mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

母ちゃんメゾソプラノができるまで。

年明け、福男競争のニュースを見たときにこんなことをつぶやき。

そこから、自分がなぜオペラ歌手という職業を選んだのかを思い出したりしていたところ...

はてなブログ今週のお題が、

「今の仕事を選んだ理由」

ということで、なぜ私がオペラ歌手になったのかを書いてみたりしようかと思いました。

興味ない人はしばらく飛ばして下さい。

後半の宣伝コーナー(あるかな...)まで。


ちょうど先日、地元広報誌のインタビューで答えた「歌手になったきっかけ」では、

  • 幼い頃から母の影響でよく歌っていた(ただし、昭和歌謡、演歌、シャンソン、アニメソング)。
  • 勉強嫌いで、クラシックの声楽という、それをやれば勉強しないでも学校に入れる技があることを知って飛びついた(ちょうど音楽専攻がある高校が地元に設立)。
  • 音大に入っても歌手になるつもりは無かったけど、オブラスツォワ先生に出会い、世界を目指せ!と言われてその気になった。

という感じのことを答えて、今思えば、これだと完全に流され人生なんですけど...。

まあ、流されたことも事実なんですが(笑)、一応、オペラを歌うこと以外にも職業にしたいくらい好きなことも色々あったし、はっきりとこれでいこう!と決める前に、「この職業でなければいけない理由はあるか」「我とは何か」みたいなことを考えた時期もあったようなするのです。

時期、じゃなくて、ひと晩くらいだったかもしれませんが.......。

その、たぶんひと晩(笑)考えたことが、冒頭のつぶやきと関係ありまして。

私が幼い頃から、一番腑に落ちない世の中の仕組みが男尊女卑(もう少し的確に私の心情に近付けて言うと「男か女かで人間を区別すること)でした。

今でも、どこにでも、もちろんあるんですけど、私が小さい頃の能登の田舎ではやはり今私を取り巻く環境よりも格段に顕著で、「男だから」、「女だから」と、ごく自然に差別されるたびに、幼いながら非常に理不尽に感じていました。

これは何故かは分からないのですが(予測はできるけど)、私は小さい頃から自分のことを「女でも男でもない」と信じていて、余計に「女のくせに」と言われるのが納得いかず(笑)。

今考えれば単純な、またはどうでも良い考えながら、まず一般的に「女らしい」職業はまず無理、だからと言って「女だてらに」と言われる可能性がある職業もいちいちムカつくのが面倒だからイヤ。「女性なんとか」とか、「女流なんとか」なんていう呼び名はどうしても受け入れがたい。

でも、私が女性であることはまごう事なき事実で、それを変えようとは思わないし、できれば有効に利用したい。

そこへいくと......メゾソプラノ歌手。

まあ、ソプラノ歌手でもいいので、「女声歌手」としましょう。

なかなか良いのです。

「女だてらに女声歌手」

「女性女声歌手」

たぶん言われません!

(「女(女性)の〜」と、「女の声(女声)の〜」のニュアンスの違いは分かっていただけるものと存じます。)

しかも、実際中身は全然いわゆる「女らしく」なくていい!?

まあ、それは個人差があるでしょうけど(笑)

そして、持っている女の声を有効に使える。


.....理解していただけるかどうか甚だ怪しいですが、こんな感じで、私は天職と思ってオペラ歌手を選びました。

「母ちゃん」になることは、あんまり予測していませんでしたが......前にもいつか書いたかもしれませんが、生来とっても狭量な私の社会性を養ってくれていて、ありがたい限り......(特に私の周りの人にとって?)!

子供が苦手だった私が、子供たちに歌を教えたりもしてるし。

「女流なんとか」はイヤで、「母ちゃんメゾソプラノ」がOKなのは、どうしてなのかは......。

やっぱり「母ちゃん」になることは自分で選んだからなのかな。

誰もが選べなかったことに縛られず、生き方を選べる世の中になるといいなあ。

......でも、息子は私を選んで生まれてきてくれてきた、と思うのはやはり矛盾なのだろうか??


今週のお題「今の仕事を選んだ理由」


あ、宣伝コーナー!!(笑)

お正月の名残。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

こちらに書いた四人組のコンサートの仮チラシが出来ました〜〜。

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けっこうフェミニストな私にぴったりな!!素敵な女性共演者たち!

お席が少ないので、ご興味ある方はお早めにお申し込みください。