mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

藤原歌劇団《ドン・パスクワーレ》GP観劇。

 

(あ、チャーリー○エンジェル○のメンバーは、一緒に行った山口佳子ちゃんと、会場で会った光岡暁恵ちゃん)。

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(もう一枚、美人ソプラノを両腕に抱いて超幸せそうな私...)。

 

さて、恥ずかしながら、実演では初めて観ました《ドン・パスクワーレ》。

次の藤原歌劇団公演、ベッリーニ《カプレーティ家とモンテッキ家》のロメオ役を9月に控え、俗に言う「ベルカント」欲が高まっているのもあり、すごく気持ちが良かった〜。

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日、11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

(「ベルカント」という言葉の定義が何種類かあり、私はロッシーニがギリギリベルカント最後の人、と思っていますが、ドニゼッティベッリーニをまとめて言う便宜上、この言葉で)。

 

全編を通して、本当は軽〜いオペラ・ブッファ(お笑いオペラ)なはずなのに、音楽も、演出も、悲哀とシュールさ、ドラマチックさすらも感じさせる多彩さで(三谷幸喜とかロベルト・ベニーニな感じ?)で、私好み。

 

前日にはこんなことを言っていた私ですが、

 

 

やっぱり歌手が出てくるオペラ、楽しいです(笑)。楽しみ方が違うというか。

 

オペラで私が最も「いいなあー」と思う要素は、全員がそれぞれの役割で作品そのものに対して、また作品を通して聴き手に対して、「奉仕」していること。

(音楽以外では「奉仕」のホの字も無い人生なんですけど...。)

 

《ドン・パスクワーレ》が実演機会の多くない作品だから、ということもあるかもしれませんが、マエストロの指揮をはじめ、見える、聴こえる全てから、「作品の良さを出す!」という真摯さと喜びを感じました。

 

一般的な演奏(解釈)ではない部分もあったようですが(ベルカントエキスパートな方曰く)、何しろ初めて観た私(笑)は、まずもって「いい作品だー」と感動するばかり。

アリアや重唱はよく耳にしますけどね。

 

前奏曲が田舎くさいチェロのソロから始まったところからビビッときて、続いて日本昔話を思い出させる(笑)ファゴット、私の大好きなホルン、と、メゾソプラノ心を鷲掴みにする中間音域責め!!たまりませんでした(笑)。

 

菊池彦典マエストロは、日本には数少ないまごう事なきオペラ指揮者で、私は藤原歌劇団《ラ・ジョコンダ》でご一緒しました。昨日一幕後にご挨拶に行ったら、「あのときのチェーカ(私が歌った役名)良かったねえ、ジョコンダ、いい公演だったねえー」と、7年前のことながら、しみじみとおっしゃっていて。

久々に放映されたときのDVDを見ようかなー。

私が妊娠6ヶ月を隠して歌ってた公演(いい思い出)!

 

昨日のGPでは、オーケストラの方々にまず「ベルカントとはなんぞや」という話を楽しいエピソードを交えつつ語ってイメージを伝えていらっしゃいました。

私も菊池マエストロとベルカント(いわゆる、ほうのベッリーニドニゼッティ)やってみたいなあ。

(藤原歌劇団さま、お願いします)。

 

昨日私が観た、明日、7/2本番のほうのドン・パスクワーレ、題名役は藤原歌劇団総監督の折江忠道さん。

すごく哀れな役どころなのですが、折江さんのパスクワーレには最初どこかかっこいいところもあり、その後の変化がまた見ものでした。あと何がすごいって、字幕いらずのクリアーなイタリア語!初めて観る私もしっかり理解できました。

それは他の歌手の皆様もそうで、藤原歌劇団の最高の美点のひとつ!

他にもあります。藤原歌劇団の美点!

 

押川さんのマラテスタ、柴山さんの公証人の芸の細かさ、舞台で起こる全てを拾いまくるしつこさ、ぜひ瞬きもせずに見ていただきたいです。

こちらはおっしーこと押川さんのブログ

いよいよ明日|oshikawahiroshiのブログ

 

楽しかった観劇のあと、日本オペラ振興会の佐竹理事長にお会いし、「はじめてのオペラ」という企画でいらっしゃっていたフレッシャーズの方々と記念撮影!

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オペラの魅力、感じていただけたかな?

また観に来てね〜〜!!

 

さてさて、本日から3日間、日生劇場で公演の《ドン・パスクワーレ》。

前売りは終了しているようですが、当日券が出る模様です。

コメント

 

思いっきり笑えてちょっと切ない《ドン・パスクワーレ》。

この機会に。観て損無しです!!