみると、

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こんな低い位置。

ちなみに向こうにいるのはピンカートンくん。
彼が立ってるとこが床山室前。

さて、この窓たちは何のため??

2階に戻って、窓に近付いてみます。

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じゃん。
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じゃじゃん!

舞台が見えます!!

楽屋にいる出演者やスタッフが、舞台の進行状況を見るための窓だったんですねえ。

今はモニターというものもありますが、以前は必要な窓だったんでしょう。

もう今は誰も覗いてませんが、私、スズキ、こっそり1幕のラブ・ドゥエットを覗いてみました♡
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次はもっといいとこ覗いちゃおうかなあー(笑)。

こんな余裕っぽくしていますが、実は眠気と空腹と戦ってました(笑)。

アパートを出るときに「あ、夕飯食べそびれた」と気がつき、道すがら便利なコンビニなどもないし、ま、いっか、痩せとこ!と開き直りましたけど。

そういえば、HPと連日で一番きつかったGPの日も食べそびれたまま21時からGPが開始して。


2幕開始前に「お腹空いたなあ〜」なんて思いながら袖にスタンバイしていたら、不思議な光景が見えたのです。

今まで劇場で見たことがない、スレンダーな身体に長い金髪を荒々しく結び上げたワイルドなグワポ(ハンサム)が、私の何歩か先で舞台に片足をかけ、私に横顔を向けながら生ハムが挟まれたパンをムシャムシャと貪り食っている。

私がこう思ったのは自然なことではないでしょうか。

私、なんか色々欲求不満で幻をみているのかもしれない。

アリー・マイ・ラブ的な(笑)。

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まあ、もちろん実在のスタッフさんでしたけどね。
幻と決めつけてパンを奪ったりしなくて良かったです。

さて、まだまだ公演は続きますが、ファランドゥラ劇場ではあと一回。明日の...マチネ?とは言わないか?少し早く、18時から。
これなら普通にお昼を食べていれば大丈夫だから良かった〜(笑)。

今日はお休みで、カタルーニャは「サン・ジョルディの日」でお祭り色に塗り尽くされている感じ。



他人の幸せの姿でも見学しに、街を歩いてこようかな。
ひとりで!
(幻、見始めませんように......)。


サバデイ・ファランドゥラ劇場《蝶々夫人》初日。〜サバデイ日記11

我々の《蝶々夫人》。初日、無事あけました!

こちらは終演後、舞台での記念撮影。

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あ、マエストロがいないようなので、開演前のこちらも!

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右から、マエストロ・ヒメノ(姫野、て漢字が浮かびます。笑)、ピアニスト兼たまに副指揮のアンドレア、合唱指揮のダニエル、と、スズキな私。

8年前にも歌った劇場だし、劇場での稽古も何回もあったので、初日とはいえ、割とリラックス...とはいえ、まあ、気合いは入りますけどねー。お客様を《蝶々夫人》の世界から逃さないようにするのもスズキの私の仕事!と、自負して...。

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カーテンコールでは熱い拍手、Bravaの声、指笛(イタリアでは良くない意味なので一瞬焦りましたが...)をたくさんいただき、役割を無事果たせた喜びをかみしめました。

誰よりも一番大きな拍手は、もちろん蝶々さんの森三記さんに!

実はアリア、”Un bel dì vedremo”のあとの熱狂はこのカーテンコールより凄かった!!いやー、そうでしょうね、て、思いましたけど。
いつも計算尽くの演技しかしない私も(嘘。できてない。笑)ブワッと涙が出そうになりましたので。


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こちらは蝶々さんの息子、ドローレ役のベルナットくん。母ちゃんとこの息子と同じ6歳の彼は本当に素晴らしくて、指示された演技を過不足なく自然にこなしていて、顔も小さくて可愛いし(笑)、驚きの才能!


さて、これからは1日〜数日おきにあと9回公演。長丁場です。絶対何かハプニングもあるだろうけど(笑)、蝶々さんに、作品に、音楽に、そして聴きに来てくださる皆様に真摯にお仕えするつもりのスズキでございます。

サバデイでの公演はあと2回。その後は近郊の劇場へ《蝶々夫人》お届け7回。

8年前にも同じように周ったのですが。このスペイン、カタルーニャ。どこに行っても観客の熱狂は凄まじく、歌手、そして演技者冥利に尽きる反応がいただけるのです。

公演の最中も、観客は泣いたり笑ったり大忙し。

はい。ここでクイズ。

蝶々夫人》で観客大爆笑のシーン、どこか分かりますか?

