mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

おおいたプレミアム・ガラ・コンサート、終演。

まさにプレミアムな経験すぎて何から書いて良いか分かりません。

大分駅前のホルトホールでただ一夜、行われたこちらのコンサート。

イタリアから、というか世界中飛び回る超第一線バリトン、ロベルト・フロンターリ氏を迎え、他、またこれがいーい感じの歌手が集まり、いーい感じのピアニストと、すんごい、いーい感じにオペラガラをやるという(笑)、スペシャル企画。

フィレンツェを中心に活躍中のバリトン、渡辺弘樹さんにお声をかけていただき、仲間に入れました!

やったー!

私がフィレンツェで劇場の研修生をしていた時に出会い、いい人すぎて裏があるんじゃないか、と思ったくらい(嘘です。笑)、包容力があって自然体なのに歌うとすごい弘樹さま。

そんな彼を「兄弟」と呼ぶフロンターリ氏なので、実力はもちろん、人間性もまた素晴らしい方でした。

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終演後に撮っていただいた一枚!

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こちらは全員集合!

左から。

司会の、ですが表でも裏でも大活躍でたいへんお世話になった志賀江梨子さん。

終始、徹頭徹尾!大活躍の、歌手たちをいっぱいフォローしてくれる優しさとパワーを併せ持った小さな巨人?!ピアニスト小埜寺美樹さんとは、むかーしから知り合いなのに、まさかの初共演。でもそうは思えない馴染みを感じたのは私だけじゃないよねっ?

おとなり、ピンクのドレスはソプラノの髙橋絵理さん。秋田のカルメン&ミカエラで対決?したのはまだたった去年??その時もホセより私を惚れさせた彼女でしたが(笑)、相変わらず歌も人柄も魅力的♡

そのおとなりが渡辺弘樹さん。自然体と書きましたが、声も表現もすごいことをやってるのにひけらかすようなところがないのがまた、素晴らしいのです。日本でもたくさん歌ってほしい!

弘樹さんのおとなりがフロンターリ氏。私たち全員とDuettoをしてくださいまして、さながらぶつかり稽古(笑)

身近に聴く圧倒的な声に、ついつい質問ぜめをしてしまう私達にも丁寧に答えてくれるし、終演後もお客様の希望に全て応えてるし、打ち上げも日本酒中心にしっかり閉店の1時まで飲むし......なんて人だ!まったく!!

フロンターリ氏のおとなりはサビーナさん。仲良しご夫婦で、とっても微笑ましいし、サビーナさん、本当に柔らかくて素敵な方。

そのサビーナさんのとなりが私で。

右端がテノール寺田宗永さん。てらっち、の愛称で人気者な実力派。本当に、いつ何を聞いても上手で、その上テノールのくせに性格まで良い、稀有な方(笑)

 

プログラムはこんなでした。

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個人的にはドニゼッティ、マスカーニ、ビゼー、ドリープ、と、幅広いレパートリーで、色んなDuettoが歌えたのが楽しかった!けど、大変でもあった!(笑)

フロンターリ氏との「カヴァレリア」は曲がりなりにも一緒に歌うのだから対等な気持ちで、「聴き惚れ注意!」と思っていたのにやっぱり聴き惚れてしまいました...。負けた。

 

本当に幅広くてんこ盛りで、こゆーいプログラム。

このメンバーでなければ不可能!という気も。

パワフル美樹さんのピアノソロも全く箸休め風ではない盛り上がりだったし!

絵理ちゃんのジルダも、あんな立派な声でEs出す人他に知らないし、てらっちのマントヴァも素敵だったし(次はみんなでリゴレットか??)、私が唯一初披露だったファヴォリータのDuettoも、てらっちの知的な歌唱に助けられ形になって、また歌いたい曲筆頭になったかも!

