こちらの公演、
2月1日(日) 紀尾井ホール 14時開演
です。
母ちゃんは「スズキ」役。
息子は「蝶々さんの息子」役。
《蝶々夫人 ー Madama Butterfly》
言わずと知れた、日本が舞台の名作オペラ。
「名作」には間違いないのですが、いち日本人、女性、母、さらにメゾソプラノとして、なかなか語るのが難しいオペラです。
「スズキ」は、日本人メゾソプラノとして、非常に可能性に満ちた役ながら、かつては「一生歌わなくていいや」と思っていました。
なぜかといいますと、まず、プッチーニには「全く愛されていない」し。
(まあまあ愛されてる話)
劇中の日本語、日本文化がエセ過ぎだし。
原作→戯曲→初演版→現行版
と、よりウケるように、また舞台の諸事情で色々と変更されたせいか、登場人物のキャラもブレてる気がするし。
(一応宣伝のつもりなのに、何書いてんですかね、この母ちゃんは)。
そこには何の疑問も文句もございません。
エセ日本語もそれでよし!
ピカソの絵が歪んでるから直した方がよいとか思わないのと同じ!!
ただ、好きじゃないだけ(笑)。
(やばい。良さを伝えなくては!)
暗く淋しいパリを離れ、明るい太陽を浴びにスペインに行きたい!という積極的な気持ちは、スズキとか別に〜、という消極的な気持ちを余裕で上回り、大喜びで出発。
そして、実際演じてみれば、いいかげんな考証であろうと日本人役ということで、雰囲気はでますし、やはりやり易い。
(日本で本格的にやる場合はまた違う難しさがあるんですけどね〜)。
感情表現が豊かなスペインの方々に涙ながらの賞賛を受けたり、素敵な新聞評を書いていただいたりもして8、9回の公演、やり切った頃にはすっかり気持ち良くなっておりました(笑)。
体調的にはつわり真っ盛りで気持ち悪くてしょうがなかったんですけどね。
あ、タイトルに「親子初共演」と書いてしまいましたが、もうすでに、息子と私は《蝶々夫人》で一緒に舞台にいたんですね......。
感慨深いです。
唯一妊娠を告げていた共演者のソプラノ佐藤康子さんにはたいへんお世話になりました。
またいつか一緒に歌えるかな。
康子さんとタブルキャストで蝶々さんを歌われたバルセロナ在住の森三記さんも素晴らしい歌い手であり、さらに凄まじい女優でした〜。
毎回翻弄されるのが快感で(笑)。
「バタフライはオペラであってオペラじゃない。お客さんは泣きに来てるんだから、泣かせてなんぼ!」
と、ユーモア交じりにおっしゃっておりましたが、それは真理だなあ、と納得してしまいました。
......そんなわけで、今では私の中に、私なりの《蝶々夫人》理解が深まっております。
「食わず嫌い」の頃はしんみり、メソメソしたオペラだと思っていたのですが、実はゲラゲラ笑えるようなポイントも山ほどあるオペラ。
(自分が日本人であることを忘れれば.....かもしれませんが?)
さて、アンドレア・ロストさんは、どのような蝶々さんなのでしょうか。
楽しみです!!