mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

旅の終わり。

お題「好きな乗り物」

今回は見るだけかなあ、と思っていたイタリアの赤いあいつ、イタロに乗る機会が滞在最終日におとずれました!

チケットを手にし、イタリアらしくギリギリに表示された出発番線に向かう私の速い足取りは、まるで賭けに勝ってタイタニックの乗船チケットを手にしたレオナルド・ディ・カプリオ!?

(こう思った時点で実は不吉な予感がしていたのかもしれない......)

白々しく検札が設けられた10番線ホームに入ると、丁寧にどこに何号車が来るか表示してあるモニター。やるなー。

ちなみに、今では普通の?ホームにもモニターがあったり、案内も幾分丁寧になりましたが、少し前までは、小さい駅だと表示は皆無。大きい駅でも、A、B、C、などの看板がぽつぽつとあり、プリマクラッセ(一等車)はAのあたりに来ますよ、などのお知らせがあるのみでした。発着番線変更のアナウンスなどもギリギリで、大きい荷物などがあるときは、乗り逃し必至でした。酷いよね(笑)。

が、現在も。

やるなーと思ったのもつかの間。私がホームに入ってくる赤いあいつを携帯カメラで狙っていると。

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ホームのあちこちから乗客たちが民族大移動。

何かな?と思ったら。

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表示と、実際の号車の並びが真逆(笑)。

いや、これはこれで。やるなー。さすがイタリア!


さてさて、今回の約二か月に渡る旅も、ついに終わりを迎えようとしております。


上手く行くまであまりおおっぴらにはしませんでしたが、これがなかなかトリッキーな旅で...。

というのも、私のカタルーニャでの全公演が終わる日の翌日に夫がイタリアで働き始めなくてはならず...。

前提として、我が家は息子を、ペンギン夫婦よろしく、交代で世話しています(ペンギンはオスの方がより過酷だとか...)。

もちろん親類や友人の助けを求めることが多々ありますが、私が帰国、夫が出国で両親とも機上の人な状態で息子を人にあずける...というのはなんとなく、もし私があずかる立場だとしたら不安かな?というのと、まあ、この機会に息子を生後5ヶ月以来のヨーロッパへ連れて行っちゃおう!というので...。

私の公演が終わる頃に息子と夫がカタルーニャ入り。全員でイタリアへ移動。今度は私が息子と、宿泊先も提供してくれた友人の助けを得つつ、夫の仕事が終わるのを待ち、全員同時に帰国、ということに。


私に関する何かにたいして「すごいね」とか「変わってるね」とか言われると、自信を持って「いいえ、私は普通です!!」と答える私ですが、子育てに関してならば、多少はアクロバティックなことを認めるかも......??


まあ、生後5ヶ月でパリに連れて行ったときとは違い、きっと息子にもたくさんの印象を与えた旅になったのではないでしょうか。

特に、トスカーナの丘陵、緑は、見ると「天才に近づく」魔法の景色!!?

「天才の印」〜 トスカーナ、すべての道はヴィンチ村に通ずる!? - mezzosoprano 鳥木弥生blog

動物が大好きな息子。

犬しか見ていなかったかもしれませんが......。


さてさて、意気揚々と朝6時半に家を出て、イタロで始まった今日の旅は、というと......旅の本来の目的の方はなかなか良い感じで。

しかし、久々にイタリアのショーペロ(ストライキ)に翻弄された長い1日でした。

予約してあった帰りのイタロには乗れずじまいで、最終的に翌日1時過ぎに帰宅。


この2ヶ月の旅。

終わってみれば「再会」がテーマでした。

とはいえ、まだまだ会えていない旧友が大勢。

パリにもきっと近いうちに戻らねば...。

もちろん日本での様々な責務を果たした後で(笑)。いつになるかな?

この旅を思い出してまた綴りたいけど、そんなことも無いまま、早送りのように、あっと言う間に年末くらいになる気もする。

とりあえず......あと6時間足らずで出発なので、荷造りします!!

