私は大学を卒業する頃まで自分がオペラ歌手になるなんて全く思っておらず、卒業してしばらくしてオブラスツォワに誘われるままにロシアに行って、勧められるままにイタリアに行き、流されるままにフランスに行き...という人生だったので、日本の音楽家、声楽家の方々は、どんなに有名な方でも共演したことがなければ全然存じ上げない、という失礼なやつで...。
こんな素晴らしい先輩がいたのか!!と、最近になって驚愕することも多々。
そんな素敵な先輩メゾソプラノ歌手の筆頭が、今年デビュー40周年の郡愛子さんでした。
藤原歌劇団創立80周年記念コンサート、終演!! - mezzosoprano 鳥木弥生blog
こちらの演奏会でご一緒したのがもう2年前!
初めてお会いしたプーランク《カルメル会修道女の対話》が2010年。
全然お変わりなく......あやかりたい!
私が前に図々しく「郡さんが着なくなったドレスください」(本当に図々しいwww)と言ったのを覚えていてくださいました。身長が違うのに、と言われても「いや、私、靴履きませんから!」と食い下がる、ただの郡愛子ファンな私。
— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2016年6月18日
伴奏は我らが藤原藍子さん!
字は違うけど「Wあいこ」。
郡さんが、「同じあいこでもこんなに顔の大きさや手足の長さが違って...そばには寄りません」、とおっしゃっていて...
寄ったらこれ。屈めて前に出してご自分は背伸び!!
3人でも撮らせていただきました♡
郡さん、充分小顔です。
さて、プログラムの方は、メゾソプラノの魅力を伝えるという非常にありがたい意欲に満ちたもの。
まずは、それぞれお国が違う歌曲3曲、そして、藍子ちゃんのソロも含めてバッハ3曲!
メゾソプラノ(アルト)のバッハ2大名曲...。
私は特にマタイがすごーく好きで、めちゃめちゃ歌いたいのですが、モーツァルトでさえなかなか歌わせてもらえない私に、いわんや、バッハをや...。ナイナイ...(涙)。
そして黒人霊歌2曲で休憩。
楽しいおしゃべりも含めて、この幅広いレパートリーを一気に歌われました。すごい!
後半はまずかっこいいパンツルックで、ズボン役(オペラで女性が歌う男性役)を3曲、というか、3人。
《友人フリッツ》ベッペ役では、バイオリン演奏も披露!
(カスタネットしか叩けない自分が恥ずかしくなりました。笑)
そして、
郡愛子さんリサイタル。9月に公演がある《カプレーティ家とモンテッキ家》の美しいアリア「Deh, tu bell'anima」が聴けたのも嬉しかった!郡さんも以前ロメオを演じられたそうで...ロメオ魂受け継ぎました!!#藤原歌劇団 pic.twitter.com/dYO0kHEJPZ
— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2016年6月18日
もう、この曲は私、好きすぎて、泣かずに聴くのは無理。泣かずに歌うのも...無理!!
泣きながら歌えるようになる方向で練習してますから。
たぶんこの曲への愛は、これからしつこく9月まで語り続けると思いますので、いつも読んでくださっている奇特で有難い皆様、御覚悟を、いえ、お楽しみに...。
藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日、11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会
当然、本日も郡さんの歌声、歌心に号泣です。
藍子ちゃんのピアノも良かった!!!
ズボン役、もう一曲は、これも涙なしには聴けない、歌えない「Che faro' senza Euridice」。
同じ衣装のままでも、しっかりロメオからオルフェオに変身するのもすごいなあ、と思いました。
そして、実はここまででも大活躍している(バッハ、ベッペなどで)バイオリンの中島ゆみ子さんと藍子ちゃんのグルック/クライスラー「精霊の踊り」を挟み、リサイタルはクライマックスへ。
衣装チェンジして、バラを持って登場〜!
で、ハバネラ!
これまたナイスキャラクターで魅せてくださいました。
最後の2曲は、郡さん曰く、「ワケあり女」のファヴォリータと、「下心女」のダリラ。
メゾソプラノにはこういう役が...とおっしゃってましたが、いやいや、ソプラノの方がそういう人多くない?とも思ったり。
実生活じゃないですよ!役でも!ん?も、じゃないな(笑)、いやいや...。冗談ですよー。
閑話休題。
《ラ・ファヴォリータ》O mio Fernandoは、郡さんの名司会で、
「それでは、12曲続けてお聴きください」
「続きは90周年で」
などの名言が飛び出た「藤原歌劇団80周年記念演奏会」のときに、私も歌わせていただいたアリアで、いつでも歌えれば幸せなメゾソプラノレパートリーの中でも屈指の名曲であり、大曲。
大曲すぎて、私はデビュー40周年で歌える気はしません(笑)。
いやいや、頑張ろう。
メゾソプラノ目線で聴くと、レチタティーヴォやカヴァティーナ、カヴァレッタの繋ぎが考えどころなアリアなのですが、郡さんの解釈、表現は、とっても美しくて納得いくものでした。
真似しよ(笑)。
郡愛子さんのリサイタル、プログラム最後はダリラの「あなたの声に私の心は開く」。そういう誘惑の仕方もあるか!と、目から鱗(笑)。真似してみよう...。もちろんダリラ歌うときに、です。
— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2016年6月18日
あ、そんな事ばっかり言ってますね。
まあ、もうお分かりかと思いますが、ていうか、もう書いてますが、だいぶん好きですよね、私、郡さんが(笑)。真似したくもなります。
貢物にくっつけようと思って家から持って行った小さいメッセージカードは、コンサートを見終わってから書いていたら想いが溢れすぎてかなりウザいラブレターになってしまったんですけど...そのままお渡ししてしまいました(笑)。嫌われませんように...。
あと、Wあいこ様方に会いたい気持ちのみでコンサートに行ったら、当たり前なんですが会場は藤原歌劇団関係者の巣窟で(笑)。
図らずも皆様に帰国のご挨拶ができて良かったです...。
(私の仕事場には平均0.4人くらいしか姿を見せないマネージャーさんたちも大集合でした。いえ、いいんですよ、もちろん...)。
そんな、こんな。
麗しいWあいこさんと過ごす、素敵な午後でした。
会場の白寿ホールにはたぶん初めて足を踏み入れたのですが、奇しくも来月、こちらの舞台の方にもデビューさせていただきます。
こちらです!
熊本地震チャリティーコンサート。
豪華な方々とご一緒させていただきます。
チケットはこちらで。
夜の部にまだ余裕があるようです。
ぜひぜひ、お誘い合わせの上、お越しくださいませ。
http://md-ticket.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=1624154&rlsCd=001&lotRlsCd=
「歌教えてください」と言ったら「○○○○なら」と答えた郡愛子さま。本当でしょうか?それもぜひ教わりたいです......。
— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2016年6月18日