さてさて、すでに閉幕から1週間以上経ちましたが...今年が第2回のガル祭。
入場者数も1回目の前回を大きく上回ったそうで、嬉しい限りです!
来年のテーマは何かな♡
第2回 いしかわ風と緑の楽都音楽祭!パート1 - mezzosoprano 鳥木弥生blog
私にとっても、去年にも増してやり甲斐、喜びに満ちた音楽祭となりました。
筆頭はなんといってもこちら。
https://t.co/nbLA6LdfE8
— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2018年5月1日
とっても楽しみな公演!#モーツァルト #皇帝ティートの慈悲#能楽 #オペラ #コラボ というより #融合 そして #幽玄 pic.twitter.com/dkipMm0dUt
昨年のベートーヴェンと能のコラボも気になりつつも、何かのリハーサルと時間が重なり、行けなかったのが残念だったのですが、そんな私になんという光明が!!
しかも演目が、モーツァルトのオペラの中では私が一番好きなLa clemenza di Tito「皇帝ティートの慈悲」。
そして役が、モーツァルトのオペラの役の中では夜の女王(魔笛)、エレットラ(イドメネオ)と並んで好きな(そして、この中では唯一歌える)セスト!!
更に共演のヴィテッリア山口安紀子さん、セルヴィリア稲垣絢子さんは歌も素敵な上に、二人揃ってめっぽう美人だし!
指揮なんか?!辻ちゃんこと辻博之さんだし!!
私の持ち込み企画なんじゃないか?てくらい私得な公演でした(笑)
2018年5月4日(金・祝)
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<出演>
渡邊荀之助(舞・謡/ローマ皇帝ティート)
渡邊茂人(舞・謡/ヴィッテリア、セルヴィリア)
川瀬隆士(舞・謡/セスト)
江野泉(能管)
辻 博之(指揮・ピアノ)
中村豊(演出)
山口安紀子(ヴィッテリア/ソプラノ)
稲垣絢子(セルヴィリア/ソプラノ)
鳥木弥生(セスト/メゾソプラノ)
水上由美(ヴァイオリン)
竹田樹莉果(ヴァイオリン)
高田愛子(ヴィオラ)
福野桂子(チェロ)
松永彩子(クラリネット)
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<楽曲>
第1曲 二重唱「あなたのお好きなように」
第9曲 アリア 「私は行きます」
第19曲 ロンド「この今このときだけでも」
第21曲 アリア「彼のために泣くこと以外」
第23曲 ロンド「美しい花の鎖を結びに」
謡「翁」より
このように、この公演のタイトルロール、皇帝ティート役は、渡邉荀之介さんによって、舞い、謡われました。
クラシックとのコラボレーションは数あれど、謡が入ったのは初めて、とお聞きしました。
稽古で初めてこのオペラと能管の響き、謡が混ざり合うのを聴きつつ、私の脳裏にはいろんな記憶がよぎり...。
この大好きな作品、残念ながら実演では1プロダクションしか聴いたことがなく、私がフィレンツェで研修生をしていたときの市立歌劇場の上演演目だったのですが。
最後に皆の裏切りを次々に知った皇帝ティートの、
E quanti mai,
quanti siete a tradirmi?
(いったい何人が、あなたがた、何人が裏切るのですか?)
という大団円前のセリフで、客席を大爆笑の渦が包み込みまして。
私としては「確かにな!にやり」くらいの笑いのポイントではあるかもしれないとは思うのですが、爆笑か?!と、驚きまして。
まあ、しかし、なにしろ他では実体験していないので、ここで客が声を上げて笑うのが普通だと言われたら「そうですか」と思うしかないんですが...。どうなんでしょう??
ただ、笑いが起きてもこのオペラの格調は保たれておりました!
(唯一覚えてるキャスト、セストのモニカ・バチェッリが素晴らしかったの!)
もうひとつ思い出したのは、フランス、アヴィニヨンでのコンサートで、セストのアリア、Parto, parto を歌ったときのこと。
共演の上海出身のバリトン氏が非常に面白い人で「このアリアは京劇っぽい」と言い始め、京劇風パルトの歌い方を伝授してくれたんですねー。
常々、プッチーニなら京劇っぽいことあるなあ、と思ってますが、なるほど彼の京劇ヴォイパ?的な伴奏に合わせて京劇風発声で歌うと、なかなか面白い曲になったものでした。
話を今回の公演に戻します。
加賀宝生流のボス(まさに皇帝?)荀之介先生の発案?無茶振り?により、とある衝撃のラストを迎えた私たちの「ティート」だったのですが、初めての経験に戸惑う私たち歌い手に、荀之介先生は「遊び、遊び!」と繰り返しておられまして。
確かに「遊び」なんですが、能楽、能舞のもつ様式美(たぶん!詳しくないから!)、ナチュラルなんだけどバシッと決まる感じが、私がこうあって欲しいなあ、と思う、ティートのようなオペラ・セリアの世界観にもすごく合っている気がして、違和感も全く無かったし、衝撃のラストも、むしろ衝撃的な気持ち良さでした。
(再演を夢みて、ネタバレはなし!!笑
アンニーオ役をプラスして曲を増やせばすればちょうどよいひと公演分になると思われます!)
