やっぱりあっという間に終わっちまいました。
思い起こせば第一弾も...
今回は前半テーマが「変身」ということもあり、着替えで大忙しだった為に写真を撮る暇も無く。
今唯一様子をお伝えできる写真がこちら。

後半のオペラ《ウェルテル》ハイライトを終えた後、右から、ストーカー詩人ウェルテル、テノールの所谷直生さん。二人の男性に愛される果報者...?シャルロット、メゾソプラノの私。シャルロットの婚約者→夫の「いい人」アルベール、バリトン押川浩士さん。
シャルロットの妹ソフィー、ソプラノの山口佳子さんはこの瞬間向こうの方でファンに取り囲まれており、奪還不能。
「イケメン」ピアニスト、仲田淳也さんもしかり。
この三人写真、なんか見たことある気がしたら、これですね。
いしだ壱成さん主演、劇団東京イボンヌ《俺の兄貴はブラームス》2日目!藤原歌劇団から出演の3人。押川浩士さん、所谷直生さんと。 pic.twitter.com/XcGXksooDU
— yayoi toriki (@yayoitoriki) 2015, 6月 4
そのうち舞台写真がいただけたら、また改めて楽しかった舞台の様子を思い出して書きたいと思っていますが。
プログラムはこんなでした。

前半はもうね、やりたい放題。
企画、構成の押川さんが怪人、パパゲーノ、猫+α、と(あれ?人間役が無い)、人一倍歌いながら、更に司会的な立場で進めてくれたのですが、常にお客様方の心身の状態を気遣っていました。
まさか、曲がりなりにもクラシックのコンサートでこんな目に(笑)合わされるとは誰も思わない満点大笑い。
幸い、ひとりの脱落者もなく!会場全体で盛り上がりました〜〜。
(と、思ったら我が息子だけは途中からぐっすり夢の中だったらしい......)。
そして後半は、こちらのブログでも何度も思い入れ深くご紹介させていただきました、マスネ作曲《ウェルテル》を大真面目に。
ハイライトですが、決して名曲アルバムにならず、ストーリーを味わっていただけるようにみんなで(主に押川さんが)試行錯誤して作り上げた約一時間の舞台。
原作《若きウェルテルの悩み》の書簡形式を取り入れた演出でした。
どうしてもツギハギになる音楽を、ピアノの仲田さんがスタイリッシュなセンス溢れる演奏で繋ぎ、私たち歌手は簡素な舞台道具でもドラマを感じてもらえるように歌い、演じる。
照明も重要な役割を担いました。
個々の能力とチームの信頼関係(と、押川さんが作って袖に置いてくれたわかりやすい進行表)がよく働き、手前味噌ながら、魅力的な舞台だったのではないかと思います。
前日には他の劇場で《ドン・カルロ》のタイトルロールを演じていた(すごすぎ!)所谷直生さんとは、実際お互いに意外と文学好きの共通点があったりして、なかなかのウェルテル&シャルロットだったんじゃないかと勝手に思ってます。
(私たちが好きなのはオシアンの詩集じゃなくて三国志ですけどね!)
所谷さんの情熱的な粘りと繊細さを併せ持った声と音楽性は、ウェルテルにぴったりです。
押川さんのアルベールも、「ウェルテルの引き立て役」というあるべき姿!?に全く留まらない、充分インパクトのある深い人間性を表現していて素晴らしかった!
ただ。
あ、これはオペラの台本作家に言うべきことなんですが(笑)
「僕との結婚を後悔してないかい?」
と問うアルベールに、シャルロットが、
「正しい精神と素晴らしい魂を持つ人がいつもそばにいて、女は後悔するものでしょうか?」
と、答えるのですが、これに対するアルベールの反応が、
(感動して)
「ああ!なんて甘い(優しい)言葉だ!僕は幸せだ!」
って......。暗に、
「生真面目な夫、つまりあなたがいつもそばを離れないのでちょい息苦しいです」
と言われているのが分からない、そんなアホでいいんですか?アルベールは。
やっぱりただの引き立て役が本来の姿なのかなあ......。
押川さんには役不足(本当の意味の方の)だった?
そして、重苦しい三角関係にいっときの清涼感を与える可愛いソフィーを演じた山口佳子ちゃん。
爽やかにエスプリが効いていてとっても素敵だった〜。
全曲で見てみたい役かも。
佳子ちゃんが前半に歌った《ティレジアスの乳房》も全曲見てみたいなあ。先日ラトリエの時も良かったけど、今回は更に本気の遊び度?遊びの本気度?がヒートアップしていて最高でした!!
そして、こんなこだわり最上級で(主に押川さんが)組み立てたパズルのような演奏会にゴーを出してくれ、見守ってくれたブリーズノートさんと、舞台の成功に多大なお力を尽くして下さったスタッフさんたちに感謝の念が絶えません。
そして、お客様たちにも!
ぜひぜひ、第三弾!!

なーんて話もしながら、楽しく打ち上げました!