mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

9月の愉しみ。海の上のカルメン。

お題「芸術の秋」

 

今月も相当終わりに近付き。

というか、今年もどっぷり後半ですよね。ひえー!!

12月の第9まみれに向け、ひとつずつ重荷が剥ぎ取られていくように過ぎていく2017年。

(重荷とは現実的に重い楽譜だったりするわけです。行き着く第9は薄い)。

 

 今月も初自主企画でいっぱいいっぱいになっていた(笑)レジーネ・デル・ベルカントをはじめ、色々歌わせていただきましたが、なんだかんだとタイミング良く、コンサートや演劇など、素敵な公演のお客さんにもなれました!

もっと落ちついたら思い出して感想書けるかなー。 

彌勒さん演出・主演のポッペアとか、

久しぶりの再会となったヴィトくん主演のN響ドン・ジョヴァンニとか、

以前共演した超キュートな女優さんご出演の舞台「先輩、服を着てください」もめっちゃ楽しかった!!

 

さてさて、現在は明後日29日からの、クルーズカルメンの稽古中。

f:id:toriki841:20170925131753j:image

こちらは、ある晴れた日の長〜い休憩中にみんなでご飯を食べに稽古場を出たら面白い雲を見つけて、の記念撮影。

f:id:toriki841:20170927124207j:imagef:id:toriki841:20170927124217j:image 

今日が地上での最後の稽古になりますが、稽古の前後、合間、とにかく相当楽しく賑やかなメンバー。

この濃ゆい面子で2泊3日、船内に閉じ込められる?のはヤバイです。

よほど仲良くなるか、はたまた豪華客船連続殺人事件が起きるか...?!(ミステリー読みすぎ)。

 

あ、2泊3日と言えばですね。

今年の春くらいかな?

小学二年生の息子に、

「2泊3日って、なあに?」

と聞かれ、

「2日寝て3日間の旅行」

と、簡単に説明すると、

「残り1日は寝ないの?!?」

と驚かれました。

とりあえず、

「旅行前の夜はウキウキもするし、準備のために寝る暇がないってことだね。海外に行くときなんかは帰りも大変で、2泊4日とかもあり得るんだよ」

と、答えてみましたが...。

 

そんな感じでいうと、今回は1泊3日?4日?になり得る旅??

 

 

忘れ物しませんように...いや、絶対するんですよ、忘れ物は。

 

なんとかなりますように...

 

千葉交響楽団 モーツァルト「レクイエム」in 八千代市


二週間前のヴェルレクに続き、モツレク

オーケストラ・アンサンブル金沢 富山特別公演 ヴェルディ《レクイエム》終演!そしてベルカント。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

しかも指揮者は同じ山下一史マエストロ!!

 

しかも、前回に続いてレクイエム前のハッピーバースデー!!


今回は本番当日がマエストロお誕生日で、当日リハのチューニングのタイミングでコンマス神谷未穂さん主導によるハッピーバースデー♪でした。

 

実は富山でのアンサンブル金沢ヴェルレクの時にうっかり?モツレク本番当日がマエストロのお誕生日と聞いてしまい、念のため千葉交響楽団の事務局様に「マエストロ誕生日らしいですね」とメールしたところ、さすがに音楽監督様のバースデーですから「承知してますよ」とのお返事。

それでも念のため(笑)コンマスの神谷さんにも「マエストロお誕生日ですよね?」とメッセージ。

団員からプレゼントありますよ

とのお返事でようやく安心して(笑)。

気持ちよく歌い、マエストロの嬉しそうな表情に大満足。

 

リハ後に山下マエストロから、

「鳥木さんが言ってくれたの?」

と聞かれましたが、マエストロ愛に溢れてるのは私だけではありませんでした♡

 

あと、どうでもよいことですが、

ハッピーバースデー→ヴェルレク

よりは

ハッピーバースデー→モツレク

の方が違和感少なかったです。

 

