mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

遠くと、近く。

突然ですが。

人生はシーソーだ!!

...と、仮に、言い切ってみます。

バランスが取れている状態を楽しんだり、ギッタンバッタンを楽しんだり。

どちらにしても、偏ってしまったら止まったきり。シーソーに乗ってる意味が無い。

しかし、バランスがとれている状態が決して安定している状態ではなく、むしろ反対側に乗っかってるものを捨てて、偏ってしまった方が楽だったりもする......。

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いやいや、母ちゃん、彼は捨てませんよ!(笑)

これはサバデイで住んでいたアパートの近所の公園。

到着。〜サバデイ日記1 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

アデウ、サバデイ!〜サバデイ日記20 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

(20話?もあって、我ながらびっくり!)

一応バルセロナの一部とはいえ、あまりみんなが行く場所ではない、サバデイ。今いる東京の西の方の街からしてみたら、かなり遠い場所。飛行機や電車を乗り継いでかわるがわる、わざわざ来てくれた小川里美さん他、数名の友人たち、そして家族には「あははは、なんでこんなとこにいるの?」と、言いたくなり......いやいや、大感謝でした!(笑)

友、まあまあ遠方より来たる。〜サバデイ日記17 - mezzosoprano 鳥木弥生blog


そんな地の果てから(嘘です)帰ってきて。


昨日は、ママ友たちと最寄駅で待ち合わせ、私の居住地からほど近い、東大和市へ、多摩ジュニア・ミュージカルの子供達も出演する《オズの魔法使い》を観に。

日時をきいて行くことだけはかなり前から決めていたのだけど、しっかりチラシも見ておらず。電車の中で眺めてみたら。

多摩ジュニア・ミュージカルのメイン講師、押川浩士さん。うん。確か私よりは1、2歳若いかもしれないけど、お兄さん、ね(笑)

そして、私の目を釘付けにしたのはもうひとりの「ヒロシ」さん。

案山子役が、テノールの持木弘さん!!

同じ藤原歌劇団所属で何度か共演もさせていただきましたが、年代も違うし、今は田舎暮らしで普段は農業もされているというミステリアスな存在で、ある意味レアキャラ?(笑)

いい声すぎて、演技の間が良すぎて、力が抜けすぎてて、意外とおしゃれでハンサムで(笑)、とにかく私としては、目を丸く、または♡型にして見つめ続けてしまう存在。

昨日はそれすらも通り過ぎて、案山子姿で登場した表情を見たとたん、可笑しいのと嬉しいので涙ぐんでしまい、歌い出したらもう、号泣!

私、疲れてるのか?...とも思いましたが(笑)。

しかし、隣にいたママ友も泣くほど笑ってたし、出演したTJMの子供やそのママもやっぱり案山子さんファンだったそうなので、私だけがおかしいわけでは無いのです。

そんな、案山子さんだけでも価値ある公演だったのですが、他のキャストの方々も芸達者で、役のイメージぴったりで、そして何より曲と脚本がなんとも良くて!

すごーーーく楽しめました。

我らが「歌のお兄さん役」のおっしーも、実はタイトルロールでもあり、大活躍。

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「オズの魔法使い」オズとは!?|oshikawahiroshiのブログ

(おっしーブログもぜひ。戦慄の演出のお話)。


さて、公演後もマイホームマイライフ(笑)。

まずは近所のシダックスでカラオケ打ち上げを(私は仕事してないけど)、仲良し音楽一家と。

私が歌ったのはもちろん「案山子」(さだまさし)!!

そして夜は、私がずっと続けたいなあ、と思っている、他とはひと味もふた味も違うオペラコンサートシリーズ《街にオペラがやってくる》(あるいは人呼んで《成城オペラ》)次回作の打ち合わせ。

「街にオペラがやってくる!Vol.1」あっという間に終演。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

振り返り。「街オペvol.2」etc. - mezzosoprano 鳥木弥生blog

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ブリーズノート壷井さん、ソプラノ山口佳子さん、オズの魔法使いさんこと、おっしーも再び合流。

コンサートがやってくる! - 出前コンサートのブリーズノート

場所は私のホーム、西国分寺。高知、長崎から直送のお魚が食べれる居酒屋まるひで

美味しくてペロペロ食べたので写真はありません!

締めで食べた、まるひでから徒歩30秒のダンダダン酒場の餃子写真なら!

