mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

《カルメン》&《サムソンとデリラ》

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今週末、秋田アトリオンでの公演が迫る《カルメン》。
こちらでの稽古を終え、明日、北へ旅立ちます。



そんな今日は、私たちのカルメン同じく今週末本番の舞台を。GP鑑賞二本立て。
まずは!息子の幼稚園の発表会(笑)!!

当初、息子が「おじいさん役で主役」という情報がリークされ、なんだ?はなさかか?こぶとりか?と、タイトルロールが期待されましたが、実際はロシア民話《雪娘》のおじいさん役でした。
それにしても大役だし、しかも、息子の好きな女の子がおばあさん役で、曲がりなりにも?相手役!
先日バレンタインに彼女から手作りカップケーキ(母ちゃんが作ったのより上手な。笑)をもらってデレデレだった息子ですが、今日は彼女の隣で堂々とじいさん役を演じておりました。
本番も頑張れよ!!


そしてGP鑑賞2本目は。
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東京芸術劇場の《サムデリ》。
演奏会形式ですが、実演を観たことないので嬉しいです。
サムソン役が以前、こちら芸劇と北陸での《カルメン》でホセを歌った、ロザリオ・ラ・スピナさん。
その《カルメン》でご一緒したジョン・ハオさんも出てるし、指揮は同じく《カルメン》でも、昨年末、藤原歌劇団の《仮面舞踏会》でもお世話になった佐藤正浩マエストロ。

と、いうわけで、《カルメン》でも《仮面舞踏会》でも一緒だった小川里美ちゃんと陣中見舞!

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左から、ジョン・ハオ。
私。
ロザリオ。
さとみちゃん。

そして、合唱は我が母校、今は勤務先でもある武蔵野音楽大学。私の門下生も出てます!

知人、友人が関わっているから、ではない、と、ぜひ信じて頂きたいのは。
この公演が非常に意義に溢れた素晴らしい公演だということ。


とにかく、佐藤マエストロがすごい。
聞けば、演出(演奏会形式ですが、イメージが膨らむような具合に軽く演技つき)、照明も字幕もマエストロの担当だという、こき使われよう!?
特にフランスオペラでは右に出るもののない佐藤マエストロの、総力を結集した(変な言い方?笑)公演です。

母校の合唱も、「あれは試験などで聞いたのと同じ学生か?」と疑いたくなる出来(笑)。コレペティ第一人者の横山修司先生のお仕込みがすごいのか、先輩たちもお手伝いで入ってるから...も、あるかな。おなじみ?たかたんも出てます(笑)!

タイトルロールの2人、サムソンのロザリオと、デリラのミリヤーナ・ニコリッチさんも、一聴、二聴、三、四もあって五聴くらいの価値がある声。
大司祭の甲斐栄次郎さんも、非常にこなれた歌唱で素晴らしく、妻屋秀和さんとジョン・ハオさんという豪華バス2人を聴けるのも贅沢。

佐藤マエストロのタクトの下、オーケストラもサン=サーンスの荘厳、絢爛ながらも素朴さと茶目っ気あふれる音楽を生き生きと奏でていました。

実は私、明日の朝も早いことだし、何の準備も出来ていないので(やばいー!)デリラのアリア3曲が出尽くした2幕が終わったら失礼しちゃおうかなー、なんて思っていたのですが。
やっぱりバッカナールをどうしても聴きたい!!と、居残り。
(聴いてよかった〜!ていうか、カスタネット私が叩きたかったー!!)

そのあとも、やっぱりもっと聴きたい!!!
と、熱演に引っ張られて結局最後まで...。

ネタバレは書きませんが、おおっと唸らされる最後でした。観てよかった〜。

そんなわけで、今は帰りの電車の中、バッカナールが鳴り続ける頭の片隅で、明朝の出発に向け、スーツケースに何を詰めるかを考えております。

頭の中の曲も《カルメン》に切り替えなくては!
......新幹線乗ってからでいっか!!