mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

新国立劇場「エウゲニ・オネーギン」稽古中。

今月初めから熱烈稽古中の「エウゲニ・オネーギン」。

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初台駅にて。スタッフで一緒のピアニスト(息子の初恋の)あやっち撮影。

オケ合わせ、舞台稽古、と順調に初日に向かっております。

師匠にも見守られつつ......。

https://www.instagram.com/p/B2lbZ8ZFkh7/

師匠と共に楽屋入り。#elenaobraztsova

 

先日、稽古場に多数いらっしゃるロシア語マスター(各部に通訳さんがいるのです)のお一方が、稽古後の楽しい談笑のひとときに「本当にもう、ロシアがすみません」ておっしゃっていたのが非常に魂に響いたのですが......

ところがどっこい?!キャスト、マエストロ、演出家に衣装家...etc...本当にいいロシア揃い。

 

私が初めてロシアのオペラ界隈の方々と関わったのは20年以上も前で、日本以外の場所をどこも知らないし、なんなら日本でも音楽活動なんてしてないし、という未熟どころか全くの不用意な頃。

行ってみて色んなことがショックで、毎日血の涙を流して(涙と鼻血だったかも。笑)いた時期もありました。

実際思い返すと、その後過ごしたイタリアやフランスに比べて特に酷い目にあったりもしてないんですけど。ただただ、不安だったのかな。

今回、久々にロシア語まみれの空間で一瞬だけ当時の不安感を思い起こしたりもしましたが、何より作品の美しさに包まれ、それを熟知した舞台人、音楽家たちと一緒に働ける充足感に勝るものはなく、毎日もう、喜んでロシア

天才(鬼才!?)演出家ドミトリー・ベルトマン氏は、稽古開始から数日目に知ったのですが、私の音楽の母、エレナ・オブラスツォワの大親友だったこともあり、すっかり懐かせていただいております。

いや、そうでなくても相当フレンドリーな方ですが.....そう、天才、鬼才と申しました。

今回のプロダクション、舞台装置や衣装を見たときは、何とオーソドックスな!!!(とっても良い意味で)と思ったのですが、蓋を開けてみたら、中身?はとんでもなく

とんでもない!!!

多くを...どころか、新制作の初日前なので、何にも話せないのがもどかしいところです。

あ、公式サイトにセットプランの画像がありましたので、せめて、ぜひ。

『エウゲニ・オネーギン』公式サイト|新国立劇場 オペラ

 

あと、我が気持ちながら少し不思議なのですが、毎日同じ舞台上や舞台袖でロシア人キャストたちが歌う姿を見て、生の歌声を聴いていて...

自分の国の言葉でこんなに素敵な歌を歌えるって、どんなにか幸せだろうか

と、思わずにはいられないのです。

そして、感動なのか、羨ましさなのか、涙がでそうになることもしばしば。

イタリアオペラとか、フランスオペラとかを歌ってる時には全く思い至ったことのない気持ちです。

特にレンスキーの名アリア(クダー、クダー、という歌い出しにより、私が充電器やらなんやらのコード=管を探す時につい歌ってしまう曲)を聴いている時には、

私はあなたにそんなに素晴らしい曲を歌っていただけるようなオリガではありません!ごめんなさい

という謎の哀愁までもが......(この演出を見れば共感してもらえるかも!笑)

そんなわけで、私の気持ちは個人的な気持ちではありますが......たぶん彼らの歌を聞いて、この舞台を観ていただければ、私と同じように涙こみ上げる方が多いのではないかなあ、と思います。

 

10月1日の初日から、12日の千秋楽まで。

5回公演の終盤の方はまだ席種がある程度選べる感じなようですが、ぜひぜひ、チケットはお早めに!!!

だって、あれですよ。10月から。

増税

2回目は1回目を観てから...と思われている方も、悪いことは言わないから!9月中にぜひお買い求めを!!!

 

https://www.instagram.com/p/B2ydxXKlK_9/

#пирог #ピローク #消えもの 千秋楽までに、いつか舞台上で食べる隙を見つけてやるぞ...。#オネーギン

 

エウゲニ・オネーギンが好きな方(私はデミアン派ですけど。勝手に作った派閥ですけど。笑)、プーシキンが好きな方、ロシア語が好きな方、ロシアオペラが好きな方、チャイコフスキーが好きな方、悲恋が好きな方、はたまた、ついつい貴族青年に憧れちゃう方や、詩人に惹かれちゃう方......あと、手紙を書くのが好きな方??

色んな方に見ていただきたい名作です!

お題「どうしても言いたい!」

あ、あと!こちらもぜひ、お手にとってくださいませ。