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はて、肝心の打ち合わせ内容は...(笑)

第1弾カルメン、第2弾ウェルテル、と、大好きなフランスオペラを歌わせていただき、第3弾は更に私好み、私ならでは?の、マニアックなフランスオペラを歌わせていただくかも、かも......。

実は第4弾以降、その他、このメンバーでやりたいコンサート?出し物?もう、なんと言ったらいいのか分からないエンターテイメントのアイディアも続々と湧き出し、何から始めていいか、冷静に考えねばならないようです!!


夜も更け、みんなを見送り、気は置けないけど刺激はくれる、そんな人々がそばにいるのは非常にラッキーだなあ、と、しみじみ、いい気分で、自宅まで約10分。

1日近所で幸せに過ごして、ほろ酔いであっと言う間に帰宅。最高の気分でした。

近所を満喫し、まだ時差ぼけはすこーし残ってるけど、ようやくシーソーのバランスがとれてきた感じ。

またしばらくしたら、遠くに行きたくなったりするんだろうけど。

地に足をつけたり、地を蹴って弾んだり、フワフワしたり......そんな人生を、なるべく人様に迷惑をかけずに(急にハードルが高くなる。笑)!送りたいなあ、と思う、母ちゃんでした。


遅れてきた新学期。

6月になりました。

梅雨の始まりと高尾山ビアガーデンのオープン、どちらが先か、というのが最大の関心事でしたが(笑)、残念ながら梅雨が先のようです...。屋上BBQもしばらくおあずけかな。雨も、雨音も好きだけど。


さて、帰国して一週間と少し経ちましたが、まだ時差ぼけのようです。現在時刻、午前3時。12時前に寝たんですが、体はちょうどシエスタ(昼寝)から目を覚ましてこれから夕飯、て感じですっきりぱっちりしてますー。

帰国前夜から...久々の日本! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

ヨーロッパと日本を激しく行き来していた頃はどうなっていたんでしょうねえ。ずっとぼけたままだったのかな??

ヴェルディのオペラ《イル・トロヴァトーレ》3幕でアズチェーナ母ちゃんが歌う、

... ed è suo tetto il ciel, sua patria il mondo.

...(ジプシー女にとっては)空が屋根、世界が故郷。

という言葉に非常に共感していた私としては、まさか自分がこんなに長い間ひとところに住むとは思っていませんでしたが...まあ、これからまだ分からないかな?

息子(伯爵から盗んだわけではない、実の。笑)も、どこにいてものびのびして、言葉は通じなくてもお友達を作っていたし。

息子といえば。

3月末から日本を離れた母ちゃん。帰国して初めて息子がランドセルを担いで小学校に行くのを見ました!!

なんと、1人で出掛けて、1人で帰ってくるのです!!!(笑)

去年4月、こんなことを書きましたが...

朝から泣いた話。「Tくんの冒険」 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

RちゃんとこのTくんに比べ、息子の小学校は大人なら徒歩3分くらいの近さなんですけど。

でも、私自身の、めちゃめちゃフラフラしていて、けっこう危ないこともしていた小学校時代の通学を思い出すと、私の子供だけに心配(笑)!

危ないといっても田舎なので、ツクシを摘むのに夢中になって川沿いにどこまでも行っちゃったり、学校の裏山にある池を見たくて通学路を外れて山で迷ったり、とか、そういうやつです。

お題「通学路の思い出」

そんなわけで、帰国して初登校の日。その日も雨でした。母ちゃんはしらーっと、息子と一緒に家を出てみて、後をつけようか、見送ろうか迷っていました。

すると、

「ママは小学校まだ行ったことないもんね!見たかったから来ました、て先生に言えばいいよ!一緒に行こう!」

と、息子。可愛いもんです。しばらくは並んで傘をさして通学路を歩きました。

しかし、お隣のあーくん(2年生)が後ろから歩いて来ているのを知ると急に小声で、

「ママ、どこまで来るの?」

と、態度が急変!!がーーん!!!

