mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

仙台フィルハーモニー管弦楽団、巡回公演が能登に!!

お題「最近涙したこと」

 

今回の帰郷中の大きな楽しみのひとつが、この、仙台フィルさんとの再会でした!

ここ最近では(とはいえ、もうまあまあ前だなあ)昨年末の第九、今年2月のカルメンでお世話になった、なぜかとても親近感の湧くオーケストラ。

いちのせき《第九》。2015仕事納め!! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

秋田アトリオン、山田和樹マエストロ×仙台フィル×藤原歌劇団《カルメン》終演! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

で、こんなコールを受けたからには......

地元が荒らされる!!

と、慌てて出動(笑)。

 

「コンサート聴きに来てもいいですよ」と言っていただけたので、喜んで実家から車で15分ほどの鹿島小学校へ。

2年前に何校かが統合して出来た、非常にキラキラした新しい学校なので、もちろん母校ではないのですが、会場の体育館に入り、小学校の体育館には必ずあるアレを見上げて、びっくり!!

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作曲の中村はじめさんという女性なんですが、私が中学2年の時にたぶん新任でいらした音楽の先生で、その頃はブラスバンド部でホルンを吹いていた私に、たしか、写生大会か何かの時に私が山に向かって歌っていた声を聴いて(笑)、

「あなたは声楽を学ぶべきだ」

と、最初に言った人。私の返事は、

「セイガク??それ何け?」

とかだったと思いますけど(笑)。

 

鹿島小学校のある中能登町のご出身なので作曲をお願いした、と、あとで校長先生にお聞きしました。

 

仙台フィルの方々ともそんな話をしつつ、コンサート開始!

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プログラムはこんな感じ。

小学校向けと侮るなかれ!めっちゃめちゃ楽しい内容でした。

いや、私が小学生並みなんでしょうけど?

楽器紹介での、それぞれの楽器の方々が選んだ小曲もいちいち楽しくて、コントラバスの「赤とんぼ」は美しく、ピッコロの「ピタゴラスイッチ」や、チューバの「ぞうさん」(テッパン!笑)では子供達も可愛らしい歌声で参加♡

星条旗よ永遠なれ」では会場全体の手拍子がしっかり遅れたり早くなったりすることなく続いたことに感動!(笑)

よくカルメンの「闘牛士の歌」を歌うバリトンが会場から手拍子もらい始めたはいいけど、途中でバラバラになって収集つかなくなるんだよね〜〜、なんて思っていたら、次の曲はその「闘牛士」。

カルメン」にひっかけて、客席にいた私も司会の我妻さんにちょい、いじられつつ......この曲では、2人の子供が指揮者体験!!のびのびと上手に振っていました。

能登の人はテンポ感がいいらしい!!(私ももちろん能登出身ですから)。

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遠くに見えるは、左が本当に素晴らしい司会ぶりだった我妻さん、中央が指揮の工藤敏幸さん。

そして、「Believe」は小学生のみんなとオーケストラのコラボレーション。

そのピュアでハートフルな歌声に、涙腺がゆるまってきましたよ...。

こんな風にどのコーナー、どの曲も小学生が興味を持てるように工夫されていて、面白くないわけがない感じ!!

プログラム最後の「モルダウ」は、曲で表されている情景、場面をあらかじめ選ばれし子供達が絵にしていて、それをプロジェクターに映し出しながら演奏を聴く、という趣向。

まあ、私も隣で聴いていた姉もさだまさしファンなので、頭の中にはずっと「おとーこは おーおきーな かわーにーなれーーー」というさださんの声が流れていましたけど(笑)。

 

プログラムが終わり、子供達からのお礼の挨拶、感想、花束贈呈のあとには、校歌をオーケストラバージョンで、という豪華なアンコール!!

恩師、中村はじめさん作曲の校歌を仙台フィルの暖かでカッコイイ演奏、子供達の元気がよい歌で聴いて、またまた涙が......。

 

たっぷり一時間半の癒しでした。

 

会えそうもない場所で誰かに再会できるって、楽しいですよね。

どなたとは言いませんが、オーケストラのメンバーの方に、

「鳥木さんのカルメンが忘れられないんですよー。あのほら、縛られていたところが良くて...」

と言われました。そこかーーーい!(笑)

 

さてさて、先に出発した仙台フィルの皆様を追うように、私もすでに新幹線に乗っております。

 

仙台フィルさんとの共演もまたぜひ叶えたいし、次に故郷に戻るのは、この公演のときかな?

 

短かったけど、楽しい旅でした。

https://www.instagram.com/p/BKaPwC5BdRp/

故郷をあとに。

 

 

藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》終演!