最初にこのお話を聞いたときには、私たち歌い手もオーケストラ中で歌うようなイメージかなあ、と思っていたんですが、ある日「立ち稽古の日程が...」という連絡が来まして。
「鳥木さんは特に(ズボン履いてて動きやすいから?)色々...」
と、なんだか伝えてくる事務局の方も心配そう??!(笑)
でしたが!
稽古できる回数も限られた中でしたが、音のコラボレーションに加え、動きでも能舞と融合することが出来、非常に価値の高い舞台となったと思います。
私は幸運、光栄にも、渡邊荀之介皇帝、渡邊茂人さん、川瀬隆士さん、皆様にお手合わせいただき、滑らかで力強い能舞の動き(または静止)を身近に感じたことは、非常に良い経験となりました。
#男装 すると何故 #ナルシスト 度が跳ね上がるのだろう!?こんな顔で歌ってる #バリトン いるわー!と思った。笑#mozart #laclemenzaditito #sesto
#皇帝ティートの慈悲 #カーテンコールこの瞬間、私は彼女(彼)に「綺麗ですね」と、語りかけています❤️本当に綺麗で、胸を打たれた!#風と緑の楽都音楽祭 #モーツァルト #能 #加賀宝生
#能 と #オペラ の融合!モーツァルトと能楽を結びつけた #江野泉 さんの奏でる #能管 。音色も姿も素晴らしく...。実は女性に裃はタブー。更に奏でられた「翁」は女性を舞台から排除する伝統のある演目だそう。
— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2018年5月4日
タブーを打ち破った渡邉荀之助先生、演出の中村豊さん、チームの皆様に感動。感謝。 pic.twitter.com/j3pyntTMA9
石川県立音楽堂邦楽ホールの複雑に動くセリを利用した演出も終始ウキウキ!!
高くせり上げられてからの、奈落...。
「堕ちてゆくのもしあわせだよと...」
ジュリーな気持ちにもなったり?!
演出・中村さんには「この演出で高いところが苦手、と言われたらどうしようと思った!」と言われましたが、なんとかと煙は高いところが好き、の例に漏れず私も高所大好き症でして...。
あ、ところで!
演出の中村豊さんとは、稽古初日の夜、親睦会の際に驚きの御縁が発覚致しました!
「中村さんのとこは芸術一家で、お兄さんはピアノ、お母さまは有名なバレエの先生で...」
とお聞きして「あれ?」と思った私。
私が幼稚園生の頃から小学校4年生まで通ったバレエ教室が「中村祐子モダンバレエ教室」だったぞ!!
...当たりでした!
公演後、久々の再会!!!
中村祐子先生。変わってなさすぎて驚愕!!!
そして、この公演の翌日もなかなかエキサイティングな朝10時開演でしたが、早速前日のティートの記事が朝刊に!
こちらも同じくソプラノ山口安紀子さんと、そして、バリトン高橋洋介さんとの共演で、朝から(笑)気持ち良く歌えました!!
#フィガロの結婚 セレクション、終演!!(スザンナデビュー終了。笑)今日もBravissimiだった共演のお二人と。#風と緑の楽都音楽祭 #金沢 #ガル祭 #山口安紀子 #高橋洋介 #鳥木弥生
前半には田島睦子さんのピアノコンチェルトもあり、指揮はリッカルド・ミナージ氏、ザルツブルグ管弦楽団との共演でした。
諸々、書ききれないほどの喜びに満ちた日々でした。
ガルちゃん♡
#ガルガンちゃん の指揮で歌ったよ!!今年もまたガルちゃんに夢中です♡#ガル祭 #風と緑の楽都音楽祭 #金沢 #石川県
ツジちゃん(笑)
観客として聴いたコンサートは数えてみたら7公演でした。
もっともっと観たい聴きたいものは多かったのですが......。
有料コンサート以外のエリアイベントもいくつか観たので、けっこう満喫!
地元で愛される音楽家がいたり、え?!この人が金沢に??というような方々に会えたり......親密さときらびやかさ、日常と非日常をいっぺんに味わえるような、本当に金沢らしい、風と緑の楽都音楽祭。
金沢だけでなく、石川県のほかの地域、北陸のほかの地域でのイベントがあったのは、能登出身の私としても嬉しいかぎりでした。
次にまた北陸に帰って歌うのは、8/26、富山での荘厳ミサかな?
風と緑の楽都音楽祭の会場にもフライヤーが置いてありました!
まだまだ祭りの興奮冷めやらぬ感もありますが、次の、次の次の、次の次の次の演奏に向けての準備も着々と進行中。
秋にはまた、能とのコラボコンサートの予定もあり、楽しみ!!
皆様にどこかでお目にかかれるのを楽しみに。
このブログにも今後ともお付き合いいただけましたら、とても嬉しいです。
では、また!