あーー、帰ってこれて良かった!!!

日本の皆様との「再会」も楽しみに。


こちらのコンサートも、ぜひお誘い合わせの上お越しくださいませ。


これは個人的な話ですが、数日前、ずっと闘病中だった熊本の叔父が亡くなりました。

お通夜の時に母が連絡をくれ、テレビ電話で皆の顔を見ることができました。

......もう笑ってたよー。

私は「熊本に元気を」なんて偉そうなことは思いません。彼らは元気なので。

「何かしたい」と思うのは私の勝手。

その機会を与えていただいたことに感謝して、いつもより更に魂をこめて歌いたいと思います。

旅の悦び。

サバデイを離れ、フィレンツェでお世話になっているのは、息子さんが8歳の時から20年間フィレンツェで子育てをしている(もう子育てじゃないけど)ママの大先輩のおうち。

アデウ、サバデイ!〜サバデイ日記20 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

最後にサバデイで洗濯する時間が無かった着物グッズをこちらで洗わせていただいたわけですが。

こちらでは、こんな感じに洗濯物を干します。

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イタリアには良くある、エレベーター無しの5階。高いところは嫌いではない私ですが、腰が引けつつの洗濯物干しでした。

そして、大分慣れてきたと思った頃、事件は起きたのです。

なんとなく気持ちに余裕のできた私は、靴下などの小さなものをいくつか左手に、洗濯バサミいくつかを右手に持ち、それらを手から繰り出すように干していましたところ...。

まあ、ご想像の通り...洗濯物が落下。

しかも、パンツ!!!

一階のお宅の、庭に出る階段の上に、ハラリと落ちました...。

慌てて友人に報告したところ...。

このパラッツォ(建物)のルールでは、落下した洗濯物は階段の手すりにポンと置かれ!例えば一階の人がまずそれを一階の手すりに置き、二階の人はそれを見て自分のものでなければ二階の手すりまで運んでそこに置き、次に三階の人も違えば三階の手すりにまで運び...という風に、持ち主の元に戻るまで、数々の人の手を経て晒され続けるとのこと!!!

......ええ、無事にね、帰ってきましたけどね......。もしそのルールだとしても、もし日本人ならさすがにパンツは袋に入れるくらいはしそうなんですけどね......そんなこともなく......。

その話をフィレンツェに留学中の後輩と会った時にしましたら、「たいへん!旅行中にパンツ一個減ると不便ですよね!」という感想でした。パンツは多めに持つ派だし、いざとなれば旅先でパンツを買うことも厭わないから、そこは大丈夫だよ......。



そんな事件があったから逃げてきたわけではないのですが、私は今、カーニバルで有名なViareggioにおります。

ヴィアレッジョ - Wikipedia

10年くらい前にカーニバルを見にきた以来かなあ。

今回はカーニバルでも、夏のバカンスの時期でもないので、街は非常に穏やか。

で、偶然入ったレストランが、ここに来るために日本から飛んできても良いレベルで美味しくていきなり食べ過ぎ。

「美味しいもの」は旅の醍醐味のひとつですねえ〜。

でも私の旅の悦びランキングでいうと、「食」は5位くらいかなあ。

順不同で「食」以上のものはというと...まずは。

風景、街の歴史

人、出会い

今回の旅、大筋ではサバデイとフィレンツェという、すでによく知っている場所に滞在しましたが、ちょこちょこと小旅行もあり、初めて訪れた場所もいくつか。

基本的には出不精で、知っている場所に落ち着いているのが好きなんですが、海の向こうや山の向こうに素敵な風景や、会いたい人がいて、ふと出会いに行くのはとても幸せなことだなあ、と、このふた月近くの間にしみじみ感じました。

今回行った場所で1番テンション上がったのは、「ハンニバルが象で越えた峠」かなあ!!