 

ロミオ、故郷へ帰る。

て感じで!?ただいま北陸新幹線かがやき車中です。

公演から4日経ちましたが、まだ舞台の熱が少し身体に残っている感じ。

いや、もしかしたら残っているのは「舞台の熱」ではなく「打ち上げの酔い」かもしれませんが...(笑)。

素晴らしい声、歌、芝居を同じ舞台上で堪能させていただいた共演者の皆様、マエストロ、総監督、一緒に稽古を頑張ってきた別日のキャストの方やアンダースタディーの方々、合唱団の方も加わり、打ち上げも非常に盛り上がりました〜。

 

終演後、まず驚いたのはこの出来事。

1幕のわりと早い段階で飛んできて、あとで私経由で返せばいいか、指揮者は予備の指揮棒くらいあるんだろうし、と思ってキープしていたらしいんですが、とりあえず私が覚えている限り山下一史マエストロ、本番に限って指揮棒なしでの指揮でした(笑)。

打ち上げでご一緒したときにそれをお話して、指揮棒もお返ししようかと思ったのですが、やはり記念に、と、サインまでしていただいて、我が家の家宝となりました。

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ちなみに、下の写真は劇場で販売したブロマイド!(笑)

なんと開演前に売り切れました!!

 

前にもどこかに書きましたが、私がまだうら若きころ!初めて歌った、ベートーヴェン第9とミサ・ソレムニスの指揮者が山下さんでした。

そのときに美味しいお寿司をごちそうになった話をいつまでもしているのですけど(笑)。

私を見出してくださった岩城宏之さんの次に、深いご縁を感じるマエストロです。

ワインと餃子がお好きなところにもだし。

今回稽古で再会したときには、私が5月にバルセロナから帰った直後にバルセロナで公演があった《カプレーティ家とモンテッキ家》を観るためにバルセロナに行っていたというすれ違いも発覚。

山下マエストロは、指揮自体ももちろんですが、稽古中から打ち上げまでで見聞きしたオペラに対する謙虚で真摯な姿、言葉が本当に素晴らしく、私の大好きなこの作品で、奇跡的なキャストで、ご一緒できたことが嬉しくてたまりません。

やはり山下マエストロのオペラは良い、という噂は他からもたくさん聞いております。

今のところ、次は宗教曲でご一緒する予定しかないので...ぜひオペラもまた山下さんの指揮で歌いたいなあ!!

 

さてさて。

幸い、お客様方から、公演に関する嬉しいご感想もたくさん届いております。

私に関することで面白かった(笑)のをいくつか。 

 

  • 登場シーンで「待ってました!」と声をかけたくなったので屋号を決めたほうがよい。(Nさん・フルーティスト・男性)
  • ズボン&ブーツの似合い具合がバスティアニーニコレッリ(イタリアオペラ黄金時代のモテモテ男性歌手たち)と互角。(Sさん・オペラファン・男性)
  • 女らしいところがひとつもなくて良かった。(誰に言われたか忘れた)
  • キャー!キャー!!(藤原歌劇団女子マネージャーらを含む若い女性たち)
  • 本当になんか始めそうだった(ラブシーンを見て。Iさん・夫)
  • ママ、死んだフリだよね?(Mくん・息子)

 

最後のはともかく、絶賛の男らしさ!(笑)

これにはスペシャルサンクスを送りたい方がひとり。

全身写真でどんなにスッとしていらっしゃるかも見てください!

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この舞台稽古の日、長〜〜い1日の終わりでまあまあへとへとでしたが...。

江副記念財団45周年記念コンサート&藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》GP - mezzosoprano 鳥木弥生blog

ものすごく細かく改善すべき点を教えていただき、しかも自分がちょっと疑問に思っていたところをズバリ、ズバリと指摘され、閉じかけた目が爛々とするのを我ながら感じました。この出会いも奇跡的!!

せっかくだからまた男役やりたいなあ......。

アドバイスいただく前にも「だいたい良いですよ。酷かったらどうしようかと思った」と褒めて??いただいたので、元々素質ありなんだと思うんですよねー。(調子乗りました。ごめんなさい。笑)。

GPを観に来てくださった方の中には、最初サウンドチェックで舞台上に上がった私とテバルド所谷直生さんのどちらが本物の男性か声を聴くまで分からなかった、という方も!!

最後、お墓のシーンでは階段を降りて登場したのですが、そこから完全に気分は宝塚?!

カーテンコールでは思わず緞帳裏から引いて出た暁恵ジュリエッタの手の甲にキスまでしてしまい、裏に戻ったときに少し恥ずかしくなって「ごめんね...」と小さく謝りました(笑)。

 

お稽古も見に来てくださったライターの小田島久恵さんが、素敵な感想を書いてくれました!