モーツァルトのレクイエムは、私にとって思い出深い曲のひとつ。

私が初めて歌った時の指揮者、岩城宏之エストロにとっても、それがなんと初めてのモツレクだったそうで、その驚きと...。

それまで本番の前日には必ず相当な寝不足になるくらい密かに緊張症だった私が、初めて本番前にぐっすり眠れた、という思い出(笑)。

 

もちろん今回も、前々日のリサイタルの疲れがまだ残っていたかも?ということを差し引いても、気持ちよく眠れました。

レジーネ・デル・ベルカント〜花ひらくベルカントの真髄〜終演!! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

まあ、八千代は少々遠いので早起きはしましたが。

 

前回私が八千代に、さらにこちらのオーケストラにお邪魔したのは5年前、第九でした。

当時はオーケストラの名前が違い、まだ山下マエストロが音楽監督ではありませんでしたが、やはり山下マエストロ指揮での第九。

 

それから色んな変化、進化もあったとは思いますが、どこかアットホームな雰囲気は変わらないのが嬉しく、山下マエストロの巨匠感もありながら偉ぶらない人柄もあるし、コンマスの神谷さんも素晴らしいし、リハーサルにも風通しの良く真摯な気持ち良さがありました。

本番もしかり。

合唱団も素直な美しい声。

 

私は無宗教なので、誰かと一緒に集まって祈る、という習慣は無いのですが、ミサ曲を歌うときには俄かに、辺り一帯と心一つに祈る気持ちも湧きあがります。

たまには良いな、と。

信心深い方には怒られるのかもしれませんけれども。

今回は特に会場がひとつになったのを感じました。

終演後はこういった作品では聞いたことがないような大歓声に包まれ、何度挨拶に出たことか...かなり驚きでした。

f:id:toriki841:20170913085227j:image

コンマス神谷さんとも東北方面以外では初共演が嬉しくて、ツーショットを自撮りしていたら皆んな入ってきたとこ!

ツーショットもいい感じだから載せよ(笑)

f:id:toriki841:20170913085400j:image

テノールの土崎くんがすでに迫り来てる!(笑)

これがまた、あらゆるレパートリーでご活躍の優秀なソリストの皆様!

オペラも一緒したいですねえー、なんて話しつつ。

八千代...また来たいです。 

お題「好きな街」

 

実は、また来たい理由。

歌いたいからだけではなく、また食べに行きたいお店もあって!!!

特にフレッシュチーズがバカ美味いイタリアン!!!

[食べログ]アクセスが制限されています

f:id:toriki841:20170913090818j:image

終演後に満喫してしまいました。

食べにだけでも行っちゃうかも。

 

(逆説的に)生きる歓びをたくさん感じた、八千代でのモーツァルト「レクイエム」公演でした。

レジーネ・デル・ベルカント〜花ひらくベルカントの真髄〜終演!!

f:id:toriki841:20170910015452j:image

9月8日金曜日、初めての自主企画演奏会、

Regine del Belcanto

〜花ひらくベルカントの真髄〜 

が終演しました。

お題「芸術の秋」 

ソプラノ佐藤亜希子さん

メゾソプラノ 鳥木弥生

ピアノ 佐藤正浩さん

ゲストテノール 笛田博昭さん

による、オールベルカント、直球勝負。

 

プログラムはこちら。

f:id:toriki841:20170910233020j:image

普通、コンサートのメインに一曲だけ入っているような大曲がざっと4、5曲入っています。

何考えてんだろ(笑)。

 

そして、アンコールは。

笛田博昭さんによる

Bellini ”Tre ariette”より
Dolente immagine di Fille mia

そして、

佐藤 亜希子さん、鳥木 弥生による

Bellini 「Norma」より
Mira o Norma 〜 Si fino all'ore estreme

でした。

また大曲ですが、最終的には「この曲、楽に感じた」(by佐藤亜希子)という、スパルタ方式成功談となりました。

 

