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mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

オペラ《滝の白糸》再演から、再々演に向けて!

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オペラ《滝の白糸》
原作 泉鏡花(「義血侠血」)
作曲 千住明
演出 十川稔

水島友(滝の白糸) 中嶋彰子
村越欣弥 高柳圭
欣弥の母 鳥木弥生
南京出刃内 森雅史
万太郎 清水那由太
口上の芸人(及び欣弥アンダースタディー) 髙畠伸吾

その他の役、及び合唱 

泉鏡花以外はみんな写ってるかな?(笑)


去年1月の初演から2年弱で再演が実現したのは非常に喜ばしいけれども、ひと公演のみだったのがとても残念!
もちろん公演は大盛況、大成功で、手応えもバッチリでしたが、初演時のような「ブーム来た!!」という空気を感じるには、やはり数公演ないと...。贅沢なのかもしれませんが。

しかし、今回の再演に向けての準備、稽古中の熱量はすさまじく。
楽譜の改訂もありましたし、作曲家、台本作家、演出家、指揮者、スタッフ、出演者がそれぞれによりよい作品を作り上げるために、ある意味、本来与えられた仕事の域をそれぞれに越えたりもしながら試行錯誤する姿は、ちょっと、オペラ創成期〜全盛期の時代にタイムスリップしたような気分になりました。
日本オペラ」はもしかしたら今ちょうど、その時代なのかも?

この《滝の白糸》チーム全員の素晴らしさを述べ尽くすには筆力が足りなさ過ぎますが......やはり一歌手として、タイトルロールの中嶋彰子さんには感嘆させられっぱなし。
タイトルロール、というだけではく、そもそも、中嶋さんがいなければこのオペラは存在しなかったはず。
初演の時ももちろん圧巻だったのですが、今回また一段と......。
うーん。どんなにカッコイイか、観てない人に伝えるのも面倒くさいくらい、「見とけよなー」て感じなんですが(笑)。
常々、「私はオペラ歌手として人前に立つ資格があるだろうか」という問いを持ち続けている私ですが、彰子さまに圧倒されすぎて、久々に答えが「否」に振れそうになりました。
ただ、舞台にいる時には彰子さんのオーラ、集中力や淀みない声に影響されてむしろ得意満々、こちらも自由自在に歌い演じている気分になれるんですよねえ。


さて、今朝東京に戻り、勢いで一仕事終えた今、ぼちぼち「白糸ロス」の症状が出始めています。

もし今、ばったりここで(西武線車内)白糸一座の誰かに会ったら、肩組んで「きみは〜〜今奈辺〜〜に」とか、「かの人を思えば〜〜」とか、大声で歌いだしちゃうかもしれないくらいです。

たぶん久しぶりの我が家に帰ったらしばらくひとりで歌うでしょう。
リハーサルにさんざん付き合ってくれていた息子も一緒に歌えたりしないかなー。

このたびも子連れメゾソプラノとして、舞台でも舞台裏でも「母ちゃん」な私でしたが、みなさん非常に暖かく、楽しく私の(実の)息子に接してくださり、有難さに感極まっております。

息子もあまりにも舞台裏生活が楽しかったらしく、本番当日ホールの託児サービスに連れて行くときには寂しがってしくしく泣いておりました。

再々演の時はぜひ芸人一座の子役として出演させていただきたいと思います。
誰かからソロも奪わないと!?(笑)

あ、触れ忘れておりましたが、ソロ、合唱で大活躍のアンサンブル金沢合唱団の皆さまの進化も今回の驚きのひとつでした。
歌ものびのびと、演技もよりリアルに!
お見事でした。


さあ、しばらくは「白糸ロス」が続くと思われます。
《仮面舞踏会》の稽古場でブツブツ日本語で歌っていても許してね。