mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

振り返り。「街オペvol.2」etc.

今年も残り4分の1を切りました。
10月になったからって、別に何も焦らなくて良いんですけど。
何でしょう、この、やるべきことが手につかない感じ。

トランプゲームの大富豪で、絵札とか、良い札を全然持たずに戦っていて「10」を出された時のような「私はもうだめだ」感、といえば伝わるでしょうか???


日曜日だった昨日(あ、日付はもう一昨日かも)はちょっとした遠出のお仕事でした。
まだやってなかった「街にオペラがやってくる!vol.2」の舞台写真の整理をしながら高崎線に揺られ。

一昨年もお邪魔した熊谷市籠原」なんですが、その時は籠原がどこか分からないままとりあえず自宅最寄りのJR駅の改札を入り、ふと、どれくらい遠い場所なのか不安になり、そこにいた駅員さんに、
籠原までって、Suicaで行けますか?」
と聞いてしまったりしたんですが...。
(行けるに決まってました)。

立派なホールがある、素敵なところです!

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熊谷出身の母ちゃんの弟分バリトン、原田勇雅くんが、「百万石の人に何ですが...」といいながら、熊谷銘菓「十万石」をくれました!
美味しいです!!


さてさて、そんなわけで、去る9月21日に公演がありました、《街オペvol.2》。


終演から日をおいて入手した舞台写真と共に、Vol.3への期待をこめた本番レポートを。

近い未来を考えると焦るけど、遠い未来を考えるのは楽しい!
(あー、早く孫が欲しい......)!

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「変身」がテーマだった今回の街オペ。

まだvol.2なのですが、前回、vol.1からのアウトラインを引き継ぎ......
前半はテーマに沿った色んな曲を、とにかく面白く!
後半はオペラのハイライト!
という構成。

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まずはオペラ座の怪人に扮したバリトンの押川浩士さんの美声で幕開け。
そしてマスクを剥いで人間に戻って、同じく普通人間の状態の(笑)、ソプラノ山口佳子さん、テノール所谷直生さん、メゾソプラノ私、を紹介。あ、ピアニストはイケメン人間の仲田淳也さん。
そこから後方に設置された「モノボケ」風の台を利用して次々に「変身」が始まったわけです。

まずは鳥人のパパゲーノ、そしてパパゲーナ。
そして男女人間、オルロフスキー。
(オフロスキーなら牛人間?)
オルロフスキーがパパゲーノを酔わせるシュールさ。
いや、まだまだ!

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前半、大きな見所はやはりこの高声部二人の二曲だったんじゃないかと思うのです(低声部としてはくやしいながら!?)。
佳子ちゃんによる、《ティレジアスの乳房》から、まさに曲中に女性→男性の「変身」シーンがあるアリア。
そして、所谷さんの、ヘンゼルとグレーテル》魔女のアリア。

ティレジアスでは、ト書きの指示による、乳房が変身(変化?変態?)する赤と青の風船を準備したんですが、うっかり丸ではなく長丸形の風船で、ちょうど良いサイズに膨らましたらなんだか生々しい?形になり......。
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ともかく、ご覧の通り、佳子から佳男へ、見事な変身でした!
(本当はテレーズからティレジアス)。
佳子(男)さんがかっこよくスカートを脱ぎ捨てている写真の後ろに後ろに何か写り込んでいますねー。
押川さんが夫(の声)役、私も世の男性のひとり役で参加したのでした。

所谷さん、魔女に扮した「ほうきのアリア」では佳子(男)から受け継いだほうきと乳房を使って大はしゃぎ......。
仲田さんに絡んだり、

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え?お客さんに風船(乳房...)揉ませてる...?

今更ながら、大変失礼しました......。

その後は前半フィナーレに向かい、全員が猫+αに変身

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メモリー猫耳着けて超真面目に歌いましたよー。

そして猫の”二重唱”ならぬ四重唱では、フクロウさんやブタさんも登場。
終いにはイケメン人間、ピアニストの仲田さんもイケメン犬に変身!(妖怪じゃないよ。笑)。
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そして、後半は大真面目に《ウェルテル》
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「ウェルテルがシャルロットに宛てた手紙」で演奏内容を解説しながらのハイライトでしたが、「字幕が欲しかった」というご意見もいただきました。
私たちの舞台に「演奏」を超えたドラマを感じていただいた結果、一言一句歌詞を理解したい、と思っていただいたのではないか、とポジティブに受け止めつつ!Vol.3に向けて改善していく所存です!
(字幕、私は良し悪しだとは思うのですが、やはり今となっては欠かせないものなのかも??
うーん...。)

簡素な舞台装置ながら、照明にも助けられ、雰囲気が出ていたのではないかと...どうでしょう?



私としては、思い入れ深いこの作品を、このシリーズ、このメンバーで演じられたのが嬉しかった!

次は何かなあ〜。

Vol.3が楽しみです。


さて、その他、先月の振り返り。

久々に私の「音楽のパパ」マッテウッツィに会えたり、
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(山口佳子ちゃんも同門!)

ランスへの旅の放送(の録画)もようやく見れて。
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私の相手役、リーベンスコフの言葉が意外と荒くてビックリしたり!
(私の脳内では、「不実な人よ、貴女が知らないふりをしても、私は恋敵を足元に平伏させるのだ!」みたいな感じでした)。

「浮気女」呼ばわりだったとは...(笑)!!
知ってたら許せなかったかも!?


とにもかくにも、盛りだくさんな9月でした。
これは、少しくらい燃え尽き症候群な10月でも仕方ないかな。
元来がかなりのナマケモノな母ちゃんです......。

急に寒くなった頃の「秋バテ」なんていうのもあるそうですし。

皆様もどうぞご自愛のほどを!!



あ、これ、まだやってます(笑)


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