前にも書いたような気がしますが、私が座右の銘の一つが、「ぼのぼの」のヒグマの大将が言った、
「考えることをふたつだけにすりゃあ
やるべきことはすぐ決まるってもんだぜ」
という言葉。
座右の銘とはいえ、人生にこれを当てはめられるほど潔い生き方はしておらず、あくまでも仕事上で「3つ以上の本番のことはなるべく考えない!でも2つは考えられるはず!!」という風に考えて、活用しております。
もちろん場合によっては3つ以上のことも考えねばならないこともありますが...。
ここのところ、その「2つずつ!」とは言え、まあまあ頭の中がいっぱいいっぱいな状態が長く続いていたようでした。
春からプライベートでも生活形態が少し変わったのもあったり、新しいレパートリーや、新しい試み、本当にしっかりやりたい、という大切なコンサートやオペラが多くて(いや、大切でない本番があるわけではないのですが...。結局仕事量、特に新たな暗譜量の問題かなあ...)、今、そこを抜けてみると、日常生活も、本番も、もちろんすごーーーく楽しんではいたのだけど、やはりストレスもあったような気もして。
先日、いきつけのオステオパシー治療院で、頭部の施術をしてもらっている時に、寝てるんだか寝てないんだか、みたいな状態で、まさに走馬灯のごとく、去年の秋くらいからの出来事が次々に脳内に浮かんでは消え。
ああ、あれも、これも、決して(たいして?笑)悪い意味ではないけどなんだかストレスがかかっていたんだなあ、と気付いたり。
あと逆に、すんごい無理もして頑張ってたつもりだけど、全くストレスじゃなかったんだな、と気付いたものもあったり(笑)
今は、全部忘れた!て訳ではないと思いますが、頭の中がデフラグされたようなすっきり感。
そんな、個人的ひとくぎり、のラストを飾ったのが、8月1日にあった「おおいたプレミアム・ガラ・コンサート」と、その後、8月3日に伺わせていただいた大分支援学校での「平和コンサート」でした。
昨年夏と同じく、フィレンツェ在住のバリトン渡邊弘樹さんにお誘いいただき、なんとびっくり、ロベルト・フロンターリ氏を囲んでのオペラ・ガラ。
おおいたプレミアム・ガラ・コンサート、終演。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog
フロンターリさんとの共演も去年に引き続きだったので、少し慣れたといえば慣れましたが、実際、いやこれ、おかしいだろ、という、まさにプレミアム。
大分のあとは、ウィーンで、そのあとMET言うてましたよ(笑)
こちらは、リハーサル中のフロンターリさんと渡邊さん。彼らが兄弟のように仲良し、というご縁でこんな夢の共演が叶っているわけです。
ピアノは小埜寺美樹さん。
美樹さんも含め、こちらも昨年からの引き続き、ソプラノ髙橋絵理さん、テノール寺田宗永さん、と、私。
大分入りしてからほぼ毎食同じものを食べ続けました(笑)
別に同じ店に入ったから、て、同じものを食べなくて良いのに、何故か。仲良すぎ...。
この写真では私が昨年食べそびれて心残りだった「りゅうきゅう」などを。
トンテキ定食も美味しくて、二日連続で食べてしまった...。
あ。このままグルメレポートに走りそうなので、話をコンサートに。
フロンターリフィガロ、てらっち伯爵とのセビリア3重唱で始まり、なんとなんと、オールアンサンブルのプログラム。
えりちゃん&てらっちのツンデレDuettoあり、ロベルト&弘樹さんの早口競争あり...。
今年は更に大分ゆかりの歌手の方々4名が参加され、またまた賑やか。
西谷英恵さん、甲斐圭菜さん、佐保佑弥さん、新見準平さんと共に、私は大好きなカルメン5重唱なども歌わせていただきました。
そのカルメン、先に書いたセビリアのロジーナ、リゴレットのマッダレーナ、そしてウェルテルのシャルロット、という慣れたレパートリーの中、ひとつ、チャレンジだったのが、マクベスの、レディ・マクベス!
せっかくの共演だし、フロンターリ氏の得意のレパートリーを聴かせつつ、私たちの良いところも、と考えていただいたプログラムと聞いて、そんならまあ、みたいな気持ちで。
でも、イタリアで勉強しているときには意外と何度も信頼する先生たちから勧められていた役で。それがなければ拒否していたかもしれないんですが(笑)。
それでも最終的にはご一緒するロベルトさんに少々遠慮気味に「歌えるかなあ?」みたいに聞いちゃったんですが「僕が一番良いと思ったレディもメゾソプラノだったし、声も見た目も気迫も合ってるよ」と答えてもらい、オフィシャルにほっとしまして。
あとはピアニストの美樹ちゃんから「レディは汚い声の方が良い」と聞いたのも良かった!(笑)!ありがとう、美樹ちゃん!!
そう言ってもらえて、一気にのびのび、歌いやすくなりました。
去年もそうでしたが、とにかく、自分が歌うのも嬉しいし、リハーサルや、本番中袖からでも、いい声が、いい音楽が聴けるのが本当に嬉しいコンサートでした。
フロンターリ氏はとにかく凄いし、弘樹さんのロベルトさんに一歩も引けを取らない立派な舞台姿?!と声、その他諸々の素晴らしさも相変わらずで。
絵理ちゃん、てらっちの声も音楽性もいつもながら美しくて、美樹ちゃんがピアノソロで引いたタイスとマノン・レスコーも最高でした。
フロンターリ氏ご家族などなど、皆様との打ち上げも楽しく。
なんと、このあとはみんなでカラオケスナックに...!よい想い出になりました!!!
そして、翌々日は朝早くから、弘樹さん、絵理ちゃん、てらっち、美樹ちゃん、そして、弘樹さんの美しき妻、みえこさんと共に、大分支援学校へ。
私たちのコンサートの前に、支援学校の先生による平和の授業もあり、「平和ってなんだと思う?」という先生の問いに対して、小学校低学年のひとりの女の子が言った「みんなが仲良くすること」という答えにやたら感激してしまい、涙が出そうになったり...。
でも「じゃあ、みんなが仲良くしたら、何ができると思う?」という問いにはうっかり「子供ができる」と呟いてしまったり...。
「みんなで歌を歌うこともできるよ!」という、素晴らしい、コンサートへの繋ぎだったのに...(笑)
ともかく、みんなで楽しく歌って、最後まで気持ちの良い、充実しまくりの大分滞在でした。
夏休み!(歌うけど)〜大分より〜 - mezzosoprano 鳥木弥生blog
来年も帰れますように......。
さてさて、次の本番は、ベートーヴェン「荘厳ミサ」。
8/26、富山県民会館にて。
まだまだ先だと思っていたらば、来週末にはもう!!!
夏休みの最後に、皆様ぜひ、お越しくださいませ。