こんなに褒めていただくにはまだまだ足りない部分が多すぎて、ベルカントオペラを、現代に相応しく、見た目、演技でも観客を納得させる舞台の中で歌う難しさを痛感しました。

最後は本当に取捨選択。

最後の最後まで迷って迷ってようやく決めた部分を、終演後のホワイエでの交流で、オペラファンの方に特に良かったと言われた時には感謝でその方を抱きしめそうになりました!

 

演出の松本重孝さんには面倒くさい歌手だと思われていること請け合いなんですが(笑)、楽譜を大切にして、音楽、言葉、演技の全てがあるべき姿で流れていく、という目指すところが同じだという確信はあったので、一緒に試行錯誤できたことをたいへん嬉しく思っています。

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JOF Blog 舞台裏レポート | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

 

右から、総監督折江さん、カペッリオ豊島雄一さん、ジュリエッタ光岡暁恵さん、私、松本重孝さん、テバルド所谷直生さん、ロレンツォ坂本伸司さん。

 

写っていないマエストロ、合唱団、オーケストラ、スタッフの方々も含め、本当に良いチームでした。

稽古は終始和やかで、信頼感に溢れ、集中力漲っていたし、本当に個性的である意味変態な芸術家の集まりなのに、邪魔になるような人は1人もおらず(笑)、みんなが良い働きをしました。

こんな皆さんの中で主役だとかはおこがましくて言えるはずがなく...改めてこのオペラのタイトルが、

《カプレーティ家とモンテッキ家》

であることに感謝しました。

もしもロミオとジュリエットだったら筆頭タイトルロールになってしまうけど、《カプレーティ家とモンテッキ家》ですから、ある意味全員タイトルロール!

 

ありがとう、ベッリーニ!!

またぜひ、あなたの作品を歌わせて下さい。

 

藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》開幕!!

さあ、いよいよ、初日幕開け!

出番が明日の私は本日自宅待機ですが...。

とりあえず期間限定でSNSプロフィール写真などを、こちらのロメオin楽屋バージョンにしてみました!!

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今回の公演では、ファンサービスも色々考えられていまして(ファン、いてくれますように。笑)、サイン付きポートレイト(舞台での写真)の販売や、あとこれ、言っていいのかな?帰りにお客様のお見送りも予定されています!!

 

ポートレイトはごく少数枚となっておりますので、ご希望の方はお早めに。

ロメオ姿の私と会ってみたいと思ってくださる方は、ぜひ終演後、少しホワイエにてお待ちくださいませ。

 

告白?しますと、私はどちらかというと職人肌というか、舞台上ではあるべき姿であろうと思いますが、実態はさほど華やかな方ではないので(笑)、近くで見たからって皆様に喜んでいただける自信はありませんが!!皆様にお越しいただけた感謝を直接伝えるチャンスとして、楽しみにしています!

 

昨日はGPで、少しお客様もいらっしゃいましたし、本番とほぼ同じ条件でロメオを歌い、演じました。

本番、芝居、音楽的なこと以外で、さらに男らしくあるために、ひとつ変えたほうがいいかな、と思っていることがあって。今日そのために買い物に出るか迷っているところです。

イタリア語で言うと、すごくintimo(インティモ)なことです。「内的な」という意味で音楽用語としても使われる言葉ですが、翻訳して別の意味をみたら私が何を変えようとしているか分かるかも(笑)。

それに関連しまして...。

 お題「私のカバンの中身」

たまに質問されるのですが、衣装が自前だったりするコンサートと違い、オペラの時は基本、衣装さんやメイクさんに全てやっていただくし、基本的に手ぶらで劇場に入っても大丈夫。

メイク落としなどもしっかり準備されております。

とはいえ、やはり終演後普通のメイクをしたかったりしたら自分のメイク道具が必要だったり、いただいた差し入れを運ぶためとか、まずもって楽譜が重かったりで(覚えたら持たない、という強者もいますが)、結局スーツケースをガラガラ運んでいたりします。

 

そして、打ち上げで盛り上がりすぎてお店や電車にスーツケースとか花とかを置き忘れたり......も、あるある。

まあ、帰りのことはいいや。

とりあえず明日はチケットトラブルだけ無いようにしよう!(トラウマ...)

 江副記念財団45周年記念コンサート&藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》GP - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

昨日のGPには里美ちゃんと佳子ちゃんも応援に来てくれて。 

二人とも、差し入れもありがとうーー!!

 

つらつらと色々書きましたが、最後に。

明日観に来ていただける皆様に、ひとことイタリア語講座を(笑)。

昨日歌いながら、ロメオ、よくこの言葉使うなあ、と思ったひとこと。

”Vieni”

ヴィエーニ、と発音しまして、動詞venire(来る。英語で言うとcome)の二人称単数、または二人称命令形。

歌詞にあるのはほぼ命令形かな。

ジュリエッタに対して、一緒に外の世界に逃げよう、または、僕の元へおいで、なんてことを言うときにいっぱい言います。

あとは、恋敵テバルドにも決闘のシーンで。

その場合は、もちろん「おいで...」ではなく(笑)「かかって来い!!」ですね。

 

そんな、時には優しく、時には激しいVieniを聴いていただけたらと思います。

 

JOF Blog 舞台裏レポート | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

これまでの稽古ブログなども、まだご覧になっていない方はぜひ!