クライマックス連続プログラムで、聴いていた方が疲れなかったかも心配になりましたが、一曲ごとにいただける情熱的なかけ声や拍手も最後まで衰えることなく!(ありがとうございました!!)、終演後に会った皆様もおおむね笑顔で、元気そうで?安心しました。

あの日会場に来てくださった皆様が恩人です。

 

私は少々放心状態気味だったかもしれませんが、佐藤正浩エストロが「あー、疲れた」と、すんごい大きいため息をつかれて、「もっと楽な(激しくない)曲を間に挟むのが普通じゃないだろうか」みたいなことをおっしゃっていたのをなんとなく覚えています。

もっともな話です(笑)

一番休みなしだったマエストロには申し訳ありませんでした!!

でも、華やかで麗しい音と音楽で支えていただき、更に急にお願いしたトークも素晴らしく、本当にありがとうございました!!!

指揮もして欲しい!と思う瞬間がたくさんありました。ぜひいつかオーケストラバージョンでも......。

 

ゲストで出演してくれた笛田博昭さんにも感謝!

女声ふたり、という私が一番愛する形のリサイタルですが、ベルカントオンリーという中で、笛田さんのような聴くだけで幸せになる声のテノールが加わってくれることで、より色彩豊かな情緒を皆様にお届けできたのではないかと思っております。

 

そして、パートナーあっこちゃんにも心からの拍手を!!

一緒に歌うことに関しては最初から喜びしかないのは分かっていたし、本当にそうでした。

ただ、今回はその他の事務的なお仕事も多く...そちらには一抹の不安があり!

そして、分からないこと、結果至らないこともたくさんありましたが、2人して「勉強だね!」と、仲良くやりすごせて?(笑)、お互いできることを自然に頑張る!みたいな感じでストレスなく本番を迎えられたのはとーっても良かった!!

次に繋がると良いな〜〜。

 

そして、会場のハクジュホール、スタッフの皆様にも大感謝。

何をしていただいたのか具体的に理解できてない程のアホですが(笑)、きっと山ほど助けていただいていて、舞台の裏側での皆様の存在が、笑顔が、舞台へ歩み出る励みになりました。

 

オフィシャルに撮っていただいた写真が届いたらまた色々思い出したいと思います。

f:id:toriki841:20170911074620j:image

(最初のとこれはお客様にいただいたもの。ありがとうございます!)

 

まあ、あと三回は喉はともかく体力が無理だ、と、あとから思いましたが...(笑)。

 

自分なりに節目と感じていたこのコンサート。もちろんあらゆる面でまだまだなんですが、たくさんのご協力をいただき、今の自分として悔いなく終えられたことが有難い!!

 

もし皆様の心にも何かが残る演奏会であったなら、さらなる幸せです。

Regine del Belcanto〜花ひらくベルカントの真髄〜いよいよ明日!!!

お題「芸術の秋」

 

いよいよ、明日!

あっこちゃんこと、このベルカントリサイタルのパートナー、佐藤亜希子さんと一緒にこのフライヤーの写真を撮った日を遠い昔に感じます。

f:id:toriki841:20170907002032j:image

...本当にいつだったか思い出せない(笑)

帰りに美味しいイタリアン食べたことしか。

 

でも先日、もっと昔のことを、私たち二人の師匠、いまは亡きエレナ・オブラスツォワ先生のことを、二人して思い出したりしました。

思い出がある江古田と溝の口で練習したので。

もし元気に生きていたら、ロシアからわざわざでもきっとこのコンサートを聴きに来てくれたに違いない。

というか、絶対飛び入り参加したな。

というか、まだどこかで生まれ変わったりしてなければ、飛んで来てくれるかも!

...そんなことも期待しつつ......。

 

これまで人にやれと言われたことしかやってこなかった私たちが!

(そこまでナマケモノなのは私だけかもしれないけど。笑)

初自主企画コンサートを、曲がりなりにも、なんとか実現させそうなのですよ。

もちろん、散々周りの方々に助けていただいて、ご迷惑かけ通しなんですが!!