まじかー!?あれかー?!!

ってなりました(笑)。

「人」との出会いには甲乙つけがたい、色んな悦びがありましたが、ここで語るに相応しいのは彼女でしょう。

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(なぜこの日は二人してすっぴんなんだろう)

(私の腕は自撮り棒)

(昔この場所で野外コンサートのリハーサルをしていたら横を乙武さんが女性と通って行ったなあ、なんてことを思い出しつつ...)

バルセロナで待ち合わせして、サバデイで一緒に過ごし、一足先にイタリア入りしたと思ったら、空港サプライズまでしかけてくれた小川里美様。どんな風景の中でも美しい里美ちゃん。旅を彩ってくれて、本当にありがとう〜。


昨日また一足先にご帰国されましたが、まさか私の帰国日に羽田には来ないよね。たしかその日はリサイタルだと言っていたけど、騙してないよね?(笑)


さて、その他、私の「食」以外の旅の悦び。

旅支度

てのもあります。

まあ、買い物ですね(笑)。

旅を言い訳に、欲しいものを買うわけです。

ひとつご紹介しますと、今回、雨でも遠慮せず履ける靴を日本から持ってこず、小旅行先が雨の予報だわ〜、という言い訳で買ったのが、このスニーカー。

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今週のお題「わたしの一足」

サバデイでまず、1番濡らしてはいけなかったお気に入りの一足をぐしょぐしょにしてしまい、雨靴を探したのだけど全然見つからず、結局そこそこ水に強そうで、万が一ぐしょぐしょになっても落ち込まない値段のものを購入。気に入ってます。


そして、私の旅の悦び、意外とこれが1番なんじゃないか?と思うのは、これ。

無くなりかけのものを旅先に持って行って捨てる

私も!て方、いるかな??

こんな感じで失敗もありますが(笑)。

無くなりかけ、でなくても、あと少し使えばいらなくなりそうなものとか。

旅行で行きより帰りに荷物が減る、という事実が非常に気持ち良いのです!

もし「なくしかけの恋」とかもあれば、自宅付近とかではなく、ぜひ旅先で捨てたいものです(笑)。


さてさて、そんな、旅の途上の今日、5月20日。私が9月11日に出演するベッリーニ作曲のオペラ《カプレーティ家とモンテッキ家》のチケットの発売が開始されました!!

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日、11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

こちらはまだ仮チラシで。

帰国したら男役風の写真でも撮り直そうかと思っていましたが、本チラシにも、間に合わないかなあ〜。

まあ、ギャップを楽しんでいただけるようにしよう!!

アデウ、サバデイ!〜サバデイ日記20

いつの頃からか、「じゃあ、バイバイ!」というのがあまり悲しくなくなりました。
 
限られた時間で思い切りやりたいことをやるのが上手になったのもあるし。

または、「じゃあ、バイバイ!」も言えずにお別れになってしまう方がどんなに悲しいかを知ったからかも。

今私はフィレンツェにおりまして、最後のサバデイ日記を書こうとしておりますが...。


なんとなく、思い出してみたいので。
8年前の私がどんな気持ちでサバデイを後にして、パリに戻ったのか...?

うーん、やっぱり寂しいという気持ちはあまり無かったような。

当時、1番身体を大事にしなければいけない妊娠初期だった私は、色んな方(少し前に出産されたママ歌手の先輩とか、たまたまパリのアパートで知り合った日本人助産師さんとか)に相談しながら、今回と同じカタルーニャロードを含む長い公演を乗り切ったわけですが...。