答えはそのうち書きますが(笑)。

残念ながら私のシーンではなく、すんごく羨ましくて、スズキもどこかウケ狙えないか真剣に考えているところです...。

ともかく。

こちらの観客の皆様は熱い!蝶々夫人は特に人気演目だそうで、作品自体も、蝶々さんのキャラクターも、歌う三記さんも、観客に非常に愛されているのを強く感じます。

ふと、「愛」についてTwitterでこんな言葉が目に入りまして。

この言葉自体は結果ネガティブな話で(笑)、それはそれで納得なんですけど!

でも、あるよね。「黙ってる愛」「地獄にならない愛」(笑)。

私が第一にそれだと思うのは、舞台にいるときに、聴きにきて下さる皆様と交わす愛。

私たちは歌ってるので、黙ってるわけではないですが、観客の皆様への愛を歌っている訳ではないので、それはある意味秘密の愛!でも実はかなり愛してるんですよ(笑)。必死に!!

たぶんこのブログを読んで下さっているのは日本の方が多いと思うのですが...(笑)、日本でももっともっと、この「オペラ歌手と交わす愛」が広まらないかなあ、と思って、ある意味遠回しなラブレターとしてこのブログを書いております。

今週のお題「私がブログを書く理由」


ついでに?更にについて。

蝶々夫人》1幕の愛のドゥエットの中で、蝶々さんが美しいメロディに乗せて繰り返す、ぐっとくる言葉。

”Vogliatemi bene...”

私を愛して

という意味ですが、

ラ・トラヴィアータ》でヴィオレッタが絶唱する、

”Amami”

私を愛して

とは趣が違うのです。

Vogliatemi bene は、私を大切にしてください。キリシタン文学で「ご大切」と訳されていたような愛に近いのかも。蝶々さんも改宗したし。

Amami は、身も心も奪って、というような幾分アグレッシブな愛。

どちらもそれぞれ味わい深いんですが、やはり蝶々さんには前者が似合います。可愛い...。

昨日の初日では観客の心を鷲掴みにしていた蝶々さん。

明日はどんな風に愛し愛されるのかなあ〜。


《蝶々夫人》GP!〜サバデイ日記10

昨日は《蝶々夫人》、GP(ヘネラル!)でした。あとは明日からの本番を残すのみ!のみ、て言っても10回もあるけど!

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GP開始15分前。ちょっと遊んでしまったSuzukiでした...。

もみあげが短いからなんか顔に黒い部分が足りないんだよなあ〜、と思ってたら、そこにサングラスが!(笑)

あとは、HP(プレヘネラル)からの写真を少し。

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躍動感!

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それにしても障子でかい。

舞台裏では...。

なんだか、劇場入りしてから、どんどんスズキの仕事が増えてまして(笑)。

まあ、そういう役だから良いんですけど、けっこうぶっつけで「そこんとこよろしく」みたいなのもあり...。

今のところ(というか、もう全稽古終了しましたが)ぶっつけでも、まるで厳密に計算しつくしたかのようなタイミングでうまくこなせている自分が怖いのです。

「やよいは日本人だし、Bravaだから何でもできる」

みたいな間違った認識(笑)による期待にしっかり応えている形ですが、実は私......いやいや、ここでは期待通りの私でいよう!!!

本番も楽しく泣かせるぞ〜〜。


そういえば、サバデイ日記が二桁に到達〜。......決して暇なわけじゃないですよ!(笑)

いや、やっぱり日本にいるときよりは暇はあるのかも...。そしてやはりこの街、サバデイがいい街すぎる!

お題「好きな街」

いま一度、この動画をご紹介。

Som Sabadell flashmob - BANCO SABADELL - YouTube

素敵な街っぽいでしょ?

元々こういう、中くらいの街が好きで。

ちなみに今まで住んだ街は......

