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mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

熊本地震チャリティーコンサート〜Music for Kumamoto〜

7月3日。素晴らしい音楽と、深い暖かさに包まれた、忘れ難い一日になりました。

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昼夜公演で一日ホールの中にいたのと、ご一緒したのがとっても朗らかで心優しい(なんか白々しい言葉ですが...この通りなので!)音楽家、そしてハクジュホールのスタッフの皆様で、お越し下さったお客様を、まるで我が家に迎え入れるような気持ちになりました。

前々から深い仲の小川里美ちゃん、鷲尾麻衣ちゃんとは鏡前に並ぶだけでウフフフ、と笑みがこみ上げてくるし、楽しい話が尽きない!もうお一方のソプラノさん、泉萌子さんも最初はたぶん引き気味でしたが、だんだん私達に馴染んでくださっていた、ような?(笑)

男性楽屋からも楽しそうな笑い声が常に響いてきていて、修学旅行の旅館のようでした。

 

そんな、楽屋での準備中も、リハーサル中も、待ち時間中も、舞台上も、一瞬一瞬をまさにエンジョイできた一日。

まさに、というのは舞台袖に常に呼びかけ人のジョンがいて、「Enjoy!」と舞台に送り出してくれたから。

そうやってみんなを気遣いながらも、「妙なる調和」、「誰も寝てはならぬ」というテノールの超名曲を良い意味で軽々と、若々しく叙情的に歌いあげていて。

ジョンのホセでカルメンを歌った時の感動を思い出したよ〜〜。また今、ご一緒したい!!ジョンのためにカスタネット叩きたいよー。

その時にエスカミーリョだったジョン・ハオの闘牛士もまた聴けて嬉しかったし。

舞台裏ではまるで中学生のような遊びを急に始めたジョン(健)でしたが......。Adorable!

 

(茎だけ取られたサクランボもちゃんとあとで食べられましたよ!)

 

初めてお会いした梯剛之さんも歌手顔負けの?楽しい方で、一緒にモグモグしてくださって。あの美しい音はこのオープンマインドから来ているのだな、と、胸が熱くなりました。モグモグで(笑)。

 

肝心の本番舞台の方ももちろん皆様素晴らしく、歌手たちの得意アリアにはそのクオリティに唸るばかり。里美ちゃんのヴィオレッタ、麻衣ちゃんのリタ(今、絶賛ドニゼッティ萌えな私のため?)etc......初めてご一緒した中西勝之さんの美声と身の軽さには驚愕!絶品のラララレーラ!でした。

私は《サムソンとダリラ》から「あなたの声に心は開く」を。

同じハクジュホールで先月聞いた郡愛子さん風ダリラを試そうかと二回目の本番で一瞬思いましたが、やはり私は私風になっちゃいました...。

何が正解なのか、「色気と誘惑」(舞台上の)について今度有志と語る会を持ちたいと思います。

 

そして、バイオリン古澤巌さんの演奏はあまりにもかっこよくて、リハーサルはもちろん会場で聴かせていただいて、本番はモニターにかぶりつき。「カッコイイ...カッコイイ...」としつこいので里美ちゃんに心配されましたが、大丈夫です(何が?笑)!

いつも多摩ジュニア・ミュージカル他、ご近所でお世話になっているピアニストのゆうこりんこと、赤星裕子さんとのアンサンブル、ていうのがまた、なんだか感動で。ゆうこりんも最高だったよー!!

 

私の中で長らく最高のバイオリニストは、かなり昔に(まだユーゴスラビアだった)ベオグラードの音楽院でコンサートをした時に聴いた、名も知らぬバイオリニストの方で、どんなに高い楽器だと言われても、どんなに素晴らしいオーケストラを従えたコンチェルトでも、あの時聴いた音色に比べるとそれなりかなあ、なんて思ってしまうのですが、古澤さんの演奏は、その異様に美化された思い出すらも(笑)払拭するかっこよさでした!!

友人の私ではなくて古澤さん目当てで今回の演奏会にきてくれたママ友もいましたが、完全に納得です。

やっぱり大丈夫じゃないかも!里美ちゃん!!(笑)

 

さて。

私が熊本が震災に見舞われたことを知ったのは、スペインで《蝶々夫人》2幕のProva italiana(オーケストラ合わせ)をしている時でした。

 私にとって熊本は母の故郷であり、幼い頃から里帰りといえば熊本。たまに会える明るい従姉弟たちのことも大好きで、むしろ生まれた石川県よりも「故郷」を感じる場所です。

今もおばちゃん、いとこ家族など大勢の親戚が住んでいます。

 

もちろん石川県には両親や姉家族がいるし、やはりヨーロッパにいた2007年、能登半島地震発生時には早朝に知って大慌てで国際電話。その時には幸いすぐに家族の無事を確認できたのですが...。

 

今回は舞台上で稽古中なのでいきなり電話をかけ始めるわけにもいかず、オケ合わせを進めつつも、録音に使ってるふりをしながら携帯で、様子を聞こうと母やいとこにメール...返事は、無い。

 ようやく親戚たちみんなの無事を母から聞いたのが翌日の昼頃でした。

《蝶々夫人》GP!〜サバデイ日記10 - mezzosoprano 鳥木弥生blog 

 (その後、イタリアに移動した時に残念ながら闘病中だった叔父が亡くなった知らせを受けることになりましたが...。)

 

そして、ジョン・健・ヌッツォ氏から「7月3日に熊本地震チャリティーコンサートをするのだけど...」とお誘いをいただいたときもまだスペインにいて。ちょうど小川里美ちゃんも一緒にスペインにいたね〜。

 

夫の故郷、福島が被災した東日本大震災の時には、自分が住む東京も被災したことや、あまりにも自分の、というか人類の無力を感じる酷い原発事故があったこと、まだ息子が小さかったこと、私自身の気持ちの整理の問題、諸々で、色々お話はあったものの、チャリティーやボランティアに参加することが、なかなかできませんでした。

もちろん当時も、これからでも、福島、東北の為にできることがあれば、という気持ちはあるのですけど。

 

なので、今回ジョン・健・ヌッツォ氏にこのコンサートに誘っていただき、こんなに朗らかで心優しい方々に囲まれてこのチャリティーコンサートに参加できたことには、もちろん熊本に義援金を送ることができる、ということも嬉しいのだけど、自分の頑なな拘りや恐ろしい無力感を少しだけ解してくれたかもしれない、という意味でも、本当にありがたく感じています。

 

本番前に、ジョンが「熊本への気持ち、何か舞台で話したい?」と聞いてくれたんですが、ちょっとそれはまだ無理そうで...。プロじゃないなあ、なんても思うんですけど...。

演奏と、来ていただいた皆様への感謝に、熊本への思いを込めさせていただきました。

 

さて、長くなってしまいましたが......。

 

来週からはすごーく楽しみな9月本番のオペラの稽古も始まります。

ベッリーニ《カプレーティ家とモンテッキ家》のロメオ役で、私の出演は9/11、場所は新国立劇場です。

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日・11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

 

その前に、今週末には川口リリアで、大型歌手4名とバイオリン、ピアノによるコンサート。

川口総合文化センター リリア|イベント情報

 

8/8には、まだ詳細未定ですが、熊本・大分チャリティーでまたまた楽しい仲間とあったかなコンサートが、荻窪名曲喫茶ミニョンにて、開催されます。

 

皆様にお運びいただけましたら幸いです!!