mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

「素敵な絵本」は行間を読む!そして歌う!

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今週のお題特別編「素敵な絵本」

 

ちょうど昨日、仕事と里帰りからの戻りで4歳の息子と二人、長旅を絵本で盛り上げて楽しく過ごせたところだったので、お題に乗ってみました。

読んでいたのはこちらです。

ごろごろにゃーん (こどものとも傑作集)

魚型飛行機で飛ぶ猫たち。

最初と最後のページ以外、見開きで14回、

「ごろごろ  にゃーん  ごろごろ  にゃーん  と、ひこうきは  とんでいきます」

という言葉が続き、絵が猫たちの冒険を見せてくれます。

例えばこのページ。

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私「ごろごろ  にゃーん  ごろごろ  にゃーん」

息子「なんかにゅるにゅるがしたにいると思ったらヘビでしたー!ながーっ!」

私「と、ひこうきは  とんでいきます」

というように、たわいのない「この絵をみて一言!」を行間に付け加えながら、元の文を読む役と「一言」役を二人で交代しつつ、2時間強!

全行程6時間の旅、2時間は寝て、2時間は食べたりなんだりだったので、スムーズで幸せでした。行きがかなり過酷だったのもあり...。ああ、子連れ旅!

最近はもう少し文が多いのがお気に入りですが、移動中読むなら絶対文字が少ない本!たくさん字を読むと私が乗り物酔いするのが第一の理由。
あとは、「行間」というより、「絵」にかもしれませんが、色々想像して読み取る余地があった方が、題材にしてお話しながら、楽しく時間を過ごせます。

こちらも長新太の大好きな絵本ですが、周りに人がいるときはなんとなく自粛(笑)

おなら (かがくのとも傑作集―どきどきしぜん)


家では夫が実家から運んできたこのシリーズを最近よく読んでいます。
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川端康成監修「世界文豪童話シリーズ」
この巻に入っている「ばかのイワヌシカ」が面白すぎて...。
私の声楽の師匠がロシア人で、ロシアの小話もよく教えてもらうんですが、慣れるともう、ちょっと、たまらないです、ロシアンジョーク。
「イワヌシカという、ばかがいました」
という衝撃のはじまり。
この翻訳で今でも売られているのでしょうか?気になります。


そういえば、他のお母さんたちがどうしているか聞いてみたいと思いつつ確かめられていないことがありました。

「ばかのイワヌシカ」
にもあるんですが、

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絵本の登場人物が歌う場面。

みなさん、やはり適当な節をつけて歌うのでしょうか?

私はオペラ歌手という職業柄、TPOに合わせた音量、音楽様式で、前奏、メロディー、間奏、リフレイン、後奏までを歌いあげ、もちろん観客である息子や夫には拍手を求めます。

世のお母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃんはどうなんでしょう?

ちなみに、私の母が孫である私の息子にせがまれて「桃太郎」を読んでいるのを盗み聴きしたところ、有名なテーマソングもメロディーがオリジナル、他にも、特に「歌」として書かれていない部分でも、ちょっと七五調を感じたら節が付き始め、完全ミュージカル化されていました。

幼稚園で皆が知っているはずだと思って歌った歌が誰にも分かってもらえなかった、自らの幼少期の謎が解けた瞬間でした。私が音痴だったからじゃないんだ!

そんなわけで?
近所のママに聞いて回るのもあれなので、たぶんこれが1番有名な「歌つき絵本」では、とあたりをつけて、

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

「ぼくらのなまえはぐりとぐら 
このよでいちばんすきなのは...」

歌詞を検索してみたところ、なんと、こんな本がありました。

ぼくらのなまえはぐりとぐら―絵本「ぐりとぐら」のすべて。

ぼくらのなまえはぐりとぐら―絵本「ぐりとぐら」のすべて。

読者が作曲したメロディー116編を紹介!!
やはりみんな歌ってるんですね。


絵本は世にたくさんあれど、読む人、読み聞かせる人のオリジナルエッセンスが加わってこそ、心に残る「素敵な絵本」になるんじゃないかなあ、なんて思います。