 

 それでは、明日、新国立劇場でお待ちしております!!

江副記念財団45周年記念コンサート&藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》GP

 

オペラの合間の息抜きにコンサート...と言うには豪華すぎる演奏会が、一昨日のKHP(ピアノ舞台稽古)と本日のGPの間、昨晩、ありました。

 

歌手4人は武蔵野音大の先輩お二人と同級生で今は講師としても同僚の、長いお付き合い、共演も多いメンバーで、控室、楽屋ではまさに息抜きモードの楽しさでしたが。

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天下のサントリーホールで、天下のマエストロ・バッティストーニ、天下の東フィルさまとの共演をオペラの合間に(しかも全然違うタイプの曲)という、まあ、私にとっては?まあまあ、無謀な。

 

ひとつ言い訳?をしますと、最初に「9/8なんだけど、江副記念財団45周年記念コンサート出れる?」とお声がかかった時には、まさかこのような、豪華なオーケストラ、豪華なソリスト、豪華なマエストロとの共演とは思わず...(45年、て数字もいまいち中途半端だし。笑)、その日オペラの方は別組のGPだし、1、2曲歌うだけらしいし、藤原歌劇団もGOを出してくれたし、まあ、何より江副育英会さまには二年間イタリア留学の奨学金をいただいていたご恩もあるし、という気持ちでお引き受けして...。

 

 

誰が指揮者か知らなかったどころか、オーケストラ伴奏なことすら知らなかったわけで...。

 

結果、何が大変だったかというと、体力も声も幸い大丈夫でしたし、スケジュールなどはバッチリ綺麗に組んでいただいて問題なかったのですが!

......チケット管理が......。

昨晩のコンサートのリハーサルでオペラシティ、11日の《カプモン》の舞台稽古で新国立劇場、という初台駅のあっちとこっちでダブルヘッダーだったのが、一昨日、7日のこと。

その日、可愛い生徒たちに頼まれたコンサートのチケット4枚をリハーサルの時にオペラシティで受け取り、その後、新国立劇場へ。翌日サントリーホールで受付置きにするために、生徒たちの名前を楽屋でチケット袋に書き。

 

そのまま新国立劇場楽屋に放置。

 

コンサート当日の昨日。

サントリーホールにて。

直前リハーサルが終わったあとに荷物をいくらひっくり返してもチケットは見つからないわけです。

その時点ではどこに置き忘れたか、はたまた鞄のどこかに埋もれているのか、皆目分からず...。

せめて席番が分かれば再発行可能、と聞き、そこからは、藤原歌劇団のマネージャー様たち(サントリーホール側、新国側双方の)、江副育英会の事務の皆さま、今回のコンサートの歌手部門のためにわざわざ来てくださった、私たちが奨学金をいただいていた時にお世話になっていた、今は東京文化会館にいらっしゃるK女史、たまたま楽屋見舞いを持ってきてくれた小川里美ちゃん、自宅にある可能性も考えて家族、などを巻きこんでの大捜索!!!

 

結局チケットは無事、新国立劇場の楽屋、スーツケースの中(その前に他の場所もいっぱい探させた......)から発見されたわけですが。

久々にお会いしたK女史、苦笑いのお顔に「鳥木、相変わらずやな」と、はっきりくっきり書いてありましたね〜。

本当に、相変わらずでごめんなさい、でした...。

 

さてさて、ハプニングはともかく!?

コンサートはオペラ歌手4人以外に、ピアノ、バイオリン、チェロの若く才能溢れるソリストの方々も出演され、盛りだくさん!!

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たいへん盛り上がりました〜〜。

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こちらの模様はBSでの放送もあるようですので、またお知らせいたします!!

 


さてさて、そんな昨晩の興奮も冷めやらない今日は、オペラ《カプレーティ家とモンテッキ家》のGP。

 

昨日の姿からうって変わって、男らしい私(笑)。



https://www.instagram.com/p/BKIfl39hqZU/

Romeo nel camerino.

 

本当に、本当に、素晴らしい共演者に恵まれました。

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日・11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

山下マエストロも、ソリストの仲間も、まだベテランというには早く、若手というには遅く(笑)、自分たちで言うのも何ですが、「1番いい時」が揃いました!!