お友達にはママと歩いているところは見られたくないんですね...。

「ママは図書館に用事があるから、ついでにたまたま、途中まで一緒に行くだけだよ」

と、後ろのあーくんにも聞こえるように言ってあげて、次の角でバイバイしました。

我が子の大きくなった姿がほかの子供達のランドセルの波に埋もれていくのを感慨深く見届け、帰宅。


ひとりで帰ってきたときもまたひとしきり感動して(笑)。今のところあんまり寄り道はせず、急いで帰ってきている模様。

最近は学校の入り口にカードリーダーがありまして、何時に学校に入り、何時に出たか、親にもメールが来るんですよ。

スペインにいるときも来てました(笑)。

便利な世の中です。


さてさて、「学校」。2ヶ月近く休んだ勤務校にも復帰。

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こんなに美しい新緑の新学期。

真ん中あたり、小川も流れています。

もちろん江古田新校舎、たいへん楽しみですけどね!!

江古田新キャンパスプロジェクト | 武蔵野音楽大学

可愛い生徒たちもみんな元気で、少しずつ大人になっていて、頼もしいかぎり!

すっかり季節外れだけど、新歓コンパしなきゃ。


そして、もうひとつ、私には可愛い子供たちがいる場所があります。


今日はこれから、多摩ジュニア・ミュージカルの子供たちも参加する「オズの魔法使い」を観に行くのです〜!!

オズの魔法使い も大詰め|多摩ジュニア・ミュージカル

スペインにいるときも、ハーメルンの笛吹きバリトン(あまりにも子供を惹きつけすぎる彼への称号です)、おっしーこと、押川浩士さんのブログを見ながら、みんな頑張ってるなあ〜〜、と、励まされていました。

舞台、楽しみだなあ!


雨も上がったみたい。

ちなみに現在時刻朝9時過ぎ。

時差ぼけ母ちゃんは5時から8時まで、3時間の二度寝に成功しましたー。

体内時間は......もう考えるのやめよう!!

帰国前夜から...久々の日本!

帰国して数日が経ちました。

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サバデイから来た龍と、我が家のくまモンの出会い(笑)。

(この玄関マット、しばらく使ってなかったような気がするんだけど、勝手に出てきた??...)

今朝ようやく、起きたときに「ここはどこだ?」って思わなかったかな。まだ身体は「今は何時だ?」と、常に聞いてきますが...。

今日は約3ヶ月ぶりに大学へ出校。無事社会復帰への一歩を踏み出しました。可愛い生徒たちも皆元気で、一緒にお土産のMIKADO(イタリアではお馴染みですが、スペインでは見なかった。ヨーロッパの他の国ではどうなんだろう??)を食べつつ、

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(事実上のポッキーです)。

お互い、色々報告会。楽しい時間を過ごしました。

息子も今朝、約3週間ぶりに登校。

いつからか、夢占い的な気持ちで?ついつい出てきた鼻歌をメモしておりますが。

お題「よく口ずさんでいる曲」

オペラかシャンソンが半分くらいと、あとはアニメソングだったり、歌謡曲とか、とりとめない感じ。

スペインに行く前、日本では何を歌っていたのか、メモはしてなかったけど、息子が意外な歌を急に一緒に歌い出したりするので、それは私がよく歌う曲なんだろうなあ、と思ったり。


さて、今回のほぼ2ヶ月に渡る旅、結局のところ再会の旅だった、と書きましたが。

旅の終わり。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

帰国前日、ギリギリ最後に再会できたのが、この方でした〜。

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ソプラノの髙橋絵理さん。

今年の2月に《カルメン》で共演した秋田美人。

秋田アトリオン、山田和樹マエストロ×仙台フィル×藤原歌劇団《カルメン》終演! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

私の可愛いミカエラだと思っていたら、私が知ってる幾人もの同僚歌手たちの可愛い後輩らしく、えー?!って思った、この気持ちは......嫉妬??(笑)

先日フィレンツェで12年ぶりくらいに再会したバリトンのヒロさんとも同門の先輩、後輩だそうで。

嫉妬心はさておき(笑)、このご縁でもしかしたら彼らと一緒に歌える機会があるかも、ということで(スケジュール調整中)、叶えば嬉しいな。

絵理さんはボローニャに現在留学中で、

会いたいね

会いたいね

と、遠距離恋愛カップルのようにメッセージを送り合っていたところ、最後の最後にチャンスが!!

その日は久々に、当分思い出したくないくらいの過酷な旅をして(主に精神的に...)、翌日朝に帰国を控え、全く荷造りができていないことを思えば、急いでフィレンツェに帰るべきだったのですが、もう逆に、毒を食らわば皿まで、的な宿命を感じて、ボローニャに到着するけっこう直前に、

今日、会ってほしい...