パリに帰り着き、たしかお迎えに来てくれていたのが、1番心配してくれて、無茶をしていると怒ってくれたりしてくれた友人。
私の母と同じく熊本出身の、メゾソプラノ(ちなみに、のちにソプラノ。笑)仲間でもあるエミコさん。
少し歳下なのに、丁寧に「さん」づけをしてしまうのも熊本風(笑)。
彼女といると、私も自然に熊本弁のイントネーションになり、よく笑いあいました。
パリで一緒に産婦人科に行って初めて一緒にお腹の息子の顔を4Dで見たのも彼女と。
血液検査も一緒に行き、血を見たくなくて外に出ようとするエミコさんに、女医さんが「あなたもパパになるんだから血が怖いとか言ってちゃだめよ!」と、完全にレズカップルに見られたのも笑い話。
ちなみにエミコさんは私より女らしいので、もしパパになるなら私の方かと思います(笑)


当時の「サバデイ後」の話が長くなりましたが...。
昨日フィレンツェに着いてすでに色んなことがあり、記憶から消え去りそうになっているサバデイでの千秋楽の話を一応!?

千秋楽、サバデイから北に位置するVicの劇場は、最期を飾るに相応しい金色の劇場でした!!

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そして、衣装さんやメイクさんもすでに頭の中はバカンスなんじゃないか?という、リラックスモード。

メイク室でもゴローのルイス師匠が下ネタ炸裂でヘアのジゼッラを苦笑させ...。

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私は分かんないふりでやり過ごそうとしてるのに近くで言えば分かると言わんばかりに耳元まで話しにくるので、ちょっとイラっとしましたけど(笑)。

とにかく、みんなのびのび。
蝶々さんのみきさんと私、あと数人には「最後まで気を抜かずにやろう」という共通意識が見えるんですが、大方のスペイン人たちはもう、お祭り気分(笑)
舞台裏は写真撮影の嵐!!
まあでも、私もカメラを向けられれば......(笑)
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舞台袖から舞台を撮影してる合唱団の人までいたみたいです。
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終演後ももちろん、舞台上で集合写真!
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出演者のお祭り気分につられてか、客席もまた一段と、大袈裟なくらいの盛り上がりでした。
スタンディングオヴェーションはまあ、どこでもありましたが、今回はロックコンサートでもやってるのか、てほどの立ち上がりで(笑)

10回公演......。
みんな様々な思いがあるようでしたが、これだけやってようやく見えることもあるし、また帰国したら改めて色々思い出してみたくなるかも。
その時はこちらでまた「サバデイ日記、想い出編」にお付き合いください。


さてさて、私はこれから、懐かしいフィレンツェの街に繰り出します〜!!
「サバデイ日記」に引き続き、「フィレンツェ日記」が書けるかな?
満喫しすぎて書く暇がないかもしれませんが!!

つぶやきはいっぱいしそうなので、良かったらTwitterの方でもお付き合いを!



爽やかサバデイ〜サバデイ日記19

お題「好きな街」

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こちら、サバデイいちロマンチックな?
Carrer de la Rosa(バラの道)

私がこのサバデイ3月31日に到着してから、現地の方も不思議に思うくらい雨も多かったのですが、ここ最近、本当に気持ちのよい日々。

雨も少しは降りますが、暖かくなり、空気もポカポカな中、たまのひんやりが快く...。

さとみちゃんがイタリアから初夏を運んできてくれたようです。

ハモン、ハモン!〜サバデイ日記18 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

ちょっと天気良すぎて?霞んでますが、あと、私のお腹出てますが(笑)、爽やかサバデイ、市庁舎広場前で撮った写真を。

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さとみちゃん滞在2日目は、朝からサバデイの中心街をブラブラ。サバブラ。

(あ、でも銀ブラのブラはブラブラのブラじゃないんですってね)。

一月半、ひとりで見尽くしたサバデイ繁華街をさとみちゃんと歩いてショッピングできて、めっちゃ楽しかった〜〜。

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illy cafeに、illy cafeがメインスポンサーだったミラノ万博のバッグを携えてやって来たさとみちゃん。

お昼は、おなじみKOTEへ。何でも美味しいのですが、特に焼きそばに関しては世界一美味しいんじゃないかって気がしてます。f:id:toriki841:20160516004844j:image

可愛いメニューの真ん中に、製麺機の説明も。

こだわりのそばに、地元産食材を合わせた「きのこ焼きそば」と「サバデイ焼きそば」が最高!

