mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

三越伊勢丹プレミアムチャーターシリーズ 海の上のオペラ 「カルメン」帰港!!

不安だらけだった船旅。

9月の愉しみ。海の上のカルメン。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

忘れ物はまあ、当然あったんですが、幸い借りれるものでして。

(沙羅ちゃん、ありがとう!!!)

 

船酔いの方は、酔う酔う、ヨウヨウ、下手なラッパー並みに繰り返した割には、3日間の船上生活、むしろ絶好調で申し訳ないくらいでした(笑)

 

しかも、私達舞台関係者はもちろんクルーズのお客様に対してスタッフ側ではあるのですが、ご厚意で、お客様と同じように美味しいものを食べさせていただき、船旅を楽しませていただいて。  

お題「ちょっとした贅沢」

乗船した瞬間からインチキセレブ写真を撮りまくり(笑)


1日目の夜はガラコンサート、そして、2日目の夜がオペラ「カルメン」の公演でした。

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すんごく狭いとこぎゅうぎゅうな割にうまく撮れた終演後の集合写真ですが、いかんせん私の頭上の物がデカイ!後ろの皆様ごめんー!!!

 

公演は、お客様が満席と言えども300に満たない数、と思えないほどの大きな反応をいただき、とーーっても盛り上がりました。

にっぽん丸、チャータークルーズという、なんともラグジュアリーな場での「カルメン」。

しかも、お客様にはオペラ初体験の方も多いと聞いて。

しかも、出演者はやたら体育会系というか、戦闘民族系?というか、濃ゆいメンバーが揃い、動き的にも音量的にも狭めの舞台に収まりきるかすら危うく。

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これはリハーサルの時の写真。上の写真、手前に写ってるのがもう客席ですから...近い!

下の写真、エスカミーリョ須藤慎吾さんの登場シーンの喧騒は、本当にこの人数でやってんの??ていう迫力でしたし。

まあ、須藤さんひとりでもすでにたいへんなスペクタクルなんですが...。

ばっちりフォーマルな装いのお客様たちの、こんなに間近で、誘惑だの喧嘩だの、刃傷沙汰、あれやこれや...。

もしかしたら1875年、パリでの「カルメン」初演時のように「ハレンチな!」「なんて乱暴な!」「不愉快だわ!」という反応があったりして...なんて心配もしましたが...。

幸い、受け入れていただけました。

懐深いお客様方に感謝!!

(前夜のコンサートでみんな良い子?なところを見せて信頼を得ていたのも良かったのかも!!)

一緒に舞台に立つ各役、合唱の全員まで本当に信頼できる歌手の皆様で、オーケストラとマエストロも素晴らしく、演技的にも音楽的にも、非常にのびのびとカルメンを演じることができました。舞台を作ってくれたスタッフの方々も含めて皆様に感謝です。

何しろ海の上ですから、万が一足りないものがあったとしても、誰かが倒れても、とにかくなんとかするしかない、とか、色々制限がある中、精一杯良い舞台を作り上げたという、全員野球的な(笑)清々しさも感じました。

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指揮の田邉賀一さん(私の後ろ)、演出の馬場紀雄さん(そのまた後ろ)と、夕陽(そのまた後ろ。笑)と。

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こちらは終演後、楽屋でキャッチできたミカエラ小林沙羅さん、ホセ藤田卓也さん、とくるくる撮った写真!

藤田さんの熱演に燃えさせられ、沙羅ちゃんの可愛らしさに萌えさせられ(笑)、クリアで迷いがない演技、表現が素晴らしいプリマ、プリモのお二人とは、一緒に舞台に立ちながらも「おーっ」と思わせられること多々でした。

 

思い返せばたったの2泊3日の間に、コンサートとオペラを、リハーサルも含めて公演したわけなので、まあまあ忙しかったのですが、一緒に旅する仲間やお客様との、日常とは違う空間での交流や、海の景色、風、全てが新鮮で楽しく、とってもたくさんの刺激を受けました。

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ここは特にお気に入りだった場所!

(10年以上前にやったロッシーニランスへの旅」の舞台セットを思い出した...)。

左上の写真で一緒に写っている、(手前から)フラスキータ山崎浩美さん、メルセデス細見涼子さんはじめ藤原歌劇団女性陣も、普段もとってもオシャレなんですが船上ではまた特に華やかで!そのへんも楽しかったな!

 

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これは一夜め、コンサート後の記念撮影。

またまた驚くほど超素敵な、この「海の上のオペラ」企画者のお姉様(顔だして良いか分からないので写真載せるのは我慢)の気合いが感じられる、この飾り付けの前も、人気撮影ポイントでした。

私たちも翌日のカルメン衣装よりこの場に相応しいドレス姿だったのでこの日に撮影!

小林さん、山崎さん、細見さんと私、女性4人の色バランスが良かったことに妙に満悦しつつ(笑)。

こちらもパリッと決まってる男性陣は、上から、カルメンではエロいやらしい(同じか)上官スニガを演じた安東玄人さん、お隣が一見爽やかな?ナンパ男モラレスを演じた大石洋史さん、後列に大事な盗賊仲間レメンダード琉子健太郎さんと、親分ダンカイロの江原実さん。

フラスキータ・メルセデス姉さんたちも含め、オペラでしか共演したことがない皆様で、アリアや歌曲などなど、他のレパートリーで美声や流石の芸達者ぶりを堪能できたのも嬉しかったです!

 

とにかく舞台も船上生活もこんなに楽しめたのは恐れまくっていた船酔いがなかったことが一番の幸運で。

でも2日間の公演が終わった後はそれまで酔わないために守っていた「常に腹三分」を破り、一杯400キロカロリーのショコリキサーをいただき......。

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やっぱり少し吐き気に襲われました...。

 

そして実は、本日は下船して4日目になるのですが、下船病、いわゆる陸酔いがいまだ治らず......。

もしそのへんでなんだかフラフラ歩いてる私をお見かけになってもご心配なく。

 

とはいえ、次の本番が来週火曜日、10月10日に迫っております。

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出身校、勤務校である武蔵野音大の新校舎の新しいホール、更に豪華メンバー大集合でずいぶん早くから激しいチケット争奪戦が繰り広げられていた公演です。

私はちょっぴり久々に大好きなマスネ「ウェルテル」シャルロットのアリア、手紙の歌と、最近よく歌ってる気がするベッリーニ「ノルマ」の二重唱を同級生ソプラノ砂川涼子さんと、2曲を歌います。

 

フラフラ、早く治るといいなあ...。 

 

 

あ!あと、私ではなく息子出演なんですが、こちらも今月、大注目のプロダクション。

プッチーニ/歌劇『トスカ』《新演出》 東京芸術劇場

本日稽古にマネージャーとしてついて行きましたが、いやー、すんごい驚いたことは、私がトスカ知らなさすぎ、てこと。

何回か見たり聴いたりしたと思ってたんですが、勘違いだったのかなあ?

ほぼ、全く初めて聴く曲でした(笑)

公演が楽しみです!!