ベッリーニ29歳の時の、これまた「1番いい時」の作品に対して、今日のGPが終わってもまだまだ上を目指すパッションを、全員から強く感じました。

 

明後日の公演が本当に楽しみ。

 

あ、明日も別キャストでの公演があります!!

おすすめはもちろん、両キャストの聴き比べ!!!

当日券も出ると思います。

週末のご予定に、ぜひ藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》を!!!

カプモンGO!!!

 

 

もうチケットトラブルはありませんように(笑)。

もしも私にチケットお願いしたけど連絡無いよ、て方がこちらを見られていましたら...お手数ですが再びご連絡下さいませ...。

(すっかりトラウマ...)。

 

芸術の秋!!オペラの秋!!!藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》

お題「芸術の秋」

 

全ての芸術は音楽に嫉妬する

とは、ニーチェの言葉。

楽器は常に人の声(歌)を理想としている

というのもよく聞く言葉。

(今ちょっと「シンバルとかも?」と思いましたが、合唱でワーッて叫んだらシンバルと同じような効果でもっと胸に迫るかもしれないし、ぜひシンバルにもそこを目指して欲しいです。笑)

 

そして、オペラは人の声の芸術ですが、もちろんオーケストラあり、舞台美術あり、演劇もあり、その他諸々...総合芸術と呼ばれます。

 

芸術のデパートや〜

ってことですね。

 

つまり、芸術の秋。

何をすべきかと言えば、

 

オペラを観に行く、聴きに行く

 

これしかない、ということです!!

 

ちなみに、オペラの故郷イタリアでは、伝統的にオペラは「見に行く(観に行く)」ではなく、「聴きに行く」と言いますが、私の師匠ロシア人メゾソプラノのオブラスツォワが、《カルメン》で演出家のゼッフィレッリと揉めた時に、「確かにオペラは聴きに来るものだが、何かを見に来る人だってきっといる」と、今では当たり前なことを主張され、その新鮮な意見に納得したそう。

で、結果、すんごいシリアスな歌を歌ってるときに横でロバにボトボト落し物をされて、お詫びにゼッフィレッリから楽屋を埋め尽くしそうな大きなバラの花束をもらったそうです。芳香目的?(笑)。

 

もとい。

 

今から私がオススメするオペラには生きたロバは出てきませんのでご安心を...。

 

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日、11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

 

来週末、新国立劇場で公演される、ベッリーニ作曲のオペラ

《カプレーティ家とモンテッキ家》

は、中世イタリア、ヴェローナの街で起こった世界一有名な悲恋、ロミオとジュリエットの伝説をもとにした作品。

残念ながら世界一有名にしたのはオペラではなくシェイクスピアの戯曲ですが...。

ベッリーニがこのオペラを作曲するより200年ばかり早くシェイクスピアの作品は存在したし、他にも「ロミオとジュリエット」という恋人たちの名前をタイトルにした作品がいくつかすでにあったようで。

そこをあえて、対立する両家の家名を並べたタイトルにし、ストーリーもシェイクスピアにおもねらなかったところに、私はベッリーニの、イタリアの天才作曲家としてのプライドを感じます。

 

夭折の天才作曲家といえばモーツァルトばかりが有名ですが、このベッリーニも、先ほど書いた《カルメン》を作曲したビゼーも30代半ばで亡くなっています。

 

この作品、メゾソプラノ、女性としてロミオ(イタリア語読みでロメオ)を演じることなどについて以前に書いたものもよろしければ...。

 

ロミオとジュリエット。ヴェローナの街で、2人はなぜ引き裂かれたか? - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

舞台でロメオとして生きること #日本で女性として生きること - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

またシェイクスピアと比べますが、このオペラは登場人物も少なめで、ストーリーもあまり枝葉末節は無く、本筋だけがズドーンと進んでいく感じがものすごくイタリアオペラっぽく。

そして、もちろん起こる出来事は大悲劇でしかないのですが、そのメロディーの流麗さ、重唱やオーケストラ、合唱の多彩な響きの中に、私は何か、泣きながら微笑んでしまうような喜び、愉悦を感じるのです。

 

 

ついつい笑みが浮かんでしまうのは、一緒に歌う仲間が普段からトンチとシャレの効きまくった、一癖も二癖もある歌手たちだから...というのもあるかも...?

 

こちらがソリスト全員集合プラス藤原歌劇団総監督。

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右から、

カペッリオ(ジュリエッタの父)、豊島雄一さん。日本人離れした深い声でここぞという一言の説得力と迫力がすごいです!

ロレンツォ(ジュリエッタの家の医師。恋人たちの味方)、坂本伸司さん。物語中唯一の優しい男(笑)にぴったりな暖かい美声と語り口が際立つ方!