フィレンツェは人が多すぎだけどまあまあ住みやすい。本当に街の角全てにある歴史にときめきながら生活できるし。ただ、もし一生住むなら郊外(せめて盆地の外)希望。

ブラ(イタリア、ピエモンテ州)は何にもなさ過ぎだけど私史上世界一美味しいレストランと、世界一素敵なバール&パスティッチェリーア(おやつやさん)と、世界一美味しいチーズ屋さんがあるから一生住めるかも、と思った。ワイン好きにもたまらない場所。

パリは......うん。たまに行くのがいいかな。

ついでに月単位で過ごした街だと、モスクワ、サンクトペテルブルク、ローマ......住むのは嫌だなあ。大味すぎる。あ、ベルリンはイタリア人観光客がいなければ住めるかも(笑)。

ブラからパリに引っ越すときに、普通車に家財道具を一切合切詰め込んで、途中で一泊したヴェズレーなんかも住んでみたい感じでした。荷物が心配だから屋内の駐車場なんてないかな?と相談したホテルの方のお返事が良かった!

ヴェズレーは巡礼の街です。泥棒はいません

とな。

聞いたか、ローマ!!(笑)

もちろんイタリアで車を路上に駐めるときなんかは何にも中に残さないんですけど、一度だけうっかりブラの名店「コンヴェルソ」のチョコを置き忘れたことがあり、しっかり盗られました。

Caffè, pasticceria, torte, cioccolato, panettoni, aperitivi | Caffè Pasticceria Converso | Bra (CN) | Piemonte

うわー!コンヴェルソのチョコ食べたい!!誰かー!!!(笑)


さて、サバデイに話を戻しまして...。

なんか、街の人々に余裕があるんですよね。というか、余裕がないひとがいない。同じか?

それゆえ、仕事も、街歩きも、買い物も、気持ちよく、ストレスなくできる!スペイン語できなくても!

こちら、カタルーニャ地方の言語「カタラン」が標準スペイン語「カスティリャーノ」よりも更にイタリア語に似ているらしく、意外とイタリア語をスペイン風に話してみると通じる、ていうのもあるんですけどね。

昨日はGP前にすっかり馴染んだ街をフラフラ。店中のものがすべて好みな服屋さんを見つけてしまいました...。しかも火曜日(今日)新商品がたくさん来るんだってさ。お店を出るときに(当然手には買った服を持って)、

Hasta mañana”(明日ね〜)

と言われてしまって否定し忘れたので、今日も行かないとかなあ、と、思ってます...!


おわり。

と、思いましたが......。

......やっぱり「好きな街」、もうひとつ...。

私は石川県で生まれましたが、母が九州女。小倉で生まれ、熊本に引っ越し、今も母の実家、親戚は皆、熊本。

小さい頃からお休みのたびに熊本に行っていて、親戚付き合いも密。

母の故郷へ。能登〜九州親子三代旅part3 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

華やかで明るく、優しくて、言葉がやたら上品で、心は熱い。そんな熊本の人々と半分同じ血が流れていることがずっと嬉しくて、今も誇りに思っています。

どこか私の中で、理想郷のようでもあった熊本が大災害に見舞われ、今も苦しんでいる方々がたくさんいる。こんな遠くでフラフラしてるやつからの心配なんて全くいらんことだと知りつつも、日々、一瞬一瞬、考えずには、祈らずにはいられません。

母やおばちゃん、おじちゃん達が話してくれた、父親を亡くし、貧乏でも助けあって、笑って暮らしていた昔話。

苦労して母たち姉弟を育てた厳しい祖母がたまに効かせる極上の笑いや、その祖母の納骨で、皆でお墓の前で記念撮影をしようとした時に従姉妹のまなちゃんが「納骨たーい!」とピースした笑顔。

どんなときにもユーモアを持って踏ん張れる力は、私も受け継いだ一番貴重な、ありがたい気質。

でも、だからこそ、彼らは今どんな大きい不安を押し殺しているのでしょうか。

早く平穏な日々が戻りますように。亡くなった方も多いし、元どおりは望めないけど、せめて揺れが収まって。せめて安全な場所と食べ物を、早く。

私が男だったら名乗るはずだった名前の、一番たくさん一緒に旅行した、弟みたいな大ちゃん。もうパパやもんね。

泣く暇もないやろうから、暇でフラフラしとう私が代わりに泣くだけ泣いとく。

くだらんことでごめん。

他、なんもできんけん。