と、連絡して、会ってもらえました!

ショーペロ(ストライキ)のせいで会えた。

運命だね

Destinoだね

Famme fataleだね

って。意味不明なやりとりをしながら、無事ボローニャ駅で待ち合わせて再会を果たし。

毒(を食らわば皿まで)どころか、美味しいラグー(ミートソース)の食べれるお店まで予約してくれた絵理さん。

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ラグーと絵理♡

ランブルスコとお肉のハーモニーがまた...。

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coniglio(ウサギ)のシチューが最高に美味しくて!

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ふいに、絵理さんが「でも、ウサギって可愛く見えてすごく性欲強いんですよね!」とおっしゃったので、私はなんだか切なくなりました......。


さて、その後私は、夜中1時にフィレンツェに着き、前の朝に目覚めてから24時間を過ぎてもまだ終わらない荷造りに励み......。

やはりちょっと旅情を誘うレパートリーで...

♪もしもあなたが遠くへ行ってしまったら〜〜

♪また 会う 日まで〜〜

♪ああ〜〜 世界のどこかに〜〜

♪は〜〜はは 来まし〜い〜〜た〜〜

♪だれか リ〜ルを〜 知ら〜な〜い〜か〜〜


無事、翌朝フィレンツェを発ち、またまた懐かしのパリを経由して、日本へ!!

まだまだ時差ぼけの日々は続いておりますが...。

大学の生徒たち以外にも手ぐすね引いて私のお土産話を待っている方々が......。

もちろん顔を見て、杯を酌み交わす喜びは実際に会わないと味わえないのですが、お土産話は全部ブログに書いてあるので......飲みながら朗読でもしようかな(笑)。

旅の終わり。

お題「好きな乗り物」

今回は見るだけかなあ、と思っていたイタリアの赤いあいつ、イタロに乗る機会が滞在最終日におとずれました!

チケットを手にし、イタリアらしくギリギリに表示された出発番線に向かう私の速い足取りは、まるで賭けに勝ってタイタニックの乗船チケットを手にしたレオナルド・ディ・カプリオ!?

(こう思った時点で実は不吉な予感がしていたのかもしれない......)

白々しく検札が設けられた10番線ホームに入ると、丁寧にどこに何号車が来るか表示してあるモニター。やるなー。

ちなみに、今では普通の?ホームにもモニターがあったり、案内も幾分丁寧になりましたが、少し前までは、小さい駅だと表示は皆無。大きい駅でも、A、B、C、などの看板がぽつぽつとあり、プリマクラッセ(一等車)はAのあたりに来ますよ、などのお知らせがあるのみでした。発着番線変更のアナウンスなどもギリギリで、大きい荷物などがあるときは、乗り逃し必至でした。酷いよね(笑)。

が、現在も。

やるなーと思ったのもつかの間。私がホームに入ってくる赤いあいつを携帯カメラで狙っていると。

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ホームのあちこちから乗客たちが民族大移動。

何かな?と思ったら。

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表示と、実際の号車の並びが真逆(笑)。

いや、これはこれで。やるなー。さすがイタリア!


さてさて、今回の約二か月に渡る旅も、ついに終わりを迎えようとしております。


上手く行くまであまりおおっぴらにはしませんでしたが、これがなかなかトリッキーな旅で...。

というのも、私のカタルーニャでの全公演が終わる日の翌日に夫がイタリアで働き始めなくてはならず...。

前提として、我が家は息子を、ペンギン夫婦よろしく、交代で世話しています(ペンギンはオスの方がより過酷だとか...)。

もちろん親類や友人の助けを求めることが多々ありますが、私が帰国、夫が出国で両親とも機上の人な状態で息子を人にあずける...というのはなんとなく、もし私があずかる立場だとしたら不安かな?というのと、まあ、この機会に息子を生後5ヶ月以来のヨーロッパへ連れて行っちゃおう!というので...。

私の公演が終わる頃に息子と夫がカタルーニャ入り。全員でイタリアへ移動。今度は私が息子と、宿泊先も提供してくれた友人の助けを得つつ、夫の仕事が終わるのを待ち、全員同時に帰国、ということに。


私に関する何かにたいして「すごいね」とか「変わってるね」とか言われると、自信を持って「いいえ、私は普通です!!」と答える私ですが、子育てに関してならば、多少はアクロバティックなことを認めるかも......??