そして、何と言ってもプログラムラストのファルスタッフ

ファルスタッフ・弘樹とフォード・フロンターリ、バリトン2人のぶつかり稽古(笑)。

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リハーサルでもこんな楽しいことになってましたが。

フォードはフロンターリ氏の超当たり役。

 

Verdi;Falstaff

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Verdi: Falstaff [DVD]

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 なんですが、最近は「腹も出てきたし」ということで、ファルスタッフ役に移行してしまったとのこと。

まさか日本の大分でこんな貴重な機会が!!

先に仕事を終えた3人も、一瞬、終わった〜〜!と、楽屋で記念撮影したりしましたが(笑)

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すぐに、聴き逃してはいかん!と、舞台袖へ(本当は客席に行きたかった!)。

 

フロンターリ氏は言わずもがな。弘樹さんもやはりすごかった〜。声も素晴らしいし、並みのイタリア人よりイタリア語が綺麗なのはやはりダンテの故郷フィレンツェでアルノ川に洗練されてるからですよね!

フロンターリ氏へのインタビューコーナーで、日本語が何にも出てこなくて通訳としてはイマイチだったところも逆に素敵でしたよ!!(笑)

とにかく楽しかった!!!

いつかの荻窪の夜が思い出されました。

熊本地震チャリティーコンサート終演! - mezzosoprano 鳥木弥生blog 

 

もちろん共演者と性格合わないこともあるし(急な話ですが。笑)、気が合えばいい演奏になる、てもんでもないと思うのですが、今年初めの「蝶々夫人」でお世話になった演出家、俳優の笈田ヨシさんが話していた中で、

「世の中にたくさんいる優秀な人の中から、自分とセンスが合う人、やりやすい人、理解してくれる人を選んで働く方が時間がかからないから良い」

というお言葉がありました。

確かに、特に時間がないけど良いものを、となると、優秀であるだけではなく、価値観が近いことも成功のポイントなんでしょうねえ。優秀な人は忙しいことも多いし。

今回も合わせは前日のみ。でも、みんな練習さらっと終わらせるのかなあ?(弘樹さん、絵理ちゃん、てらっちは2日前に蝶々夫人全幕やってたし)、私はまあまあ練習したいけどなあー、と思っていたら、みんな疲れているにもかかわらず同じ気持ちで、それも嬉しかった!

 

もちろん出演者だけでなく、主催者さまや、協賛してくださった方々、来てくださったお客様、絶対良いコンサートだから、と、たくさんの方々に進めてくださった方......皆さんのお力で実現した夢の一夜でした。

感謝感激かぼす鳥天!大分バンザイ!!

ぜひまた行きたいです。

りゅうきゅうを食べそびれたし。

お題「もう一度行きたい場所」

弘樹さまが、フロンターリ夫妻に私達の出身地を説明している時に絵理ちゃんとてらっちは北で、私が自分と同じ九州、と説明していて、「いやいや、母方が熊本だけど生まれは能登だよ!」と言ったら「そうだったの?!」と。

......その勘違いで呼んで下さったんでしたら喜んで詐称するし、なんなら大分出身ってことにして、「私の大分」って曲で演歌デビューしたいくらいです。

(瀬川瑛子「長崎の夜はむらさき」参照)。

 

よほど名残惜しかったのか?空港に向かうバスに傘を置き忘れてしまいましたが、優しくて気が効くてらっち(テノールなのに?笑)が後の便だったので、大分→羽田、更にミューザ川崎まで運んでくれまして...。

と、いうのも、なんだか嬉しいことに、次の日曜日の本番もてらっちと一緒で、大分から戻ったその日にすでにリハーサルがあったのです。

その公演がこちら!(わ!もう、明日だ!)

一昨年、再演時のブログ!

オペラ《滝の白糸》オケ合わせ! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

昨日のリハーサルのあと、大友マエストロが、このプログラムへの思い入れを語ってくれたのも感動的でした...。

 

当日券も出るそうですので、意欲的な邦人作曲家プログラム、お聴き逃しなく!!