mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

8月22日は成城ホール「街にオペラがやってくる!Vol.1」

二週間石川県に滞在し、昨晩帰京。

21日11時半現在、たいへんな旅疲れ気分ですが、今晩はリハーサル、明日はこちらの本番です!

f:id:toriki841:20140821103138j:plainf:id:toriki841:20140821103152j:plain

この8月は本当に楽しい本番がめじろ押しでした。
そのフィナーレとなる明日。

旅疲れは本日午後には吹っ飛ばす予定です!!!

昨晩、越後湯沢で食べた蕎麦がいい感じにパワーになりそう。

f:id:toriki841:20140821104656j:plain
へぎそばー!!
新幹線への乗り換え時間が迫ってなければまだまだ食べたかった。


さて、明日の素敵な共演者の方々は、

ソプラノ、山口佳子さん、
テノール、所谷直生さん、
バリトン、押川浩士さん、
ピアノ、仲田淳也さん。



ひとくちに「オペラ歌手」と言いましても、キャラクターに様々なカラーがあります。
まあ、だいたいにおいて「濃ゆい」人しかいませんが、今回集まったメンバーの「濃ゆさ」の方向性は、「すんごく真面目に面白いことがしたい!」というものだと言って差し支えないと思われます。

あんまり真面目そうに見えないけど、いつもやってることがすごく「正しい」ていう、まあ、そういうことバラされたくないと思いますが、そういう「隠れ意識高い」メンバーです(笑)。


私の大好きなパリのコレペティ、ライス先生がよく、

「オペラの舞台に立つとき、歌手の個性を出そうとしてはいけない。役柄を真剣に演じ、押し殺しても押し殺しても滲み出てしまうのが本当の個性。それが出るのが本当の歌手」

と仰っておりましたが、今回ご一緒させていただく3名の歌手の方々は、まさにそんな感じで、指揮者がいて、演出家がいるオペラの舞台で、文句無く歌い演じているのに、上手いこと個性が滲み出ちゃう方々だなあ、と、前々から思っていました。


今回の演出リーダーとも言える、アイディアの宝庫、押川さんとは、以前ゼッダ氏指揮の「セビリアの理髪師」で共演し、私の中では、フィレンツェでの「ジャンニ・スキッキ」で共演したローランド・パネライ以来の衝撃的な面白さでした。

ただ「面白い」じゃあ、ちょっと言葉足らずなんですけどね。

イタリア語だと「sciolto(ショルト)」って言葉がぴったりで、溶けてる、または解けてる、流れるよう、とか、そんな感じです。

そして、ソプラノ佳子ちゃん、テノール所谷さんの高声部は、ヒロイン、ヒーローももちろんこなせる「美」も持ちつつ、「いつでもボケるよ!つっこむよ!」と、仔犬のように?瞳を輝かせる、受けよう精神たっぷりのお二人。


対して母ちゃんメゾソプラノは、まだどこに身を置いていいか完全にはつかめていないんですが(笑)。


この夏の4つの本番で欠かさず歌っている「カルメン」がまた抜粋でプログラムに入っています。


夏らしく熱く、絡みつくように歌ってきましたが(笑)、この夏最後の「カルメン」は、更にエスプリ豊かに「sciolto」感を持って歌い、演じられたらいいなあ、と思っております。


まだお席あると思われます。
主催さまにでも、私にでも、お気軽にお問い合わせ下さい。