ジュリエッタ、光岡暁恵さん。ベルカントを歌わせたら右に出るものはないスーパーソプラノ。オケ合わせのとき、前奏曲木管が非常に技巧的なパッセージを演奏するのをじっと見つめる目が「私にそれ、歌わせてみろよ」と言ってました(笑)。

総監督、折江忠道氏。輝いてます。外側だけでなく内側も!!

ロメオ、私、鳥木。

テバルド(カペッリオがジュリエッタの婿、後継に指名するロメオの恋敵)、所谷直生さん。藤原歌劇団の秘密兵器?!南米系テノールのような粘りのある美声にぜひ注目して欲しい!

 

 

先日、稽古場にいらしたライターの小田島さんにもこんな風に言っていただけました!

 

 

もちろん元々オペラが大好き、ベッリーニが大好き、という方々にもぜひ、観て聴いていただきたいのですが、オペラあんまり知らないやー、て方にも来て欲しいなあ。

全くオペラ興味ない、て方がこれを読んでくださっている可能性は割と低めかと思いますが(笑)、もしいらっしゃったら!

 

はい!あなたです!!あなたのことです!!

 

ぜひぜひ、この機会、なんの機会かというと、予習しなくても余裕で話が分かって感動できるオペラを観る機会に。

 

「ああ、ロミオ、あなたは何故ロミオなの」

というシェイクスピアの名セリフはありませんが、もっともっと素直で劇的で心を打つ言葉が、美しいメロディーと共に目と耳に飛び込んで来ます。気持ちよく泣けます。

 

1幕フィナーレ、両家の兵士達が争いの火花を散らす音楽の中、ロメオとジュリエッタだけが全く別の世界を歌う、ある意味非常にトリッキーな曲があるのですが、そこで恋人達が語る言葉を最初に読んだ時、私は思わず楽譜に落涙しました。

 

Se ogni speme è a noi rapita

たとえ全ての願いが絶たれ、

Di mai più vederci in vita

二度と生きて会うことができなくても、

Questo addio, ah! non fia l'estremo, ah...

このお別れは、ああ!最期ではないのです、ああ...

ci vedremo al meno...al meno...

せめて...せめて...

 

 

ダメだ!もう涙で目が曇って書けない!!!

続きは劇場で!!!

 

お見逃し、お聴き逃しありませんように〜!

 

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日・11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

 



8.28小川里美バースデーサプライズレポート。

あれから一年......。

また、夏の終わりのこの日がやってきました。

サプライズ部活動報告。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

サプライズ部部長、小川里美さま。今年はめっちゃご警戒。

Instagram

 

去年やらなかった「バズーカ」なんて言葉をわざわざ口に出さなければ良かったという後悔も先にたたず。

 

それでも......。

やるしかないわけで。

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書くまでもないと思いますが本物じゃなくてクラッカーね(笑)

 

パーティーグッズ バズーカ型クラッカー ゴールデンバズーカ

パーティーグッズ バズーカ型クラッカー ゴールデンバズーカ

 

 

さて、そんな、今年の

8.28(前後)小川里美バースデーサプライズ

は、「プロ意識」が発揮され、「しつこさ」を打ち出した企画となりました。

今年は主に歌手で構成されている小さな「サプライズ部」から、各界のプロが様々な視点から綿密に計画し、FBメッセージの企画スレッドを伸ばしに伸ばすという、大きな羽ばたきを見せ。

当日朝、スタートの単独バズーカ突入を担当した私も、全貌を把握している自信はないくらい(笑)

 

まず「今年はこれで終わりかな?」と思わせる目的で?(笑)前日までに何度かのサプライズもあり。


当日の流れは...

(細かい作戦遂行方法、隊員などはマル秘で割愛している場合があります)。

 

鳥木、小川家に突入。

バズーカ発射。

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エレベーターの監視カメラについつい愛想笑いをしてしまった私でしたが、玄関前で靴を脱いだ時、突入の覚悟が(笑)。

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そんな決死の突入で完全にやりきった感を出しつつ、近所のレストランへお昼を食べに。

 

もちろんこちらにも待ち構えている部隊がおりまして、入り口と個室で二段階クラッカー。しつこい!!

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疑って他のドアも開けに行く、浴衣姿も可愛い里美ちゃん(笑)。

 

あとはゆっくりランチ...。

このお店がまた美味しくて!!!

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イタリア、ピエモンテ地方で私が住んでいたブラのご近所で、美味しいものと美味しいワインを求めて何度か訪れたLa Morraのワインが出てきたのも嬉しかった!!

花火つきデザート&私の本気バースデーソングであやっち(久々登場。息子の初恋のピアニスト、清水綾さん)の娘ちゃんが号泣してしまったのもご愛嬌(笑)。

 

そして、これだけ驚かされたのに、優しい里美ちゃんは、この後集まった面々をどうやっておもてなししたらいいか、ばかりを気にしていて。

私たちを「とりあえず家に...」と......。

 

それが私たちの計画の一部とも知らず......。

 

さて、私たちがゆっくりとランチをしていた時、小川家では。

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繰り返します。家主不在。

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オペラシティ”カルメン”でご一緒した大隣さやかさんも!!