きっとまだこれからも思わぬオッチョコチョイがありそうな予感もするし......。

 

プログラム、てものも、普段はどなたかがね、作って下さってるんですね。

実は作るの忘れてて.....。ギリギリでなんとか......。

しかも、見えない字数制限?なんかがあったり。なかなか思い通りにいかず、今まで人が作ったものに誤植なんか見つけて「へっへー」とか笑っていたのを大反省中です......。

何しろ作ったの私なので。絶対に間違いはある......。もう、笑えるやつか、笑えないやつか、てのが勝負処です。

 

とにかく「いっちょ聴きに行ってやろうじゃないか」という素晴らしい心意気の皆様と素敵な時間を過ごすために、精一杯表現したいと思っております。

 

https://www.facebook.com/events/218007038673240??ti=ia

こちらのFacebookページに、演奏予定曲目も載せました。

ご興味あるかたはぜひ眺めてみて下さいませ。

 

また、当日券も幾分かは出る予定ですので、まだご予定でない方にも、ふらっとお越しいただければなあ、と思います。

 

ちなみに、全席自由ですが、どの席もそんなに舞台が遠い感じではありません。

お連れさまがいらっしゃる方、あとは置きチケットを受け取られる方は少しお早めにいらしていただけたら、と存じます。

 

それでは、皆様にお会いできるのを心から楽しみにしております!!

 

 

オーケストラ・アンサンブル金沢 富山特別公演 ヴェルディ《レクイエム》終演!そしてベルカント。


夏(8月)の終わりに富山!いいねえ!お盆を避けて、ちょうどついでに息子も連れてお隣の石川に里帰りも...。

なーんて思ったら、なんと息子の学校が8月25日に始まってしまいました!!!びっくり。

 

そんなわけで、一人で行ってきました、富山。

ひとりでラッキー!......いやいやいや。

お題「ひとりの時間の過ごし方」

 

とはいえ、今回は(今回も?有難いことに。笑)楽しいツアーメンバーで、割と当たり前のように連れ立って行動(笑)

 

ソプラノ砂川涼子ちゃんとバス伊藤貴之さんはなんと初北陸、ということで!

二人に北陸の良さを知ってもらえるのも嬉しかったし、北陸の皆様に二人を初めて聴いていただけるのも嬉しかった!(まあ、他所ですでに聴いた方もいらっしゃったと思いますが)。

一方、テノール所谷直生さんは、こちらもなんと(笑)、この公演の二週間ほど前に金沢でオペラ出演されていたそうで。

落語「死神」 ・ オペラ「死神」 | 石川県立音楽堂

(何?成人向き??どんなオペラだ?!!)

 

この富山でのヴェルディ「レクイエム」は絶対良い感じになる!と、前々から自信がありました。

と、言っても自分の歌に特に自信があるわけではなく(大好きですけどね、ヴェルレク。笑)、ソリストが実力を十分に知っている方々だったこともあるし、何より指揮が山下一史さんだったから!!

https://www.instagram.com/p/BYN5YR_HtPy/

#ヴェルディ #レクイエム オケ合わせ1日目終了。ナイスメンバー!!#山下一史 #砂川涼子 #鳥木弥生 #所谷直生 #伊藤貴之

 

私が初めてアルトソロ(またはメゾソプラノソロ)、というものを経験したのが山下マエストロの指揮でした。

16、7年前かなあ...。

ベートーヴェン「第九」と「荘厳ミサ曲」を連日?中1日?くらいで。場所はやはり北陸、金沢でした。

当時は私がまだ20代半ばでしたが、山下マエストロも、すでに威厳たっぷりのお顔でしたが(最近は役所広司に似てると評判だし)、とてもお若く、どこか「俺に触れるとヤケドするぜ!」って感じもありました。