まあ、生後5ヶ月でパリに連れて行ったときとは違い、きっと息子にもたくさんの印象を与えた旅になったのではないでしょうか。

特に、トスカーナの丘陵、緑は、見ると「天才に近づく」魔法の景色!!?

「天才の印」〜 トスカーナ、すべての道はヴィンチ村に通ずる!? - mezzosoprano 鳥木弥生blog

動物が大好きな息子。

犬しか見ていなかったかもしれませんが......。


さてさて、意気揚々と朝6時半に家を出て、イタロで始まった今日の旅は、というと......旅の本来の目的の方はなかなか良い感じで。

しかし、久々にイタリアのショーペロ(ストライキ)に翻弄された長い1日でした。

予約してあった帰りのイタロには乗れずじまいで、最終的に翌日1時過ぎに帰宅。


この2ヶ月の旅。

終わってみれば「再会」がテーマでした。

とはいえ、まだまだ会えていない旧友が大勢。

パリにもきっと近いうちに戻らねば...。

もちろん日本での様々な責務を果たした後で(笑)。いつになるかな?

この旅を思い出してまた綴りたいけど、そんなことも無いまま、早送りのように、あっと言う間に年末くらいになる気もする。

とりあえず......あと6時間足らずで出発なので、荷造りします!!

あーー、帰ってこれて良かった!!!

日本の皆様との「再会」も楽しみに。


こちらのコンサートも、ぜひお誘い合わせの上お越しくださいませ。


これは個人的な話ですが、数日前、ずっと闘病中だった熊本の叔父が亡くなりました。

お通夜の時に母が連絡をくれ、テレビ電話で皆の顔を見ることができました。

......もう笑ってたよー。

私は「熊本に元気を」なんて偉そうなことは思いません。彼らは元気なので。

「何かしたい」と思うのは私の勝手。

その機会を与えていただいたことに感謝して、いつもより更に魂をこめて歌いたいと思います。

旅の悦び。

サバデイを離れ、フィレンツェでお世話になっているのは、息子さんが8歳の時から20年間フィレンツェで子育てをしている(もう子育てじゃないけど)ママの大先輩のおうち。

アデウ、サバデイ!〜サバデイ日記20 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

最後にサバデイで洗濯する時間が無かった着物グッズをこちらで洗わせていただいたわけですが。

こちらでは、こんな感じに洗濯物を干します。

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イタリアには良くある、エレベーター無しの5階。高いところは嫌いではない私ですが、腰が引けつつの洗濯物干しでした。

そして、大分慣れてきたと思った頃、事件は起きたのです。

なんとなく気持ちに余裕のできた私は、靴下などの小さなものをいくつか左手に、洗濯バサミいくつかを右手に持ち、それらを手から繰り出すように干していましたところ...。

まあ、ご想像の通り...洗濯物が落下。

しかも、パンツ!!!

一階のお宅の、庭に出る階段の上に、ハラリと落ちました...。

慌てて友人に報告したところ...。

このパラッツォ(建物)のルールでは、落下した洗濯物は階段の手すりにポンと置かれ!例えば一階の人がまずそれを一階の手すりに置き、二階の人はそれを見て自分のものでなければ二階の手すりまで運んでそこに置き、次に三階の人も違えば三階の手すりにまで運び...という風に、持ち主の元に戻るまで、数々の人の手を経て晒され続けるとのこと!!!

......ええ、無事にね、帰ってきましたけどね......。もしそのルールだとしても、もし日本人ならさすがにパンツは袋に入れるくらいはしそうなんですけどね......そんなこともなく......。

その話をフィレンツェに留学中の後輩と会った時にしましたら、「たいへん!旅行中にパンツ一個減ると不便ですよね!」という感想でした。パンツは多めに持つ派だし、いざとなれば旅先でパンツを買うことも厭わないから、そこは大丈夫だよ......。