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今よそでランチ食べてるのに!!!

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!!!!!!!

 

もう、流石にサプライズ、バズーカは終わって、あとは後々、家に人が増えてくるくらいかなあ?と、予測はしていたかもしれませんが、そうは問屋が卸さない!!!

 

まさかの帰宅バズーカ(笑)。

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これがメインメニューでした〜〜。

大・成・功

まあ、その後もバースデーケーキと共にソプラノ山口佳子ちゃんと、サプライズ初参加、ソプラノの佐藤篤子ちゃんが現れた時に、更に2発バズーカが発射されたんですけどね。

計4発。

私と、美人スナイパーKさんとは、バズーカ発射動画などを見て研究を重ねての本番(笑)。

結果、ちょっと近すぎたんですけどね。

皆様、バズーカは2m強の距離をとって発射しましょう。けっこう飛びます。

 

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ケーキ到着サプライズ(本当にしつこい。笑)の時間に合わせ、浴衣を脱いでハッピーバースデーTシャツに着がえろと促され、おかしいと思いつつ従う里美ちゃん(笑)。

(佐藤篤子ちゃんは翌日本番で泣く泣く、サプライズだけして帰宅...。笑)

 

そして、宴もたけなわ、満を持してのアレ!!

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(後ろで少し気の毒そうな表情をしているのはヤマハの相馬さん!今回の藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》の楽譜関連でもお世話になっております!)

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家主がブルーになる、というコリアンドロ効果は変わらず。

弥生です。三月生まれです。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

さっきまでこんなに幸せだったのにね!

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お誕生日おめでとう!里美ちゃん!! 

 

最後は暗い顔で別れちゃったけど、私たちの愛、伝わったよね。

 

しきりに「新国立劇場でコリアンドロ蒔いたらどうなるかな」とか、「9月11日、楽しみですね」とか言ってたけど、どういう意味かな......?

 

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 今週のお題特別編「はてなブログ フォトコンテスト 2016夏」

舞台でロメオとして生きること #日本で女性として生きること

9/10、9/11に新国立劇場で公演されるベッリーニ作曲、イタリア、ヴェローナに伝わるロミオとジュリエット伝説を基にしたストーリーのオペラ《カプレーティ家とモンテッキ家》(私のロメオ(ロミオ)役での出演は11日、日曜日14時です!)。

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日、11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

 

先日、合唱団と初顔合わせがあり、男声合唱の迫力の声に驚愕。

このオペラ、舞台に登場する合唱は男性だけで、女声合唱は裏歌のみなのです。つまり舞台に登場する見た目も女性な人物はジュリエッタだけ。(今回の公演では女声合唱の方々が助演として舞台に現れたりする...かもしれませんが)。

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普段は稽古着としてロングスカートを着用する私も今回の稽古中の脚はこんな感じ!

でもしばしば膝当てを付け忘れ、すでに膝は痣だらけ...。

 

さて、この《カプレーティ家とモンテッキ家》というオペラ。

当主カペッリオ(ジュリエッタの父)に呼び出されたカプレーティ家の一族郎党が、敵のモンテッキ家と、残忍な当主(ロメオはカペッリオの息子を殺したのです...)、彼らはまだ名前しか知らないロメオへの復讐を誓うシーンから始まります。

ロメオ(私)は、顔を知られていないというのを良いことに、そこにモンテッキ家のいちメッセンジャーを装って登場するのですが、登場を裏で待っている時に聴こえる、合唱団が叫ぶ、

ロメーオ!

という声が本当に憎々しげで恐ろしくて、みんな本当に私のこと嫌いなんじゃないの??と、涙チョチョギレそうになりました(笑)。

 

しかし、恐れを知らぬものより、恐れを克服するものの方が真に強いのだと、

ナポレオンも言っていたし!

 

涙をこらえて割って入ってみれば、いつもの頼りになる面々。

 

この間は笑いながら花を持って突入してきたヤツが、今度は男装して剣を持って来たよ、みたいな。

 

ハバネラより、ロメオの登場のアリアの方が100倍「難しい」とは、ハバネラにはハバネラの難しさがあるので言いませんが、なんて言うのかな、イタリア語で言えばimpegnativa?faticosa?日本語で言うと、労力を要する?まあ...タイヘン、です。

 

タイヘンなんですが、なんだか、ものすごい解放感!

これは何故だ、と考えた時に最初に思いあたったのは昔から剣士、騎士への憧れが強かったこと。憧れ、ていうのは「もちろん」白馬の騎士にさらわれるほうではなく、騎士になるほう!