カラヤンの代役でGパンで指揮した。

ていう、まるで漫画かドラマのヒーローのようなエピソードで、勝手にそんなイメージをもったのかも知れませんが。よく思い出すと優しくしていただいた記憶しかありませんし(笑)

今回ご一緒した合唱団、OEKとやまの母体である合唱団おおやまとマエストロも15年前からの長いお付き合いだそうで、最初に山下マエストロに指揮をお願いした時の決め手が「若い!ハンサム!」だったと、打ち上げでお聞きしました。

いやー、なんにしても、ご縁とは素晴らしいものです。

今回はもうひとつ、ご縁というか、タイミング??

本番前日の8/26がバスの伊藤さんのお誕生日で!

全体リハーサルの初っぱなが、ヴェルレク編成のハッピーバースデートゥーユー!!

さらに、OEKメンバーにもお誕生日の方が!

 

山下マエストロがあまりにも神妙に、いかにもレクイエム始まります!て風に構えたので、サプライズを知っていた(というか、言い出しっぺ。笑)の私まで一瞬騙されました。

(さすが役所広司に似てるだけあって役者...?)

 

その後、気持ちを入れ替えてレクイエム......なんだか、

人って、生まれて死ぬんだな

て、深く感じ入りました。

 

さて、当日の様子は、いつも丁寧なレビューを書いてくださる、こちらのブログをどうぞ。

OEKfan オーケストラ・アンサンブル金沢を応援するページ

f:id:toriki841:20170902220346j:image

 

私自身の感想としては、当たり前ながら素晴らしいオーケストラ、驚くほど素晴らしかった合唱にたっくさんパワーをいただき、もっと楽に歌っても良かったかもしれないのに、やっぱり気合い200%にさせられちゃう曲だな、ていうことと...まあ、それにも関係して?

生まれて初めて椅子の横に用意していただいてる水を本番中に飲みました!!(どーでもいい話。笑)

いつも別に飲みたくならないし、いらないけど皆んなが置いてもらってるからまあ、て感じでしたが、必要な時もあるんですねー。

テノール所谷さんが帰りの新幹線で「インジェミスコ(中盤のテノールソロ)の前に飲み切りそうだった」と言ってて爆笑。

だいたい、舞台上に人が多すぎて暑かったんですよ!で、なぜかペットボトルがこんな時に限って小さめだったんです(笑)。

 

打ち上げも楽しかったなー。

f:id:toriki841:20170902221024j:image

 

山下マエストロとは...は!もう来週末??

9/10に今度はモーツァルトのレクイエムでまたご一緒できるし!

砂川りょうちゃんとは10/10に武蔵野音大でのコンサートが一緒。

 

しかし、しかし、その前に私にはこちらが!!

f:id:toriki841:20170902221313j:image

https://www.facebook.com/events/218007038673240??ti=ia

 

Facebookページに、全プログラムを載せました!

ぜひチラ見してみて下さいませ。

チケットまだなんとなくありますので、お申し込みお待ちしています!!

reginedelbelcanto@gmail.com

 

駒ヶ根高原音楽祭〜富山へ

ご縁というのは不思議なもので、佐野成宏さんとは、私がまだペーペーのペーの頃、もちろん私に息子なんて影も形もカケラも無い頃に(笑)、佐野さんとソプラノ森麻季さんの豪華なクリスマスコンサートに一曲だけ出演させていただいたのが出会い。

その後、気さくなスター佐野さんと家族ぐるみで、日本でも、イタリアでも、フランスでも、主に一緒に美味しいものを食べ、お買い物したり、たまに共演の機会もあり...というお付き合いがが続いておりました。

それが、時が経ち、息子もまた佐野さんのコンサートで歌わせていただくことになるという、こんな運命は、いったいいつどこで生まれたんでしょう??

