mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

ロミオとジュリエットvsカプレーティ家とモンテッキ家

皆様は《カプレーティ家とモンテッキ家》と聞いて何を思うでしょうか?

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日、11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

オペラをご存知の方なら、ジュリエッタの歌うアリア、「ああ幾たびか」の流麗なメロディーが頭に浮かんだりするでしょう。(ちなみに、コンクールやオーディションで歌わない方が良い曲としても有名ですが、それでも歌う人も多い魅力的なアリア)。

 

オペラに興味が無い方なら...?

「は?か、かぷれー?...もんて?...何??」

て、感じですよね。

 

でも、《ロミオとジュリエット》なら。

悲恋の主人公たちとしてこの世で一番有名な二人ではないでしょうか?

シェイクスピアの四大悲劇、には、意外と入ってない戯曲ですが(笑)、

「ああロミオ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」

「不実な月に私たちの愛を誓ってはいけません」

など、ロマンチックな台詞の数々が有名で、ここから派生した作品や、用語にも事欠かず。

《ウエストサイド物語》

もだし、障害があるほど燃える、

ロミオとジュリエット効果」

とか。

私も最近知ったところでは、

「ロミオメール」

とか。

なんでも、昔の彼女に復縁を迫るロマンチックなメールのことらしいです(すごく良く言うと!笑)。

 

さて、イタリアの天才作曲家、ベッリーニの名作オペラ《カプレーティ家とモンテッキ家》は、シェイクスピアが「ロミオとジュリエット」の着想を得た中世イタリア、ヴェローナの悲恋の恋人たちの伝説から、同じく着想を得て作られた作品。

もうひとつ、グノーが作曲した《ロミオとジュリエット》というオペラもあり、そちらはシェイクスピアの戯曲を原作としています。

クラシック系では他にも、いずれもシェイクスピアを題材に、チャイコフスキーの幻想序曲《ロミオとジュリエット》や、ベルリオーズの独唱、合唱付の劇的交響曲ロミオとジュリエット》(歌ってみたい!)、プロコフィエフのオペラ《ロミオとジュリエット》もあります(踊ってみたい!笑)。プロコフィエフの方はそこから更に演奏会用組曲になっていたり、ピアノ組曲になっていたり。

プロコフィエフの”ロミジュリ”はたぶん一番多く観ているバレエですが、ロシア、ボリショイ劇場で聴いた舞踏会の音楽の重々しさは思い出すだけで胸が詰まります...!!

ものすごくオープンマインドだったオブラスツォワ師匠が、「ロシア音楽だけはロシア人にしか表現できない」とうっかり漏らしたことがあるんですが......私の考えではロシア人並みに下半身がどっしりしていて、ロシアジョークで笑える理解力があれば可能ではないかと思っています。まあまあハードル高いですけど(笑)。

 

さ、こちらが、私の師匠オブラスツォワの旦那さま、アルギスさんが指揮しているボリショイ公演のDVD!

 

プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」全3幕 [DVD]

プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」全3幕 [DVD]

 

そして、この間スペインに行っていたときにもこんなコンサートを聴いたような、チャイコフスキープロコフィエフの”ロミジュリ”の組み合わせ。

 

チャイコフスキー&プロコフィエフ:ロメオとジュリエット

チャイコフスキー&プロコフィエフ:ロメオとジュリエット

 

こちらは私が尊敬する超演技派メゾソプラノ、ファスベンダー姐さんが歌うベルリオーズ。 

 

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 (2CD)  (Berlioz, Hector: Romeo et Juliette)

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 (2CD) (Berlioz, Hector: Romeo et Juliette)

 

チャイコフスキー&プロコフィエフに、更にベルリオーズもプラスした、やりすぎ感ならこちら?! 

 

 

映画でも、1968年版がオペラ演出家としても有名なゼッフィレッリ監督、オペラ《フィレンツェの麦わら帽子》なども作曲したニノ・ロータの音楽、主演がオリヴィア・ハッセー(父親がオペラ歌手)と、布施明、じゃなくてレナード・ホワイティング。

 

ロミオとジュリエット [DVD]

ロミオとジュリエット [DVD]

 

 

そして、私がリアルタイムで観たのは1996年版。ディカプリオがロミオでブラジルのギャングの抗争に読みかえ演出のやつですね。

 

今週のお題「映画の夏」

 

あと、今知りましたが、2013年版もあるようです。日本公開はされてないのかな??

 

その他、舞台でのストレートプレイ、ミュージカルなども含めたら、どえらい量の《ロミオとジュリエット》が世の中には溢れているわけです。

 

皆様も、様々な媒体から「ロミオとジュリエット」の色んなイメージをお持ちではないかと思います。

 

そんな皆様にこそ、観ていただきたい「もうひとつのロミオとジュリエットが、

オペラ

カプレーティ家とモンテッキ家

なわけです!!

ロミオとジュリエット。ヴェローナの街で、2人はなぜ引き裂かれたか? - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

何しろ、こちらは巷に溢れるシェイクスピア原作ではありませんので、 諸々、違いがあります。

 

ロメオ(ロミオ)がモンタギュー家(モンテッキ家)の坊ちゃんではなく、すでに家長だったり。

ロレンツォ(ロレンス)が神父ではなく医師だったり。

 

他にも何が違うか確かめに、ぜひ、9月10日(土)、11日(日)、新国立劇場へお越しください!!

 

私がロメオを歌うのは11日の公演です。

 

そうそう、女性(メゾソプラノ)がロメオを演じるのも、このオペラ《カプレーティ家とモンテッキ家》ならでは!

(しまった!宝塚とは被ってる!!笑)

 

 


 前にもいつか書いたかもしれませんが、私は鳥木家(どこの家とも特に対立してません。笑)の三女として生まれまして、当然男子を望まれていて、用意されていた名前は「大輔」一択。

「昔は生まれる前にそうそう性別なんかはっきり分からなかったから、命拾いしたね」

と、実の母に言われたこともあってか?中学に入って強制的に矯正されるまで自分のことを「僕」と言っていたし、一応自分が女性だとは知っていましたが、どこか、本当は男性なんじゃないかなあー?と思っていた節もあります。

大学生くらいまでは普通にしばしば男性に見間違えられていたし、はっきり言って...いや、やはりはっきり言うのはやめますが(笑)、とにかく、ロメオ役、楽しんでおります。

 

 

残念ながら壁ドンとお姫様抱っこはあるかどうか分かりませんが?!床(ゆか?とこ?)ドンがあるかも(笑)

公演までのあとひと月弱、こちらのブログでもまだまだ「もうひとつのロミオとジュリエット」こと《カプレーティ家とモンテッキ家》の魅力をお伝えしていきたいと思いますので、ぜひぜひお付き合い下さいませ!

 

そして公演のチケットはお早めに!良い席、まだ今ならあると思います!!

ご質問、ご相談などもお気軽にTwitterなどで話しかけていただけたら〜。