私の出生の秘密(全くそんな大袈裟ではない。笑)については、こちらに少し。

ロミオとジュリエットvsカプレーティ家とモンテッキ家 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

でも、よくよく自分の胸のうちに聞いてみると、これは、幼い頃からの夢が叶った、とか、そういう積極的な喜びではなく、どちらかというと、マイナスがゼロになってホッとするような、やはり「解放感」と言う言葉がしっくりくるもの。

 

話は変わりますが(本当は変わってませんが)、私はまあまあフェミニストです。

母ちゃんメゾソプラノができるまで。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

とはいえ、↑こちらにも書きましたがミスコン見るの好きだし、お神輿には別に乗りたくないし、ピンク色も好きだし?、飲み物を注いだり料理を取り分けたりも自分の方が上手そうならやるし、マッチョ思想にしばられて男らしくしなければ!と思っている男性を可愛らしいもんだなーと思うこともあるし(笑)......いいかげんな、軟派なフェミニストです。

 

そして、男らしさとか、女らしさとか、女だからとか、男のくせにとか、そういう言葉、というか方便を使ったり、信じたりしている人を心底憐れに思っているのに、私自身もやはり女らしくしなければ!という考えに縛られていたのだなあ、と、最近痛感したのです。

そのきっかけが、男役を演じることだった、ということで、話が繋がります。

 

(↑開放感ではなく、解放感、でした...恥...。)


Twitterでちょうど話題になっているタグ #日本で女性として生きること を見つけ、様々な事象を拝見し、そうそう、と思ったり、驚いたり。

 

 

素敵なスピーチも発見。軟派フェミニストの私にも優しい...。

 

日本で」という部分に私なりの経験を付け加えると、また硬派、というか立派なフェミニストの方々には怒られてしまいそうなゲンキンな話なのかもしれませんが、例えば「イタリアで」だと、女性らしくしていることで得をする分量が、損をする分量より大幅に多く、しかも特に無理をしてらしくせず、「女性である」だけで得するので、イタリアで女性として生きることに特にプレッシャーを感じません。誤解を招かないよう付け加えると、得をもたらすのが必ずしも男性ということもなく。

しかし「日本で」は、まず得を与えるのはだいたい男性であるという前提で話をされていることが多く、現実的にも割とそうで、しかも、イタリアと同じくらいの得を享受するためには、小綺麗(まあ大綺麗でも。笑)にして、相手(男性)を立て、ちょっとおバカで(ふり、または実際に)、でも気は効いて、学歴も身長も高からず低からず......もっと色々あるかもですが、とにかくハードルが高い!!!

そしてそのハードルを越えるためのハウトゥーが惜しげも、いや、恥ずかしげもなく世に溢れている!!(笑)

愛され女子になる方法ってなんだ?

(息子なんてなーんも努力してないけど愛され子供です)。

とにかく「日本で女」はコスパが良くない。

イタリアが全面的に良いとは絶対に言いませんよ!イタリア人は女性を大切にするのと同じ自然さ(天然さ?)で色んな差別をしますからね。

 

さて。

 

オペラ《カプレーティ家とモンテッキ家》で私のお気に入りのフレーズのひとつが、ロメオとジュリエッタの二重唱の中でジュリエッタが歌う、

 

Io morrò se mio non sei 

 

という部分。

 

もしあなたが私のものでないなら、私は死んでしまう

 

と言っています。

稽古中、ジュリエッタの前に跪いてこの言葉を聴いたとき、またまた、実はけっこう日本的マッチョ思想に毒された私は、

「あれ?あきえちゃん(ジュリエッタ役、光岡暁恵さん)、歌詞間違えた?」

と、思ってしまったのです。

 

se tua non sono

 

私があなたのものでないなら

 

じゃないの??と。

 

あー、自分が憐れ!!

 

やはり実生活で100%の自分らしさを見つけて、発揮するのはなかなか難しいと思います...。

しかし、幸運にも私は、舞台の上だけでも自分らしさを発揮できる、メゾソプラノが演じるロメオ、という役を生きることができるわけです。

いつもは盛って盛って谷間をこれみよがしに披露する胸も、衣装さん特製ソフトさらし?で平にして。

秘すれば花なり、秘せずば花なるべからずとなり、て、

世阿弥も言っていたし!

 

せっかくなので、9月11日まで、この解放感を味わい尽くそうと思います。

まだ終わってませんが、またいつか歌いたいなあ、ロメオ。

あと、《皇帝ティトの慈悲》のセストとか、《オルフェオとエウリディーチェ》のオルフェオとか...。

ご依頼お待ちしてます...。

 

まあ、こんなにズボン好きみたいなこといいつつ、今PCで開いてて真剣に眺めてる?のはドレスの通販サイトですけどね。