サバデイへお越しの際は是が非でもお召し上がりを!!


さてさて、ようやく公演の方、と、いきたいところですが。

それが...まだなんですよ!!

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こちらがその修道院。

あと、なんか知らないけどポーズを指定されたのでまたお腹出てる写真(笑)。

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ちなみにこの、ちょっと不良っぽい?ジャンパーはその朝、さとみちゃんも気に入ってくれたサバデイの「ストラディバリウス」という高そうで安いお店で購入しました。

このジャンパーに濃いオペラメイクをするとさらに不良っぽく......

やはりポーズは指定(笑)。

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(私とさとみちゃんの間のこの壁ドンネタ、もうかなり古いんですけどね。あと引いてます。笑)

こちらは、サンクガットの劇場、舞台の前室。

そして、前々から頼んであったさとみちゃんの分のチケットを「あ、忘れてたわ!とっくに売り切れだから見つからないわよ」と我らが女ボスに言われるというどっきりハプニングもありつつ...。危うく舞台袖観戦になるところでしたが、なんとかチケット見つけてもらいましたよ...全くもう...!!

その夜はラジオの生中継もあり、最初は少し「置きにいってる」みたいな歌の方もいたかもしれませんが、タイトルロールのみきさんはみきさんだし(笑)、観客の熱気もあり、結局いつも通り太陽の国らしい「情熱の舞台」になりました。

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さとみちゃんに、わざわざこんな田舎まで来ていただいた価値があったか...いや、もちろん、たっぷりあるのは分かっているんですが、良い公演だったと言ってもらえて安心しました。

ラジオは生中継でしたが、こちらからしばらく聴けるようです。ぜひ!

"Madama Butterfly", amb els Amics de l'Òpera de Sabadell

そうそう、公演前に街で買ったワインをさとみちゃんが私の楽屋に置いていったもんですから...。

こんなんでしたよ...。

切なかった〜〜(笑)。

そして、ようやく!

だいぶ頭の中ぐるんぐるんになりながら、自分の理性を試すためにツイートしていたような気がします。しかし、すでにヤバイ感じ(笑)

こんなの書いた覚えありませんねえ...。

でも、いったんベッドにひっくり返ったあと、オムレツを食べにもう一度テーブルに戻ったのは覚えています。

結局翌日、さとみちゃんに、

理性どころか知性も失ってたよ

と言われちゃったわけですけど......。

知性も失ってる、て、どういう状態だったんですか???

とりあえずまたイタリアで会ってくれるみたいなので、嫌われてはないみたいです!!

とにかく、油断してるとうっかり幸せになってしまう日々が続きまして......。

人は幸せすぎると理性と知性をなくしてしまうのかもしれない?

今夜は幸せになっちゃう前に、そのことについてしばらく考えてみようと思います。

そして、その後は明日、さとみちゃんとトスカーナで何を飲んで幸せになるかを考えます!!

ハモン、ハモン!〜サバデイ日記18


ハモンはスペイン語でハム、の意味。

ハモンハモン、というペネロペ・クルスのデビュー作、ロマンチック&セクシーコメディ映画もありますが。

ハモンハモン 無修正版 [DVD]

ハモンハモン 無修正版 [DVD]

観たことない、て4Fioriリーダーのあっちゃんに言ったら「観なさい」って言われました。

帰国したら観るよ!

(新潟の子供達、あっちゃんの歌が聴けて良かったね〜!)

