mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

オーケストラ・アンサンブル金沢 第391回定期公演《モーツァルト オペラの愉しみ》終演!!

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終わっちゃいましたーーーー!!!

確実に慌ただしい打ち上げで美味しい日本酒を急いで二杯かっくらったせいで涙もろくなってますが(笑)。

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あ!そういえばサイン会のときも「水じゃなくてビールください」と、すでに飲み始めていたし......。

 

でも、新幹線でコーヒーを飲んで酔いが覚めてきた今でも、終わってしまったことが本当に寂しくて心がぎゅっと締め付けられるようなコンサートでした。

何が一番ぐっときたかというと非常に迷うのですが、まずお客様が暖かかった!!
見ていてこちらが幸せになるような良い表情で聴いてくれて、サイン会も長〜い列を作って待ってくれて。
今回は金沢での男装初披露だったんですが、
「カッコよかった!」
と言ってくれた女性がたくさんいて嬉しい限りでしたし。
皆さん本当に楽しんでくれた顔をしていて、素敵な感想をくれて!!
コンサートが素晴らしかったのはほとんど私の手柄ではないんですけどね(笑)
終演直後にこうして生のご意見をいただけるって、良いですね。

もちろん私が初めてご一緒したオーケストラでもある、アンサンブル金沢との共演はいつも特別な気持ちになります。
今回もやはり音色がとても美しくて、というか、美しいだけではない熱い焦点があるんですよね。
その焦点に自分もビシッとはまり込んだときの感覚は、筆舌に尽くしがたいものがあります。
リハーサルも真摯だし、ひとりひとりにこだわりとスペシャルなマインドを感じるオーケストラ。


そして、今回が定期デビューとなった指揮の辻博之さんは、私との共演は枚挙にいとまがなくて、なんなら来週末もご一緒するんですけど...(笑)。なんとまだ33歳!なんでもオーケストラ・アンサンブル金沢の芸術監督、井上道義エストロが「彼は明るい。だからかならずいい音楽をやってくれる」と強く推薦したそうです。

ただ、井上マエストロも実はご存知でしょうが、辻ちゃんはただ明るいだけじゃないんだよ??(笑)

そしてやはり声楽を学んだことがあるからなのかな?こんなに歌いやすいのは。

(私がもうお一方、とっても信頼していて大好きな佐藤正浩エストロもやっぱり声楽科出身なんですよねー)。

(でも声楽出身で歌いたがりでちょっと辟易させられる指揮者もいるしなー。笑)

もとい。

今日もリハーサルのときに辻マエストロの流麗な指揮を客席から堪能しました。

自分が歌ってるときには、そこにいることを感じるのみで、見る必要は無し!!

これが良いのです(本当はたまにはちゃんと見やがれ!と思われているかも??笑)。

特に私が主に立っていた下手側は左後ろに辻マエストロ、右後ろにコンミスのアビさんを感じられるベストポジションで、もちろんモーツァルトだから、ていうのもありますが、演奏会スタイルでこんなにのびのび歌ったの初めてかも!!

 

そして、三曲のduettoをご一緒したソプラノの鷲尾麻衣さんはなんと産後一ヶ月...。

いや、私も覚えてますよ、自分の産後一ヶ月...。うん。まいちゃん、すごい!!!

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ちなみにプログラムはこんなでした!

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リハーサルを聴いていた、能登が生んだスーパープロデューサー、ジミー山田氏が、

「二人の声似てるねえ〜」

と感想を漏らしていましたが、確かにある音域だと自分が歌いながらでも「誰が歌ってるの?」と思うくらいでした。

 


オペラフィガロの結婚の俗?に言う「ケンカの二重唱」は有名曲にも関わらず実はまだ歌うのが3回目くらいで...しかも私にとってちょっとした鬼門ともいえる苦手意識があったりもしたんですが、今回で払拭できた気がします!コンサート形式だし、あんまり演技しなくて良いよね?と本番前に言っていたのが嘘のように(笑)楽しかった。

コジ・ファン・トゥッテの二重唱は、何度も歌っていますが、それこそ似た声色の二人で、姉妹感がけっこう出ていたのではないかと思います。

そして、今回初めて出会った名曲ポントの王ミトリダーテ の二重唱!

まず「音たっかいなー」と思っていたら、案の定というか、ソプラノ二人で歌うのが通常。無知って怖い(笑)。

このオペラはモーツァルトが14歳の時、まだカストラートが活躍していた時代に作曲されていて、今回私が歌った男役はカストラートが歌っていました。

さすがの超絶技巧......。久々にメトロノームを持ち出して練習しました。

エストロ・ゼッダとロッシーニやってたときですらやってない(笑)。

忍者の修行ように毎日少しずつスピードを上げてコツコツと......。

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今週のお題「私の『夏うた』」

 

最終的に本番はほぼ勢いでしたが!!?!

これからベルカントの本番が続くことを考えても素晴らしく有難い選曲でした。

ぜーんぶ辻ちゃんが決めたんですけどね!!

でも《皇帝ティトの慈悲》のアリアはアンサンブル金沢さんとの共演すでに3回目だし!

岩城宏之音楽賞受賞式&メモリアルコンサート!そしてこれから。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

コンサートの最後がティト、ミトリダーテ、という流れ的にも私の着替え的にも(この二役はいずれも男役)完璧なプログラムでした。

 

共演者だけでなく、スタッフ、事務局の皆様もいつも通り頼りになって.....なんだかヤバイ三人が揃っちゃったな、と思われていた感も無きにしも非ずですが......。

 

さてさて、そろそろ東京が近付いて参りました。

心の赴くまま、今日の喜びを綴りましたが......。

またこの旅の枝葉末節(主に食?!)について、皆さんがぜひ金沢に行きたいなあ〜、と思われるようなレポートもしたいと思います。