mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

観劇の10月。パート2。

昨晩は観劇の10月、第二弾。

「劇団東京イボンヌ」第8回公演《酔いどれシューベルト》を観てきました。

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「劇団東京イボンヌ」さん。
”クラシックの楽曲をテーマに、曲に込められた魂を物語に紡ぎ出す演劇集団です”
だそうで。



しばらく前に、密かに演劇好きな私の夫が、演劇要素がちょっと強めのオペラを観たときに「もっともっと演劇寄りで、クラシックとの融合みたいな舞台があってもいいよね」なんて思いつきで話していたら、ちょうど、楽しい中央線仲間ソプラノ山口佳子ちゃんがFacebookでこちらの劇団の記事をシェアしていて、「あ、もうあるよ、それ」て感じで、気になっていた劇団でした。


それで、今回初めて。夫とでも、佳子ちゃんとでもなく、今度の26日の「杉並リリカ設立ガラ」でご一緒する野田ヒロ子さまと観に行きました。
ガラコンサートの練習の帰り、たまたまチケットを取ろうとした時に横にいらっしゃったので誘ってみたら、OKしてもらえたのでした!


とはいえ、私が今回観に行く決め手になったのは先月の《チェネレントラ》で共演したバリトンの増原英也さんがこちらの舞台に出演するからで、その増原さんがこの後に出演されるのが、野田ヒロ子さんが指導陣としても参加されている「サントリーホールオペラアカデミー」の公演《愛の妙薬》だということで、たまたまだけど、たまたまでもないような。


野田さんとはイタリアにいた時期が重なっていて、藤原歌劇団の先輩でもあり、違う大学ですが指導者としても先輩。
イタリアで初めてどこかの劇場で会った時に「すんげー雰囲気もった東洋美女がいるー」と思ってナンパして(笑)、それから心を掴まれ続けています。
亡き五十嵐喜芳先生が、うら若き歌い手達に「君の声で人生が語れるのか」とダメ出しするシーンを何度か見たのですが、私の中ではその「人生を語れる声」を持つ筆頭が、野田ヒロ子さん。
なんか、すぐ泣いちゃうんですよ。野田さんの声聴くと。
自分には無いものがあるというか、自分にある余計なものが無いというか??

そんな彼女と、開演前と終演後、イタリア話、オペラについて、人生について!もちろん舞台の感想も。本当にギュッと実のある時間が過ごせました。

やっぱり観劇も素敵な連れがいた方が楽しい〜。


で、《酔いどれシューベルト》。
12日まで公演が続いているのでまた内容書くのはあれなんですが(笑)。

主人公はシューベルトです。

シューベルトの曲に溢れてます。

面白いです!

歌い手も演奏家も大活躍!!


「演劇とクラシック音楽の融合(演劇寄り)」のとりあえずの敵は会場の音響かなあ、なんて、クラシック側の人間からすると思いますが、これからまだまだ面白くなるジャンルだと思いました。


ほとんど売り切れだけど、キャンセル待ちできるとか、本日金曜日はまだ席があるとか、漏れ聞きましたよ!



そしてまた、小中劇場ビギナーとして観劇してみて、自分たちがやっているオペラをビギナーで聴きにくる方々のことに思いを馳せてしまうのですが...。


やはり「慣れ」「親しみ」が無いものを心から楽しむのは、「新しい刺激」という喜びを差し引いても、なかなか難しいのかなあ。


そして、「分かりにくい」と思われてしまう舞台芸術(あるいは娯楽)の最たるものが私達のやってるクラシック音楽なのかなあ。


「イボンヌ」さんの舞台、観た演劇ファンの方が、クラシック音楽も好きになってくれたらいいなあ。


そんなわけで、今回はシューベルトを取り上げた「イボンヌ」さんにはぜひ次回ガチガチのオペラ作曲家を取り上げていただきたいなあ。


って、アンケートに書いて出して書いてくれば良かったよ!!


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終演後。野田さん、増原さんと。
......私って顔薄かったんだなあ......(笑)


野田さんと私が出演するガラコンサートはこちら。
野田さんの声聴いて涙がでちゃった方、お友達になりましょう!!笑

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他の出演者も豪華で、とってもお得なコンサート、マニアな方から、ビギナーの方まで、お勧めです!
ぜひ!!