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mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

藤原歌劇団×日生劇場、ロッシーニ《ランスへの旅》オーケストラ合わせ。

稽古日誌 イタリア語 歌手の頭の中 出演情報 《オペラ》について。
オーケストラ合わせ、略してオケ合わせ。
もっと略して「オケ合」、は聞いたことないけど。

Prova all'italiana(プローヴァ アッリタリアーナ=イタリア式稽古)

とも言います。
なんか美味しそうですね(そんなことない?)。


私は、この稽古が大好きです。

指揮者とオーケストラを前に、身体の演技は無しで(もちろん身動きしちゃいけないわけではないです)、改めてしっかり楽譜と向き合い、指揮者の指示、表現を真正面からしっかり見て、音楽に全てを注ぎ込む!!

演技で身体を動かすのももちろん好きですが、オペラ歌手として忘れちゃいけない、「音楽(言葉含む)が一番大事!
というところを思い出させてくれる稽古です。

そして、慣習として、歌手は皆いつもより少しきちんとした服装でこの稽古に現れるのも、なんかいい感じ。

とはいえ、普段からすごく綺麗にしてる人はそのままだったり、普段は短パンTシャツ、みたいな人は着飾ってアロハだったり、結果は色々。

そういえば、フランスでちょっとフェミニンなバリトン君がイタリアングレーハウンドの仔犬を小脇に抱えてオケ合わせに現れたときにはかなり驚きましたが.......可愛かったです♡



そんなわけで、昨日は7月3日に初日が迫る、ランスへの旅オケ合わせでした。

休憩中、そのへんにいた歌手たちで?記念撮影。
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きちんとした服装......まあ、夏だからこんな感じ(笑)。

左からデリア役、山口佳子さん。
メリベア役、私。
モデスティーナ役、但馬由香さん。
ドン・アルヴァーロ役、牧野正人さん。
ドン・プロフォンド役、久保田真澄さん。

もうすでに何かのオペラができそうな人数ですが、《ランスへの旅》出演歌手はコリンナ役の佐藤美枝子さんはじめ、あと12人います!!計17名。
豪華!!!



私の役どころは、前にも書きましたが、ポーランド人の侯爵夫人で、未亡人。


「未亡人」......。この響きがもつ魅力をぜひリアルに体現したいところですが、私が今実生活から想像すると、どうしてもてんてこまいのシングルマザーになっちゃうので......100%妄想で!!

あ。
私とダブルキャストの向野由美子さんはめっちゃ「未亡人」似合う感じの美人...。
3日と5日は忙しいけど、4日は何しようかな?て方はぜひ4日の公演に!

または両方お聴き比べ(見比べ)が一番のお勧めです!!

さてさて、肝心のオケ合わせの方は、さすがゼッダ、さすが東フィル、さすが藤原歌劇団!といった感じで、コンサート形式で公開にしても良かったんではないかという出来映えでした。


指揮をするマエストロ・ゼッダの表情がまた良くて!

もしマエストロが正面を向いて指揮をしたら誰も歌手なんて見てくれないのではないかと......思ったり、思わなかったり。

オーケストラだけのダンスの曲などを聴いていると、このオペラ、聴いてるだけで歌わなくていいならどんなに幸せか......なんて、思ったり、思わなかったり(笑)。

いやいや、歌わせていただいて幸せです!!!


前回、9年前には(今よりも)必死で気付くことができなかった、このオペラの魅力や、それぞれの役の魅力、そしてそれを歌っている共演者たちの素晴らしさにハタと気付き、ジーンとしてしまう瞬間も何度かありました。
(あと大爆笑も何度か)。

マエストロなんて、それこそこのオペラを髄まで知り尽くしていて、「そうじゃねえよっ」と、イラッとしていらっしゃることも多々あるのでしょうけれども、決して諦めず、噛んで含めるように伝え、また、必要とあれば歩み寄ってくれます。

なんて広い心!!
87歳ながら「男」、いや「漢」?を感じさせるのは、さすがイタリアーノ!

そして、その懐の深さはこの作品自体にも感じます。

様々な国から集まった人々が一同に会する、という設定もあってか、個性溢れる大勢の歌手たちの声を、全て受け入れてくれているような気がします。
(今回の共演者の皆様、本当にひとりひとり素敵な特徴がおありです!笑)

更に、その多様なキャラクターに十四重唱という類稀な大アンサンブルを歌わせる、というアドベンチャー

今朝、昨日の合わせを自習用に録音した音源を聴きながら、またジーンとしてしまいました。

別に普段は全然仲良くない14人がこんなに美しいアンサンブルを......。

そしてなんて良い曲なんだ......。
ロッシーニとは思えない!!?

いやいやいや、つい色々怒られそうなことを......(笑)

テノール、リーベンスコフと私が歌うこのオペラで唯一の真剣な愛のドゥエット(ちょっと複雑な性癖がありそうな2人ではありますが)も、素晴らしい曲です。

本当は全然愛し合っていない2人がなこんなに美しいハーモニーを......。

もういいか(笑)。



さあ、明日は演出の方の稽古場での最終確認、「通し稽古」

皆で仲良く頑張りたいと思います!!(笑)


あ、昨日はこんなこともあったのでした。


ご縁ですねえ。