mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

”J'ai perdu mon Eurydice” 1/11「ムーサたちの語らい」に向けて


私が生まれて初めて歌ったオペラアリア。

グルック作曲のオペラ《オルフェオとエウリディーチェ》の、オルフェオが歌うアリア、

「エウリディーチェを失って」

でした。

低声女性(またはまたはカウンターテナー?)の声楽履修者が初めて歌うアリアとして、「Ombra mai fu(ラルゴ)」と双璧でしょうか?
あ、「Voi che sapete」と鼎立かな?


さて、オペラ《オルフェオとエウリディーチェ》には、イタリア語バージョンと、フランス語バージョンがあります。


私が今までレパートリーにしていたのはイタリア語バージョンのアリア、

Che faro' senza Euridice


ちなみに、オペラのアリアの多くは、歌い出しの歌詞がタイトルのように呼ばれています。

つまり、このアリアのイタリア語バージョンは、「ケ ファロ...」が歌い出し。

Che faro' senza Euridice

Dove andro' senza il mio ben

と続きます。

意味は、

エウリディーチェ無しで、どうしたらいいのだろう!

愛しいあの人無しで、どこへ行けば良いのだろう!

って感じ。



明るい長調ですが、愛する花嫁エウリディーチェ(エウリディース/ユリディス/エウリディケ)を失ったオルフェオ(オルフェ/オルフェウス)の失意、絶望が歌われます。


私のプロデビューだったベオグラード(当時はまだユーゴスラビアという国の中だった!)でのコンサートでもこの曲を歌ったのですが、聴きにきてくれた姉が、私が必死に苦しみを表そうとする姿を見て、

「腹痛いんかと思って心配した」

そうでした。

心配してくれてありがとう、姉ちゃん。






そして、前々から歌いたいと思っていた、「フランス語バージョン」を、このたび、来年(来月!)、1月11日、オペラシティ近江楽堂で!

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そんなわけで、プログラムの為にフランス語バージョンの対訳を作成しました。

イタリア語バージョンとは、内容も少し違います。
フランス語の方には「何しよう?どこいこう?」という歌詞は無く、いくぶん内向的なイメージ?

水野直子さんのチェンバロと、どのようなアンサンブルになるのか、非常に楽しみです!


せっかくなので、こちらに拙訳を......


エウリディースを失った
私の不幸は他に比べるものもない
残酷な運命よ!なんという厳しさ!
私の不幸は他に比べるものもない
私は苦しみに打ちのめされる

エウリディース!
エウリディース!
応えておくれ
なんという責め苦だ!
私に応えておくれ!

私は君の伴侶だ
誠実な伴侶が
君を呼ぶ声を聞いておくれ
君を呼ぶ私の声を

エウリディースを失った
私の不幸は他に比べるものもない
残酷な運命よ!なんという厳しさ!
私の不幸は他に比べるものもない
私は苦しみに打ちのめされる

死の沈黙!望みは虚しい!
この耐え難さ
この苦悩が私の心を引き裂くのだ!

エウリディースを失った
私の不幸は他に比べるものもない
残酷な運命よ!なんという厳しさ!
私の不幸は他に比べるものもない
残酷な運命よ!なんという厳しさ!
私は苦しみに打ちのめされる
苦しみに
苦しみに




さて、お気付きのように?
こちら、ズボン役(男役)となっております。

この他にも2曲くらい男役のアリアを歌うんですけれど......



白タキシード芸再登場か???

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いやいや、時代的にタキシードは可笑しい。

じゃ、トーガ?

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あ、こんな役も歌うかも。

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......。

どんな格好で出てくるかも、ぜひお楽しみに!?

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