さてさて、私たちの《蝶々夫人》の舞台もついにpenultimo。

日本語に良い翻訳語が欲しいなあ、と思う単語のひとつがこのpenultimo(ぺヌルティモ=最後から二番目の)なんですが、まあ、それは良いとして。

日本から、いや、イタリアから?小川里美さまが観に来てくださったのです〜。

(ハモン目当ての噂もある?!笑)

サンクガット公演の前日にバルセロナで待ち合わせをして。

https://www.instagram.com/p/BFVzzU_OTgV/

Instagram

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友、まあまあ遠方より来たる。〜サバデイ日記17 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

良かったなあ〜、エル・ナシオナル!

こちらを教えてくれた私の蝶々さん、みきさんにも感謝。

こんな女優鏡コーナーもありますので、訪れる方がいらっしゃったらぜひ奥までしっかり見てください!

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そして、サバデイ入りして魚介からは一転、いよいよハモン!

右から100gの値段が9、15、16、25ユーロ。

私がだいたい買うのは1番食べやすいと勧められていたの15ユーロので、たまに19ユーロくらいのを買っていたのですが、色々ためしてみよう、ということで、四種類。

9ユーロのものも充分美味しくて、初めて買った16ユーロのがとろける脂と甘みと旨味たっぷりでヒットでした。

そこのお店の最高級品、100gで25ユーロ(腿まるまる買うと10万円くらい)のものは、歯ごたえも舌ごたえもぎっちりがっちり。イタリアではよく生ハムをグリッシーニに巻きつけて食べるのですが、ハモン・イベリコは弾力がありすぎて巻きつきませんよっ!!


さて、ハモンの話ばかりで、公演の話に行き着かないので「サバデイ日記、さとみちゃんが来たよ!編」は、後半に続きます(笑)。

前半の今回は最後に、ハモン以外にも食べたものを。

この貝の名前が「ナバハ」。ナイフ、という意味。確かに細くて切れ味良さそう?!

オペラカルメン3幕で、カルメンをめぐってドン・ホセとエスカミーリョが対決するときに、「アクーデナバーハ!」とホセがナイフでの決闘を指定するのでおなじみですね〜〜。

ちなみに、私は1プロダクションで1回はエスカミーリョがホセに「アクーデナバーハ?」と聞き返すのに合わせて舞台袖で「ハクーナマタータ」と呟きます(笑)

なんて、オペラ歌手らしいエピソードを語りつつ?.....後半に続く!!


友、まあまあ遠方より来たる。〜サバデイ日記17

ちょっとお久しぶりになりました、サバデイ日記。

Un bel dì, vedremo...〜サバデイ日記16 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

蝶々夫人》は6日にバルセロナの空港近くのヴィラデカンス、8日には、ローマ時代の遺跡群が世界遺産に登録されているタラゴナで公演がありました。

タラゴナはうっすら歴史の授業で聴いた地名なきもします(笑)。

またはこれで読んだだけか......??


素敵な街でした。

でも私が一番好きな遺跡はやっぱりフィエーゾレかなあ。

スペインの帰りにフィレンツェに寄ったら必ず行くぞ!

お題「好きな街」

舞台の方は、また新たにひと皮むけた感じ。

「そろそろなんか違うことやりたくなってきちゃうよね〜」なんて、私の蝶々さんもおっしゃって......。

8公演め、タラゴナではやり始めた違うこともしっくりと、良い流れのドラマが生まれたのを感じました。

毎回ご臨席の我らが女ボス、ミルナさんも特別ご満悦でした。

観客も非常に盛り上がり、カーテンコールがなかなか終わらず......。帰るのが遅くなるー!!と困りつつも、嬉しく。

タラゴナはぜひ街も見たいと思ったので早めに街に入ったのですが、その前にこんな寄り道もしまして......。

他になーんもないところにポツン?ドカン?と彼が立つ姿、シュールでした〜。

ちなみに、マジンガーZの次のセカンド・ラブがタイガーマスク、そのあと、サードかフォースが「美味しんぼ」の山岡さんです。天才少年ドギー・ハウザーとどっちが先かなあー。


さてさて、明日、サバデイから少しバルセロナ中心地よりのサン・クガットでの公演を控えた...。

Madama Butterfly: ENTRADES EXHAURIDES - Òpera - Espectacles - Programació - Teatre-Auditori Sant Cugat | Programació Espectacles: Teatre, Música, Òpera, Dansa, Familiar, Màgia, Sarsuela... Entrades

そんな今日。

バルセロナに現れましたるはこの方〜。

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一緒に来たかったエル・ナシオナルにさっそく
来れた〜〜!!