f:id:toriki841:20170826005015j:image

お題「思い出の一枚」

佐野さん、ピアニスト河原忠之さん、バリトン宮本史利さん、そして錚々たるメンバーの弦楽五重奏アンサンブル・ミノーブルさまと。

母ちゃんもなかなかご一緒させていただけないような素晴らしい音楽家の皆様との共演で、プッチーニ《トスカ》牧童の歌を歌いました(三幕冒頭から佐野さんが歌う星は光りぬまで、というスペシャル)。

小学二年生の夏休みの思い出としてはかなりのものではないかと思います。

f:id:toriki841:20170826005146j:image 

#駒ヶ根高原音楽祭 オープニングガラコンサート#トスカ 第三幕よりカーテンコール、最後小走り。笑

 

会心の出来だったらしく、歌い終わって袖に帰ってきた時にはガッツポーズ(笑)

「上手だったよ。本番がダントツで良かった」

と、褒めたら、

「でもまだまだママには敵わないよ」

て、まるでお世辞でへりくだったような口調で!!

完全に調子に乗ってます......。

しかし、実は歌う15分前にいきなりいびきをかきはじめて!

f:id:toriki841:20170826010053j:image

蝶々夫人》の悪夢再び?!?と思いましたが、

「蝶々夫人」の息子役。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

緊張していないふりをしつつ、実は緊張して待ち疲れた風ではあったので、5分寝かせてみよう、と思って静観していたら、4分後にバシッと目を覚まして「何分寝てた?!」と焦ってました。心配しなくてもちゃんと出番前には叩き起こすって(笑)。

 

本当に楽しくて素敵なコンサートで、私も息子の出番後は客席で聴かせていただいたのですが、お客様もとっても喜ばれていて。

翌日からマスタークラスが開催されている駒ヶ根高原音楽祭。今年が第4回。前々から行ってみたいと思っていたのですが、こんな貴重な機会でお伺いできて幸せでした!

f:id:toriki841:20170826070123j:image

終演後、ヴィオラの御法川雄矢さんお手製の六文銭兜をもらってご満悦の息子。

 

駒ヶ根は本当に素敵なところで、宿泊先もすごく感じがよく、温泉も、いいお湯でした!

f:id:toriki841:20170826070546j:image

ご飯も美味しくて、散々楽しみ...

私の地元、能登や金沢に佐野さんがいらっしゃってお食事する時なんかに心の奥底で「長野にはこんなに美味しいものないでしょう?」と思っていた(口にも出ていたか。笑)ことを反省致しましたよー(笑)。

またぜひ伺います!!

 

さてさて。

駒ヶ根から帰った翌日には母ちゃん、今度は一人で金沢〜富山へ。

 

 

出発の朝にはなんだか珍しい出来事もありまして、バッタバタでしたが...。

https://www.instagram.com/p/BYK23A7nfP0/

#NHK #ひるまえほっと が取材に来た!!うちの惨状、本当に映して大丈夫なんだろうか...笑

(9/4放映予定!)

 

せっかく地元なのに家族で来れなかったのは、息子の小学校、新学期が8/25スタートだったから!はや!!!

 

大好きなんだけどなかなか歌う機会がないヴェルディ《レクイエム》(数年前に仕事被りで泣く泣くお断りしたのをいつまでも根に持ってるくらい。笑)!

なんと

北陸初演

だそう。

大学同級生ソプラノの砂川涼子さん、バスの伊藤貴之さんはオーケストラ・アンサンブル金沢初登場。テノール所谷直生さんはついこの間オペラ「死神」でいらしていたそうですが。

そして、山下一史マエストロ、というすんばらしい布陣。

https://www.instagram.com/p/BYN5YR_HtPy/

#ヴェルディ #レクイエム オケ合わせ1日目終了。ナイスメンバー!!#山下一史 #砂川涼子 #鳥木弥生 #所谷直生 #伊藤貴之

ひと公演とはもったいない...。金沢、能登、福井でも公演できたら良かったのに!!

そしたらソースカツ丼食べれたのに!

