mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

秋田アトリオン、山田和樹マエストロ×仙台フィル×藤原歌劇団《カルメン》終演!

新幹線《こまち》に乗り、小雪が舞い散る秋田を離れました。
大雪でなくて、新幹線も通常運行で何よりです!


さて、昨日無事秋田アトリオンでの《カルメン》が終演致しました。
満員御礼、大盛り上がり。
出てきただけで拍手もらえたり。
ちゃんと、Brava! Bravissimi!!と、正しいイタリア語活用の掛け声をもらえたり。
さすが学力日本一の秋田!
地元合唱団も、少年少女合唱団のフランス語の発音も綺麗でした。東北人はフランス語が上手い、て本当ですね。

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下段左、エスカミーリョの須藤慎吾さんと。
中央、山田和樹マエストロと。
右、私の隣から、フラスキータ竹村佳子さん、メルセデス吉田郁恵さん、スニガ田中大揮さん。

今回のカルメン。このプログラムを見ても分かる通り、ビゼーさんよりも山田和樹さん!(字の大きさが。笑)
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カルメン》の超楽しい5重唱の中で、恋をしたカルメンが、
Ce soir, l'amour passe avent le devoir.
今夜は仕事より恋!
と歌う部分があるのにひっかけて、
今回はビゼーよりヤマカズ!
って感じでしょうか(笑)。

というのは全くの冗談で......なぜなら仕事と恋は人によるかもしれませんが、ビゼーとヤマカズはむしろ理想的な両立だったので!!

カルメン》は私にとって一番多く歌っている役ではありませんが(たぶん...もしかしたらメルセデスが一番多く歌った役かも??)、ハバネラ、セギディーリャをはじめ、それぞれのピースはやっぱり一番多く歌っているし、聴く機会も多く。

おざなりに、までとは言いませんが、ちょっとフレッシュ感が薄れているのは事実。
前にも書きましたが、舞台では基本的にどの音もどの言葉も、今、即興で発しているように表現したいと常々思っておりまして。

その観点からすると、かなりヤバイ状況にあるのがハバネラ。

「いや、カルメンは毎日工場の休憩時間にこれを歌っているから歌い慣れてるんだ!」

という言い訳を考えながら歌ったりしてるわけです(笑)。
(でもやっぱりハバネラ前に運命のテーマが流れるので、その日は特別な日のはずなのか...)。

そんな私の前にド#シ♭ラシ♭ソと現れた山田和樹マエストロは、今回が初全曲《カルメン》とのことで。
(ヤマカズさんの最初のカルメン、ということで何故か女上げた気分を味わったりもしましたが。笑)

ありがたいフレッシュさでした〜〜。

どうフレッシュかはまあ、いろんなことで、聴き手によっても感じ方が違うかもしれませんが。私が感動したのは......うーん、書いてみたんですけど、筆力が足りず、上手く伝わらなさそうなので、ご興味のある方は来年2月、山田和樹マエストロが指揮する藤原歌劇団の《カルメンを楽しみにしていて下さい!!

(残念ながら私は他の場所でスズキを歌いながら想いを馳せることになるんですが...)。

とにかく、素敵なビゼー×ヤマカズ《カルメン》でした!

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立派な打ち上げまで!
左側は藤原歌劇団大集合(あ、未入団のソプラノもいた。笑)+マエストロ。
右上は素敵なダンスで花を添えてくれた川村泉舞踊団の皆様と、秋田の合唱団の言語指導をされた和田ひできさん。
右下は私の隣がホセ、村上敏明さん。そしてマエストロ。

今回、またまた私の嫌いな(笑)セミステージで、やっぱり結局燃えてきてがっつり演技がついちゃうパターンだったんですが。ひとつ嬉しかったのが、舞踊団の川村泉先生に、最後の二重唱の演技と死に方を絶賛していただいたこと!
なんでも、ホセにひとかけらの情けもかけない冷たさが良かったそうです(笑)。

あ、そういえばもうひとつ、嬉しかったの(と、ちょっと申し訳なかったの)は、マエストロに私のカスタネット(芸?)を採用していただいたこと。
実は仙台入りしてみたら、なんと、通常打楽器奏者が使う棒突きではなく、フラメンコカスタネットを叩ける方が仙台フィルにはいらっしゃって!(その方がカスタネットを始めるきっかけになった公演にも私が関わっていたという縁も!)

ちなみに、これが棒つき⇩

こちらがフラメンコカスタネット
(日本カスタネット協会?!入らなきゃ!と思ったら、もうだいぶ前に入会フォームを送ったような...入れてるのかな?)



その方はしかも、この公演に向けてもけっこう本気で準備してくださっていたと他の打楽器奏者の方からお聞きしまして、また非常に申し訳なく。
稽古中に少しお話しして、カスタネットもやってみせてくださったのですが、やはりさすがプロで、当たり前なんですが、断然私よりお上手でした。
しかし、そのプレッシャーから、本番では普段の実力より上手に叩けた気がしています!


村上敏明さんをはじめ、いつも通りの本番野郎・女郎(客を見ると浮かれるオペラ歌手。笑)ぶりをみせてくれた藤原歌劇団の皆さま、ひとり二期会だけど完全に馴染んでくれた秋田美人のミカエラちゃんとも、一緒に舞台に立てて楽しかった!

東京稽古ではピアニストとして、秋田では字幕キューと美味しいご飯仲間として活躍してくれた大好きな藍子ちゃんにも感謝!


この旅のグルメ方面の話もまた書きたいかも(笑)。
そちら方面でも、非常によい旅でした。

あとナマハゲに会えれば完璧だったー。