なんか、世界中どこで会っても普通だね(笑)


あ、明日、サン・クガットの公演はラジオで生放送されます。

ネットでも聴けるはずですが、日本時間では朝4時から。生ではちょっときついかな(笑)

Catalunya Música, l'emissora de música clàssica del grup d'emissores de Catalunya Ràdio

Un bel dì, vedremo...〜サバデイ日記16

ようやく昼間は20度を超えるようになった、意外と寒いサバデイより、今日も徒然を。

あ、まず、誰か気にしてるか分かりませんが、先日、異国での美容院チャレンジの結果。

バルセロナ!!〜サバデイ日記・番外編 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

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こんな感じになりました!

しかし、これは美容師さんのドライヤーテクニックをもってして出来上がったものでして...現在はなんかギタリスト(男性)みたいな髪型...。うーん、どうしようかな(笑)。

そんな私の頭の中に流れるのは、ベッリーニのオペラ《夢遊病の女》より、”Ah! non credea mirarti”の中のこのフレーズ、

Che un giorno solo...ah, sol duro'...

それは1日しか...ああ、続かなかった...

お題「よく口ずさんでいる曲」


さて、昨晩は私達の《蝶々夫人》、10回公演の折り返し、6回めの公演がManresaのKursaalにて。

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こちらが劇場。

ちらっと早めについたので、サバデイにもある生ハム専門店「IBERICUS」で小腹を満たし。

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イベリコ豚くんのごはん、ドングリ模様が床に!

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舞台の方はいつもの通り大成功。

つくづく、《蝶々夫人》。本当に人気演目なんですねえ...。私は観るなら他のを観たいけど(笑)

帰国したら原作を読んでみようと(今更...)思いますが、なんか、話が分かりやすすぎるのかな?私の好みからすると。

でも演じている分には大好きなんです。

あ、昨日は久しぶり(中4日)だったので少し心配だった「花の二重唱」がとってもよい感じで、嬉しかった〜。

スズキ的にはもちろん「花の二重唱」も盛り上げよう、と集中が増す部分ですが、もう一曲、ここは盛り上げなくては!と、私スズキが密かに張り切っているのが、何を隠そう、アリア「ある晴れた日に」です。

Un bel dì, vedremo...

と、始まる、あれです!スズキは歌いません(笑)

が、実は、あのアリアはスズキの為に歌われているのです!

......私はそう信じています!!


蝶々さんとピンカートンの結婚式から初夜が描かれる1幕。それから3年後の2幕。

ピンカートンはもうとっくにアメリカに帰り、蝶々さんとのことはすっかり過去の思い出なわけですが、蝶々さんは変わらず彼を待ち続けています。

スズキはさすがに彼は帰ってこない可能性もあると思っていて、生活には困っているけど、だからといって蝶々さんがまた芸者になるのは嫌だし、蝶々さんが嫌っているお金持ちのヤマドリとの結婚などもっての他...もう、祈るしかない気持ち。(私の解釈では。たぶん皆さん色々)。