そんな事件があったから逃げてきたわけではないのですが、私は今、カーニバルで有名なViareggioにおります。

ヴィアレッジョ - Wikipedia

10年くらい前にカーニバルを見にきた以来かなあ。

今回はカーニバルでも、夏のバカンスの時期でもないので、街は非常に穏やか。

で、偶然入ったレストランが、ここに来るために日本から飛んできても良いレベルで美味しくていきなり食べ過ぎ。

「美味しいもの」は旅の醍醐味のひとつですねえ〜。

でも私の旅の悦びランキングでいうと、「食」は5位くらいかなあ。

順不同で「食」以上のものはというと...まずは。

風景、街の歴史

人、出会い

今回の旅、大筋ではサバデイとフィレンツェという、すでによく知っている場所に滞在しましたが、ちょこちょこと小旅行もあり、初めて訪れた場所もいくつか。

基本的には出不精で、知っている場所に落ち着いているのが好きなんですが、海の向こうや山の向こうに素敵な風景や、会いたい人がいて、ふと出会いに行くのはとても幸せなことだなあ、と、このふた月近くの間にしみじみ感じました。

今回行った場所で1番テンション上がったのは、「ハンニバルが象で越えた峠」かなあ!!

まじかー!?あれかー?!!

ってなりました(笑)。

「人」との出会いには甲乙つけがたい、色んな悦びがありましたが、ここで語るに相応しいのは彼女でしょう。

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(なぜこの日は二人してすっぴんなんだろう)

(私の腕は自撮り棒)

(昔この場所で野外コンサートのリハーサルをしていたら横を乙武さんが女性と通って行ったなあ、なんてことを思い出しつつ...)

バルセロナで待ち合わせして、サバデイで一緒に過ごし、一足先にイタリア入りしたと思ったら、空港サプライズまでしかけてくれた小川里美様。どんな風景の中でも美しい里美ちゃん。旅を彩ってくれて、本当にありがとう〜。


昨日また一足先にご帰国されましたが、まさか私の帰国日に羽田には来ないよね。たしかその日はリサイタルだと言っていたけど、騙してないよね?(笑)


さて、その他、私の「食」以外の旅の悦び。

旅支度

てのもあります。

まあ、買い物ですね(笑)。

旅を言い訳に、欲しいものを買うわけです。

ひとつご紹介しますと、今回、雨でも遠慮せず履ける靴を日本から持ってこず、小旅行先が雨の予報だわ〜、という言い訳で買ったのが、このスニーカー。

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今週のお題「わたしの一足」

サバデイでまず、1番濡らしてはいけなかったお気に入りの一足をぐしょぐしょにしてしまい、雨靴を探したのだけど全然見つからず、結局そこそこ水に強そうで、万が一ぐしょぐしょになっても落ち込まない値段のものを購入。気に入ってます。


そして、私の旅の悦び、意外とこれが1番なんじゃないか?と思うのは、これ。

無くなりかけのものを旅先に持って行って捨てる

私も!て方、いるかな??

こんな感じで失敗もありますが(笑)。

無くなりかけ、でなくても、あと少し使えばいらなくなりそうなものとか。

旅行で行きより帰りに荷物が減る、という事実が非常に気持ち良いのです!

もし「なくしかけの恋」とかもあれば、自宅付近とかではなく、ぜひ旅先で捨てたいものです(笑)。


さてさて、そんな、旅の途上の今日、5月20日。私が9月11日に出演するベッリーニ作曲のオペラ《カプレーティ家とモンテッキ家》のチケットの発売が開始されました!!

藤原歌劇団公演「カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi」2016年9月10日、11日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

こちらはまだ仮チラシで。

帰国したら男役風の写真でも撮り直そうかと思っていましたが、本チラシにも、間に合わないかなあ〜。

まあ、ギャップを楽しんでいただけるようにしよう!!

アデウ、サバデイ!〜サバデイ日記20

いつの頃からか、「じゃあ、バイバイ!」というのがあまり悲しくなくなりました。
 
限られた時間で思い切りやりたいことをやるのが上手になったのもあるし。

または、「じゃあ、バイバイ!」も言えずにお別れになってしまう方がどんなに悲しいかを知ったからかも。

今私はフィレンツェにおりまして、最後のサバデイ日記を書こうとしておりますが...。


なんとなく、思い出してみたいので。
8年前の私がどんな気持ちでサバデイを後にして、パリに戻ったのか...?