(駒ヶ根のガロと福井のヨーロッパ軒食べ比べ?!)

 

貴重なひと公演。せっかくの素敵な皆さまとの共演。大切に歌います。

 

 

東京交響楽団「三人の会」、そして黛まどかと千住明の世界

美人は3日で飽きる、と言いますが、その美人がもし自分を優しい気持ちにさせてくれたり、想像力を掻き立ててくれたり、そのうえちょっぴり小悪魔だったりしたら、絶対飽きないと思うんですよ。

黛まどかさん台本、千住明さん作曲のオペラ、

滝の白糸

は、まさにそんな存在。

一見(一聴)して美しい!と思わせるキャッチーなメロディーや歌詞に溢れていて、そして、知れば知るほど夢中になれる作品。

初演は2014年。

再演が2015年。

オペラ《滝の白糸》再演から、再々演に向けて! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

今回は序曲と3幕のみの、演奏会形式でしたが、非常に興味深いプログラムの一部として演奏されたこと、これもまた素晴らしいことだと思いました。

f:id:toriki841:20170821191955j:image

前半もできれば客席で鑑賞したかったけれど、残念ながら楽屋でモニター鑑賞。

三人の会 - Wikipedia

 

そして私達の滝白

当初3幕のみの予定が、序曲が追加され、お客様にとっては今回演奏されない1、2幕の雰囲気もなんとなく感じていただけるような気もするし、良かったと思うのですが、私にとっては、これが少々困ったことに......。

 

この滝の白糸、原作は泉鏡花の「義血俠血」という短編小説ですが、

 

外科室・海城発電 他5篇 (岩波文庫)

外科室・海城発電 他5篇 (岩波文庫)

 

「滝の白糸」とタイトルを変えられ、何度も映画化や舞台化されているのはドラマチックでやるせないストーリーが時を超えて人々の心を捕らえて離さないからでしょう。

身分違いの恋、水芸、殺人、裁判シーン......キーワードで見ただけでも、よく出来たドラマだなあ、と、つくづく思います。

そんな、感動必至のお話に美しいことばとメロディーが与えられたオペラ版、滝の白糸。

歌っている方も、どうしても心をもっていかれちゃうのです。抑えようもなく涙が流れてしまったりするのです。

舞台装置、衣装や演出付きの公演であれば役に入っている以上、何でも流れるままにしておけばよいのですが(笑)、今回の演奏会形式では、音楽を聴いてもらうため、というのが主だと思うし、お客様も一幕から観ているわけではないし、プログラムにも書いてあったとはいえ、皆さんがストーリーを追えているかどうかもわからず......あと、舞台が明るいし!

指揮者の横に正面向いて座ってるソリストがずっと泣いてる。

て、ちょっと、どうかな、と思いますよね(笑)。

二日間のリハーサル中はやはり堪えきれず何らかのポイントで涙がだばだば流れてしまっていたんです。

で、もう、いっそ今のうちに泣いておこう、そんな自分にドン引きして、本番は泣かずに済むに違いない、と。

実際リハーサル1日目よりは2日目はちょっと我慢が効いたので、慣れたかな、と思っていたんです。

ところが、事前のリハーサルでは聴いていなかった序曲を当日リハーサルで2年前の再演以来久々に聴いたら、やっぱり慣れが足りなくて!!

それでも本番は我慢しきったぞ!と、思っていたんですが......。

「母ちゃん、序曲から顔が泣いてた」

と、方々から言われてしまいました。

もちろん、役として満面の笑みであるはずがないし、せっかく2年ぶりにやってきた、大好きなアリアを歌う機会、ただ歌うのではなくしっかりドラマを感じてもらわないともったいない!というプロ意識として、欣弥の母として、そんな顔になってたんだと思いますが?!......

