mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

神話の世界。《ムーサたちの語らい》終演。

去る11日、日曜日。
新春古楽女子演奏会《ムーサたちの語らい》が無事終演致しました。

素晴らしい共演者とお客様方に恵まれ、非常に親密で快い時間、空間を共有できたように思います。

もちろん、もっともっと詩を読み込んで表現したかったな、とか、水野直子さんのチェンバロの即興性に、もっと素敵に、当意即妙に応えられるキャパシティが自分にあれば!とか、思うところはあるのですが、また次への課題ということで...。

プログラムはこちら。
表紙は直子さん曰く、「エッチなピンク色」で刷りあげられておりました(笑)。

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今回がチェンバロ、水野直子さんとの2回目の共演。
古楽」と言えば、とかく「知性派」「繊細」な、専門の歌手が歌うもの、というイメージもあったりしますが......。

そうではない歌手の私としまして(笑)。


イタリアで師事していたコレペティが言った、

ヴェルディワーグナーが生まれる前からヴェルディワーグナーを歌う声の歌手はいて、その声でモンテヴェルディスカルラッティを歌っていたはずだ」

という意見を心の支えにしています。
もちろんテクニックや様式は真摯に学ばなければいけませんが...。

(あ、私がワーグナーを歌うという意味ではありません。来世の楽しみにとっておくことになるかな、と思っていまーす)。


あとは、題材となる神話、トロイア戦争にまつわるお話や、十字軍の話なども子供の頃から大好きで、そういう「萌え」的なものもあったりして(笑)、私も古楽を「歌っていい!」と信じているのです!

(実は三国志も好きで、オペラにならないかなあ、と心待ちにしています。『曹操』か『周瑜』をメゾソプラノのズボン役にして欲しいです。笑)




さてさて、一年半ぶりの近江楽堂はやっぱり本当に素敵でした。

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ご覧のように見目も麗しいチェンバロ

リハーサルの時に、チェンバロを弾く直子さんの足元がすごく綺麗だなあ、と思っていたら、やはりそこにもしっかりとした「様式美」があるそうで。
なるほどー、でした。

コンサート中もお話したのですが、普段は大オーケストラを余裕で突き抜けるドラマチックな声のソプラノ、小林厚子さんに、ただ一個でたちむかうには繊細過ぎてかわいそうにも思えたチェンバロ(笑)

しかし、ドラマチックだけれどノーブルなあっちゃんの声と、麗しいチェンバロの響き、なおちゃんのパッション溢れる音楽...しっかり溶けあっていました。


私が歌ったのは、悲劇的な曲が多かったのですが、チェンバロの音色だからこそ、の悲しみの表現の可能性あるのを感じました。
もっともっと練ってみたい〜。

張り切ってフランス語で歌ったグルックの「オルフェオ」のアリアも......



今更ながら、実はイタリア語の方が素敵かも!なんて思っちゃったりも......

なおちゃん、ぜひまた......


第三弾、私が一番期待しております!


そして、私は息子が風邪を引いていたため、あっちゃんは18日本番のこちらの公演の稽古のため、打ち上げができておりません。

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(あっちゃんのドンナ・アンナ!!きになる!!
ツェルリーナは山口佳子ちゃんだし!)


打ち上げも、楽しみにしてます。