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mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

「蝶々夫人」の息子役。

かなり昔ですが、私がカバーキャストとして参加していたとある劇場のとある公演にボルゾイ犬」が出演していました。

そのボルゾイ君が、どうしても毎回舞台に出るとゴロリと横向きに寝そべってしまい、スタイル抜群の薄い身体はほぼ床と同化。
客席からは全く見えない(笑)。

ボルゾイ君を操るために衣装を着せられ舞台に立っていたトレーナーの方の焦りはいかばかりだったのか....。


よく舞台や撮影で「子どもと動物ばかりは思い通りにならない」なんて言いますが、その子どもや動物が自分の責任下にあるものだとしたら......どうでしょう?焦りますよねえ(笑)


さてさて、5月1日、2日、無事2公演を終えた銀座オペラ《蝶々夫人》。


母ちゃんはスズキ役を歌いつつ、我が5歳児のトレーナー?としても参加したわけです。


今年の2月に続いて2度目。


今回は元々気心も知れた里美さん(息子は何故か「さとみ」と呼び捨て。笑)の息子役、ということで、少しリラックスしてやれるかもしれないし、そろそろ大きさも大きさで最後だろうし、ぜひやりたいという気持ちもあり。

とはいえ、我が息子がそんな急にしっかりしたり、演技が上手くなったりするわけもなく、今回もやはりトレーナー(母ちゃん)、まあまあ汗をかきました。


まず初日の敵は「眠気」。
19時からの公演だから朝はゆっくり寝せておきたかったのに7時前に起床。

幼稚園行くときより早いがいね(能登弁)

結局そのまま昼寝もせずホール入り。

用意していただいた「袖水」(舞台袖に置いてある水)ならぬ、「袖カルピスウォーター」を飲む息子。
目がもう......。
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ちなみに、オペラ《蝶々夫人》で子役が登場するのは、

  • ピンカートンのことは忘れたほうがよい、とやんわり伝えに来るシャープレスに蝶々さんが「彼はこの子のことも忘れられるというのですか?」と、子どもを連れてくる。
  • 絶望して自害しようとする蝶々さんを思いとどまらせようと、最後の手段でスズキが子どもを送り込み、蝶々さんが子どもに「母の顔をよく見ておいて」とアリアを歌う。
という、非常に感動的な2シーン。


おふざけはいらんがや......


初日、なんとか最初の出演シーンを終え、息子は袖へ。
私は里美ちゃんとコリアンドロ...じゃなくて花を撒きながら歌い、袖に戻ると......息子、熟睡中!!!

横には呆然と立ち尽くす夫。

いやいや、

寝かさんとくまいや!!

最後の超感動シーン、しかも自分で走って里美ちゃんのところまでたどり着き、自分で袖まで帰って来なきゃなのに!!

ホッペをペチペチしたり、冷たいおしぼりで顔を拭ったり......。

「心配だと思いますがスタンバイお願いします」
と優しいスタッフさんに促され、母ちゃんは舞台へ。

Il bimbo ove sia? (あの子は?)

Dorme...(寝てる...)じゃなくて!

Gioca... lo chiamo? (遊んでます...呼びますか?)


と里美蝶々さんと会話の後、ついに次の息子登場シーン。

袖では一応立っているけどぐらんぐらんの息子。

母ちゃんは息子の耳元で、強い口調で言いました。

「走って助けに行かないと、里美ちゃん死んじゃうんだからね!」

と!(笑)

かくして?息子は里美ちゃんの元へ走りました。
本気にしてむしろ戻って来なかったらどうしようかとも思いましたが、そのようなこともなく......。

無事終演。

カーテンコールでは母ちゃんの着物の袖で洟を拭こうとして、母ちゃん大焦り、という一幕もありましたが。



そして2日目。

またまた朝6時半に、

「今日も本番だ!」

と叫びながら目覚めたものの、昼寝もして、開演も2時間早いし、絶好調!?

と、思われましたが、やはり敵はいました。

まずは最初のシーンで後ろの壁に字幕が投影されていることに気がついた息子。

ガン見やがいね...

終演後、彌勒さんが、

「音読しなくて良かったね」

とおっしゃってましたが、全くです。

本人は、

「字幕で新しい漢字覚えたよ」

とご満悦。

「死」

でしたけどね......。


さて、前日は息子の居眠り姿に冷や汗をどっさりかきながら向かった、里美ちゃんに「あっち行け!」と怒られるシーン(笑)を終え。

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今日は大丈夫、と、安心しかけた母ちゃんが見たのは......

息子のオシッコダンス

完全にギリギリのところで我慢しています。

なんでトイレつれてかんがや...

と、夫を責めてももう遅い。

舞台上の里美ちゃんはすでに懐剣を構えています。

母ちゃんは、

「オシッコのことは忘れなさい。ウメボシのことを考えなさい。ウメボシ、ウメボシ!」

と、小さい頃流布していた(能登だけ?)尿意を忘れるおまじないを、30年ぶりくらいに引っ張り出し、息子に唱えました。

そして音楽に合わせて思い切り息子を舞台に押し出し......。

白く美しい舞台に黄色い染みが広がる光景が頭を離れなかった母ちゃんは、怖くてちゃんと見ることができなかったのですが、皮肉にもオシッコを我慢する息子は、最高の走りを見せたようでした。


そしてそのままカーテンコールまでなだれ込み。

2日目の敵は「尿意」でしたとさ......。

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でも終演後はスッキリして(笑)皆さんにご挨拶の場にも出れたし。

終わり良ければすべて良し、かなあ、と思いきや、実は感動的なアリアの間に息子がとんでもない行動をしていたと後で聞きまして......。


本当に、申し訳ない。



色々、ご心配、ご迷惑をおかけしましたが、舞台上で素晴らしいママぶりを見せてくれた里美ちゃんをはじめ、キャスト、スタッフ、皆さんたいへん暖かく見守ってくださり、良くしていただいて、母ちゃんは感謝が尽きません。

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プログラムにも写真入りで載っけてもらったし!


さて、里美ママは、早速次なる舞台へ向かっておりまして。

5月6日、帝国ホテル《メリー・ウィドー》
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え?明後日??笑

今度は素敵な未亡人♡



そして母ちゃんは、こちら。
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やはりちょっと母ちゃんぽい、あの曲も歌います(笑)

ご予約はこちらから!

そして、こちらも!

私は7月3日と5日に出演します。
チケットは直接でも承ります。

あ、これ、未亡人役だ♡
里美ちゃんとおそろい♡


これからも、母ちゃんメゾソプラノに、よろしくお付き合いくださいませ。