まあ、結局フィナーレ近く、彰子さん白糸のフレーズで涙を我慢しすぎて鼻水が出始めましたけどね(笑)

f:id:toriki841:20170822010940j:image

滝の白糸こと水島トモこと、中嶋彰子さんと。

何だろう、黛まどかさんの詞には素直に、そしてしみじみグッとくるし、千住さんの音楽と中嶋さんの歌にはうっかりヤラレタ!て感じで泣かされるんですよね。滝の白糸のクセになる小悪魔性の秘密かもしれません。

お題「最近涙したこと」

 

そして、今回は豪華な二期会ソリストの面々が便宜上合唱内ソリスト、と呼ばれるパートを歌い、また、合唱を東響コーラスが歌ったのは、フレッシュな風を感じられた一因かも。全然フレッシュじゃない、初演から参加の清水那由太さんもいましたけどね(笑)!再演では別役だったので初演以来の那由太出刃打ち、三幕だけで出番が少なく残念でしたが、聴けて嬉しかった!

 

とかく思い入れというのは、物事をより複雑にしたりもしますが、このプログラムを熱く推し進めてくれた大友マエストロが、その熱い思い入れを隠そうともせずに、初めてこの作品に携わった方々とも非常に力が入ったリハーサルをやった効果は、本番にしっかり結実していました。

皆さん本当に素晴らしかったし、終演後は大友マエストロ、千住さんも交えてみんなで打ち上げをしてすごく楽しかった!

すでに初日リハーサルでびっくりするほど準備万端だった白糸一座初参入の皆様に、大友マエストロがかけていた「こんなにしっかり準備してくれてありがとう」という言葉には、本当に心がこもっていて。

でもそこで満足せずに更に作品をより良く伝える方向を目指し続けたマエストロに、私も魂を込めた「ありがとうございます」という気持ちでいっぱいでした。

普段は指揮者に「ありがとう」とか言われても、ひねくれ者の私は、

(別にあなたのためじゃないし...)

なんて思ってしまいがちなんですけどね(笑)。

f:id:toriki841:20170822010410j:imagef:id:toriki841:20170822010432j:image

大友直人エストロと。そして、千住明さん、村越欣弥こと、高柳圭さんと。

 

新たなメンバーを得て、白糸一座は更に結束を深めた様相!

見よ!この、都内某所?でのギュウギュウ打ち上げ(二次会)。

f:id:toriki841:20170822012634j:image

初演、再演の演出家、十川稔先生と、合唱内ソリスト、特に車屋さん役で大活躍した宮下雄貴さんは演奏会から見に来て下さり、やはり初演、再演で南京出刃打ちを演じた森雅史さん、再演で口上の芸人を演じた髙畠慎吾さんも二次会に駆けつけてくれて。

オペラ「滝の白糸」一座会。浅草にて。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

↑この時、すでにいっぱい人が集まったなー、て感じでしたが、どんどん増えてます(笑)。

 

再再演の時には宴会場でも借りきらないと一座会が出来ないのでは......??

 

さてさて。そんな熱い、狭い夜が明け、母ちゃんは今、涼しくて広い、長野県の駒ヶ根に来ております。

こちらも、ある意味母ちゃん役として来ているんですが、まあ、そのお話はまた(笑)。

 

母ちゃん、次の本番は次の日曜日、こちらの公演です。ヴェルディ《レクイエム》。

f:id:toriki841:20170822014803j:image

そしてそして、ついにこちらも近づいて来ましたーーー!!!

f:id:toriki841:20170822014949j:image

https://www.facebook.com/events/218007038673240??ti=ia

おかげさまでラストスパートのチケットお申し込みが増えて来ておりますが、まだお席、あります!遠慮せずにご連絡下さい!!

明日明後日あたり、Facebookイベントページに全プログラムを載せたいと思いますので、ぜひ覗いてみてくださいませ〜!!!

 

母ちゃん的おまけ。

https://www.instagram.com/p/BYD_tQPHrxo/

息子(実)が、息子(仮)の楽屋に入り浸って帰って来ませんでした。#オペラシティ #滝の白糸 #村越欣弥