mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

アデウ、サバデイ!〜サバデイ日記20

いつの頃からか、「じゃあ、バイバイ!」というのがあまり悲しくなくなりました。
 
限られた時間で思い切りやりたいことをやるのが上手になったのもあるし。

または、「じゃあ、バイバイ!」も言えずにお別れになってしまう方がどんなに悲しいかを知ったからかも。

今私はフィレンツェにおりまして、最後のサバデイ日記を書こうとしておりますが...。


なんとなく、思い出してみたいので。
8年前の私がどんな気持ちでサバデイを後にして、パリに戻ったのか...?

うーん、やっぱり寂しいという気持ちはあまり無かったような。

当時、1番身体を大事にしなければいけない妊娠初期だった私は、色んな方(少し前に出産されたママ歌手の先輩とか、たまたまパリのアパートで知り合った日本人助産師さんとか)に相談しながら、今回と同じカタルーニャロードを含む長い公演を乗り切ったわけですが...。

パリに帰り着き、たしかお迎えに来てくれていたのが、1番心配してくれて、無茶をしていると怒ってくれたりしてくれた友人。
私の母と同じく熊本出身の、メゾソプラノ(ちなみに、のちにソプラノ。笑)仲間でもあるエミコさん。
少し歳下なのに、丁寧に「さん」づけをしてしまうのも熊本風(笑)。
彼女といると、私も自然に熊本弁のイントネーションになり、よく笑いあいました。
パリで一緒に産婦人科に行って初めて一緒にお腹の息子の顔を4Dで見たのも彼女と。
血液検査も一緒に行き、血を見たくなくて外に出ようとするエミコさんに、女医さんが「あなたもパパになるんだから血が怖いとか言ってちゃだめよ!」と、完全にレズカップルに見られたのも笑い話。
ちなみにエミコさんは私より女らしいので、もしパパになるなら私の方かと思います(笑)


当時の「サバデイ後」の話が長くなりましたが...。
昨日フィレンツェに着いてすでに色んなことがあり、記憶から消え去りそうになっているサバデイでの千秋楽の話を一応!?

千秋楽、サバデイから北に位置するVicの劇場は、最期を飾るに相応しい金色の劇場でした!!

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そして、衣装さんやメイクさんもすでに頭の中はバカンスなんじゃないか?という、リラックスモード。

メイク室でもゴローのルイス師匠が下ネタ炸裂でヘアのジゼッラを苦笑させ...。

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私は分かんないふりでやり過ごそうとしてるのに近くで言えば分かると言わんばかりに耳元まで話しにくるので、ちょっとイラっとしましたけど(笑)。

とにかく、みんなのびのび。
蝶々さんのみきさんと私、あと数人には「最後まで気を抜かずにやろう」という共通意識が見えるんですが、大方のスペイン人たちはもう、お祭り気分(笑)
舞台裏は写真撮影の嵐!!
まあでも、私もカメラを向けられれば......(笑)
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舞台袖から舞台を撮影してる合唱団の人までいたみたいです。
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終演後ももちろん、舞台上で集合写真!
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出演者のお祭り気分につられてか、客席もまた一段と、大袈裟なくらいの盛り上がりでした。
スタンディングオヴェーションはまあ、どこでもありましたが、今回はロックコンサートでもやってるのか、てほどの立ち上がりで(笑)

10回公演......。
みんな様々な思いがあるようでしたが、これだけやってようやく見えることもあるし、また帰国したら改めて色々思い出してみたくなるかも。
その時はこちらでまた「サバデイ日記、想い出編」にお付き合いください。


さてさて、私はこれから、懐かしいフィレンツェの街に繰り出します〜!!
「サバデイ日記」に引き続き、「フィレンツェ日記」が書けるかな?
満喫しすぎて書く暇がないかもしれませんが!!

つぶやきはいっぱいしそうなので、良かったらTwitterの方でもお付き合いを!