心から彼が戻ると信じている風に振る舞う蝶々さんに、スズキは不安からついつい忠告のような物言いをしてしまったり、ついには泣き出してしまう。

そんなスズキに、より強くて、よりユーモアに溢れる蝶々さんが、スズキを励ますために歌うのが「ある晴れた日に」

もちろん、蝶々さん本人も本当は不安で、自らも励ますために、という解釈が自然ですが。

スズキ、という相手がいるからこそ、ちょっとウィットに富んだ言葉も交えながら自分の信念を語るのだと思うのです。

蝶々夫人》のストーリーは単純すぎて好みではないのですが、「ある晴れた日に」の歌詞(他にも何箇所かの歌詞は)とても好きです。

たぶん、原作がいいんでしょう(笑)。

せっかくなので訳してみました。

蝶々さんがスズキに語りかけているイメージで読んでくださいませ。



ある晴れた日に、私たちは見るでしょう......水平線のずっと向こうに一筋の煙が上がるのを
そして、船が現れる

その白い船は港に入って礼砲を鳴らすの

見える?来たのよ!

でも私はお迎えには行かない、行かないの

あそこの、丘の端に立って待つわ

ずうっと待つの

待つのはもう平気だから......どんな長い時間でも


そして街の人混みからひとりの男性が、小さな点みたいに出てきて、丘に向かってくる

誰?誰かしら?

ここにみえたら、何を言う?何を言うかしら?

......呼ぶのよ、「蝶々さん」て、遠くから

でも私は、応えずに隠れているでしょう

ちょっとふざけてだけど…でも、ちょっと...

もしもいきなり彼に会ったら、死んじゃいそうだから


そしたら彼は少し心を痛めて呼ぶの

呼ぶでしょう、私を......美女桜の香りがする小さな奥さん、って、出会った時につけてくれた呼び名で


これが全部これから起こることだって、お前に約束するわ

お前は心配でもしてなさい

私は、絶対に信じて、彼を待つから


私の蝶々さん、ミキさんは、本当に語りかけるように歌ってくださいますので(女中っぽさが染み付いてる。笑)、自然に心のままに受けて演技できるのですが、実は2箇所ほど、心の中では違う反応をしながら、これはやっちゃだめだろうなー、と我慢して違う演技をしているところがあります!!

ひとつは前半、

待つのはもう平気だから......どんな長い時間でも

イタリア語だと、

e non mi pesa...la lunga attesa

って部分。

「3年も彼を待ち続けている蝶々さんを痛ましげに見つめる」または「辛くなって目を反らす」、ていうのが舞台でやっている反応なんですが、頭の中では、

「蝶々さん、ナイス自虐!!」

「確かに待つの得意だもんね〜!!よっ!お家芸!!」

みたいなツッコミが渦巻いています......。

そしてもうひとつは、音楽的にもインパクトがある、

もしもいきなり彼に会ったら、死んじゃいそうだから

イタリア語だと、

per non morire al primo incontro

ってとこです。

ここはとりあえず今回は「morire(死ぬ)という言葉に反応して驚いて立ち上がる」という段取りに(笑)なっているのでそうしていますが、実は、

「あー、それ、あるよねー......」

と、スズキ母ちゃんは、めっちゃ女子っぽく(笑)、自らの甘酸っぱい記憶を呼び覚ましているのでした。

死ぬ、は大げさですが、大好きな相手が目の前に現れるか、現れないか、あちらからも見えたか見えないか、みたいな瞬間に、何故か背中を向けたり、隠れてしまいたくなるような気持ち。

そんな、すっかり遠く忘れかけていた青春の記憶を「ある晴れた日に」の歌詞、そしてミキさんの、毎回初めて聴くような初々しい歌が思い出させてくれるんですねえ......。

一回やってみようかな、

「あ、それ!わかるわかるー!!」

て、演技(笑)。

そのあと、どうやって始末つけたらいいか分かんないけど。

勇気ある演出家の方がいらっしゃったら、ぜひ、ツッコミ系スズキ、やらせてください(笑)。


さて、あと4回!!明日はバルセロナ空港の近く、Viladecansでの公演です。

Atrium Viladecans on Twitter: "Divendres 6 de maig a #Viladecans nit pels amants de l'òpera amb Madama Butterfly, el clàssic de Puccini https://t.co/AOi3uIFUB0"