今週のお題「思い出の先生」
本当にこれはラッキーとしかいいようがないのですが、こと「歌」に関しては、私の人生、先生に恵まれっぱなしです。
日本での先生たちもこんな私を許して(笑)放牧?しつつ、たまに手綱を操ってくれるような方々だったし、イタリアとフランス(ロシアもか)にいる間に習った先生たちも、なんといいますか、百花繚乱。
ここ何年かで歌う機会があった役、またこれから歌う役は、けっこう若い頃に勉強した役が多く、その役ごとに、「これはあの先生と一生懸命やったなあ〜〜」と、当時の記憶が蘇ります。
こちらのブログでご紹介する前にBSプレミアムでの放送が過ぎてしまったんですが...《ランスへの旅》はイタリアのキング・オブ・ハイF、マッテウッツィ先生といっぱい一緒に歌いました。
再放送ないのかな...。
Il viaggio a Reims, Act I: Di che son reo? - Duet: D'alma celeste, oh Dio!
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先日大爆笑のうちに終演したばかりの《アルジェのイタリア女》は、イタリアに行ったばかりの頃、レチタティーヴォ(音符付きのセリフ部分)が下手すぎて呆れられながら、バルビエリ先生と。
Legendary Voices: Fedora Barbieri
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12月藤原歌劇団公演の《仮面舞踏会》や、去年銀座オペラで公演した《イル・トロヴァトーレ》などのヴェルディ作品は、最後のヴェルディメゾといわれている(現代のメゾに失礼な呼び名ですけどね...)バルビエリ先生はもちろんながら、イタリア進出した際、舞台上の野生動物とアダ名されたという、オブラスツォワ先生とのワイルドなレッスンが思い出されます。
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この2人の偉大なメゾソプラノがお互いの名につけていた枕詞?もすごかったのですが、書こうとしたら全部伏字になっちゃうしな(笑)。
......懐かしいなあ。
何人かの先生に教わる、ということが難しいこともあるかもしれないのですが、私の場合は先生同士が信頼し合って、認め合って、私を通して旧交を暖めあってくれたり、あたかもお父さん、お母さん、おばあちゃん、という役割分担があるかのように私を育ててくれたこともラッキーでした。
ただ、もうちょっと苦労したほうが芸術家として良かった(良い?)んじゃないか、という気もしてるんですけどね。
さて、「歌手」の先生たちの他に、「コレペティ」という先生もとーーーっても大切。
歌手をコーチするピアニストの先生です。
藤原歌劇団の来シーズンの演目として先日発表され、私がロメオ(ロミオ)役を歌う、ベッリーニ作曲《カプレーティ家とモンテッキ家》は、改めて楽譜を見ると、イタリアでお世話になったコレペティ、パオロ先生の非常に細かい書き込みだらけ。
なかなか歌う機会が無かった役なので、来年9月の公演が非常に楽しみです。
そして、来週に本番が迫った《街にオペラがやってくるvol.2》の後半でハイライト公演をする、マスネ作曲《ウェルテル》は、パリの、というか世界的に有名なコレペティのジャニーヌ・ライス先生と、繰り返し繰り返し、隅から隅まで味わうように勉強した素晴らしい思い出があります。
実はいかに関係円満な私の先生たちの間でも、私のレパートリーとしてこの役は合わないのでは?とか、まだ早いのでは?という意見の齟齬もけっこうありました。
いつでも、全ての先生から歌うことを認められた役は、この《ウェルテル》のシャルロット役と、《イル・トロヴァトーレ》のアズチェーナ役のふたつくらい。
不思議な組み合わせと思うかもしれませんが、何故かこの二役。
シャルロットに関しては、もちろんライス先生に習う前は言葉が割とめちゃくちゃだったし(笑)、未だに彼女の気持ちが掴みきれない部分もあるのですが(おそろしいことにアズチェーナの方がまだなんとなく分かる...)。
しかし、今はシャルロットよりは人数が少ないものの?!子育ての経験も経ているし、今回の本番を通してまた掴めるものもあるのかな、と期待しています。
そしてまた、できることならライス先生と一緒に美しいマスネの音楽に涙したり、やっぱり《ウェルテル》大好きなマッテウッツィ先生とドゥエットしたりしたいなあ。
9月21日《街にオペラがやってくるvol.2》で歌うウェルテルの楽譜と小道具の本。実際なんの本なのかは、ぜひ会場で目を凝らして見てください。
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— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2015, 9月 16