mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

笈田ヨシ氏演出《蝶々夫人》金沢、大阪公演。

去年から稽古してきた(というと一年やってるみたい?笑)、笈田ヨシさん演出の《蝶々夫人》、ついに幕が開きました!

f:id:toriki841:20170127161744j:image

とはいえ、幕は使わないので開場するとお客様は舞台セットをそのまま見ることができて、皆様興味津々に近付いたりされていました。

裏では「開場しましたのでゆめゆめ舞台を通り過ぎたりなどしないように!!」というきついお達しが(笑)

うっかり出てしまっても、お手伝いさんなわけだから忙しそうにバタバタ結婚式の準備してる演技とかひとしきりしてから去れば大丈夫!とか、危機シュミレーションしてみたり......。

f:id:toriki841:20170127162752j:image

こちらが、お手伝い三人衆!!

あんまりふざけた様子やエピソードは、これからご覧になる方の興を削ぐやもしれませんのですが、少しだけ。

左は関裕行さん。初めて稽古場(控え室)に入ってこられた時に、

「初めまして。召使いの関です

と言われ、この稽古場には召使が雇われているのか?!?と、一瞬本気で思いましたが、召使役、という意味だと気付き、がっかり(笑)。

右は松之木天辺(まつのきてっぺん)さん。

なんと、過去にピンカートンのアリア「Addio fiorito asil(さらば愛の巣よ)」を歌ったことがあるという......。

噂の(笑)笈田ボーイズは召使役以外に、あとは村人役の山口将太朗さん(笈田さんのとなり)、重森一さん(スキンヘッドの方。笑)、そして、蝶々夫人の亡くなった父親役の川合ロンさん。

とにかく皆さん多才で!!またいつか《蝶々夫人》観劇に支障ないエピソードから(笑)お伝えしたく存じます。

「歌わない出演者」がもうお一方、ダンサーの松本響子さん。

とにかく麗しい!!

f:id:toriki841:20170127184506j:image

一番右の方。

f:id:toriki841:20170127185334j:image

蝶々夫人のいとこ役熊田祥子さん、ケイト役のサラ・マクドナルドさんももちろん美しいのですが!!

(ちなみに白黒写真の方はサラさん撮影!!またまた多才〜)。

響子さんはこの美しさで私と同じくお母さんなところも励まされたり。

あと、めぞん一刻が好きだったので名前萌えも(笑)

 

めぞん一刻 文庫版 コミック 全10巻完結セット (小学館文庫)

めぞん一刻 文庫版 コミック 全10巻完結セット (小学館文庫)

 

さてさて、このような素晴らしい方々との金沢初演、大阪の2日目を終えて...。 

もちろん主演の中嶋彰子さんの凄さは筆舌に尽し難く...。他の歌い手の皆様もまさに適材適所。

https://www.instagram.com/p/BPwYz24BY-m/

Cio-cio-san and Suzuki


 

そして私たちを操る!演出家、笈田ヨシさん。

笈田さんからは本当に貴重なものをたっくさんいただいて、全くもって書ききれない。

まず初日に私が基本的なことでもらったアドバイスがあり、あまりにも根本的なことなので言われて直ったかどうかも定かではない、と、自分では思っていたのですが、大阪の本番前に中嶋彰子さんに「あなた、あの日から自分が別人になったのが分かってるの?」と言われて!!!

まさに分かってませんでした(笑)

恐るべし笈田マジック.......。

あとは、見ていただく方にも色々感じていただきたいのもあるし......なんですが、これは何度も書いたり話していることなのでもう一度(笑)。

難しかったんです。

「スズキ、顔売っていこう!絶対に伏せないで!」

というご指示。

 

しかしそれからも紆余曲折、様々なことがあり、金沢の本番のあとに笈田さんは言いました。

「もう入ったから、好きにしていいよ。伏せたいなら顔伏せなさい」

と。

 

なんか、そういう感じのやつ弱いんです、私。なんと言っていいか......試練を与えられたあとに「もういいよ、大丈夫」みたいなやつ。伝わるかな?(笑)

たまらないミステリーを感じるのです。

オブラスツォワ師匠にも、発声について最初に絶対ダメと禁じられたことがあり、本当にダメなんだと思ったら、2年後くらいに「もうやっていいよ」って。同じパターンですよ。2年は長かったけど(笑)

そんなわけで、恐れ多くも笈田様を「お師匠!」と呼びたくなりました。

 

 

お題「朝ごはん」

 

大阪公演の翌朝にはこんな嬉しい出来事も。

 

そして今はしばし自宅に戻り、家族孝行.....は出来てませんが......。嬉しいけど寂しい、不思議な気持ち。

 

さてさて、高崎公演のあと、東京では、なんとも魅力的な二人のバタフライが登場です!!

https://www.geigeki.jp/performance/concert099/

 

本当に図々しくも朝ごはんを食べながら笈田様に何でも質問してしまう私なのですが、相手役が変わった場合の心持ちみたいなものも話していただき、まあ、言ってみればごく当たり前のことなので別に書きませんが(笑)、名優の口から聞くと全てがワクワクの素。

東京公演も非常に、私自身楽しみです。

 

舞台裏ではこんな楽しいこともあったり......。

笈田さん&ボーイズ+響子と弥生。《蝶々夫人》、お見逃しなく!http://www.festivalhall.jp/program_information.html?id=1110

 

蝶々さんの父親役、ロンさん主導によるエクササイズに私の十八番が使われていたので、思わず乱入してしまいました!!

笈田様。あの、映画「沈黙」での渋い声とは別人のような歌声?!

《蝶々夫人》と《沈黙ーサイレンスー》 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

あんまり遊びすぎないようにしよう、と思いつつ、舞台での悲劇との帳尻合わせのような気もしています。

(もしかしたら「沈黙」の舞台裏も......??)

 

 

すでに語りつくせないほど、想い出いっぱいですが、これからの3公演、金沢、大阪でいただいたお客様からの拍手、そして涙に恥じない舞台をお見せしたいと思います!!!