うーん、やっぱり寂しいという気持ちはあまり無かったような。

当時、1番身体を大事にしなければいけない妊娠初期だった私は、色んな方(少し前に出産されたママ歌手の先輩とか、たまたまパリのアパートで知り合った日本人助産師さんとか)に相談しながら、今回と同じカタルーニャロードを含む長い公演を乗り切ったわけですが...。

パリに帰り着き、たしかお迎えに来てくれていたのが、1番心配してくれて、無茶をしていると怒ってくれたりしてくれた友人。
私の母と同じく熊本出身の、メゾソプラノ(ちなみに、のちにソプラノ。笑)仲間でもあるエミコさん。
少し歳下なのに、丁寧に「さん」づけをしてしまうのも熊本風(笑)。
彼女といると、私も自然に熊本弁のイントネーションになり、よく笑いあいました。
パリで一緒に産婦人科に行って初めて一緒にお腹の息子の顔を4Dで見たのも彼女と。
血液検査も一緒に行き、血を見たくなくて外に出ようとするエミコさんに、女医さんが「あなたもパパになるんだから血が怖いとか言ってちゃだめよ!」と、完全にレズカップルに見られたのも笑い話。
ちなみにエミコさんは私より女らしいので、もしパパになるなら私の方かと思います(笑)


当時の「サバデイ後」の話が長くなりましたが...。
昨日フィレンツェに着いてすでに色んなことがあり、記憶から消え去りそうになっているサバデイでの千秋楽の話を一応!?

千秋楽、サバデイから北に位置するVicの劇場は、最期を飾るに相応しい金色の劇場でした!!

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そして、衣装さんやメイクさんもすでに頭の中はバカンスなんじゃないか?という、リラックスモード。

メイク室でもゴローのルイス師匠が下ネタ炸裂でヘアのジゼッラを苦笑させ...。

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私は分かんないふりでやり過ごそうとしてるのに近くで言えば分かると言わんばかりに耳元まで話しにくるので、ちょっとイラっとしましたけど(笑)。

とにかく、みんなのびのび。
蝶々さんのみきさんと私、あと数人には「最後まで気を抜かずにやろう」という共通意識が見えるんですが、大方のスペイン人たちはもう、お祭り気分(笑)
舞台裏は写真撮影の嵐!!
まあでも、私もカメラを向けられれば......(笑)
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舞台袖から舞台を撮影してる合唱団の人までいたみたいです。
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終演後ももちろん、舞台上で集合写真!
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出演者のお祭り気分につられてか、客席もまた一段と、大袈裟なくらいの盛り上がりでした。
スタンディングオヴェーションはまあ、どこでもありましたが、今回はロックコンサートでもやってるのか、てほどの立ち上がりで(笑)

10回公演......。
みんな様々な思いがあるようでしたが、これだけやってようやく見えることもあるし、また帰国したら改めて色々思い出してみたくなるかも。
その時はこちらでまた「サバデイ日記、想い出編」にお付き合いください。


さてさて、私はこれから、懐かしいフィレンツェの街に繰り出します〜!!
「サバデイ日記」に引き続き、「フィレンツェ日記」が書けるかな?
満喫しすぎて書く暇がないかもしれませんが!!

つぶやきはいっぱいしそうなので、良かったらTwitterの方でもお付き合いを!



爽やかサバデイ〜サバデイ日記19

お題「好きな街」

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こちら、サバデイいちロマンチックな?
Carrer de la Rosa(バラの道)

私がこのサバデイ3月31日に到着してから、現地の方も不思議に思うくらい雨も多かったのですが、ここ最近、本当に気持ちのよい日々。

雨も少しは降りますが、暖かくなり、空気もポカポカな中、たまのひんやりが快く...。

さとみちゃんがイタリアから初夏を運んできてくれたようです。

ハモン、ハモン!〜サバデイ日記18 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

ちょっと天気良すぎて?霞んでますが、あと、私のお腹出てますが(笑)、爽やかサバデイ、市庁舎広場前で撮った写真を。

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さとみちゃん滞在2日目は、朝からサバデイの中心街をブラブラ。サバブラ。

(あ、でも銀ブラのブラはブラブラのブラじゃないんですってね)。

一月半、ひとりで見尽くしたサバデイ繁華街をさとみちゃんと歩いてショッピングできて、めっちゃ楽しかった〜〜。

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illy cafeに、illy cafeがメインスポンサーだったミラノ万博のバッグを携えてやって来たさとみちゃん。

お昼は、おなじみKOTEへ。何でも美味しいのですが、特に焼きそばに関しては世界一美味しいんじゃないかって気がしてます。f:id:toriki841:20160516004844j:image

可愛いメニューの真ん中に、製麺機の説明も。

こだわりのそばに、地元産食材を合わせた「きのこ焼きそば」と「サバデイ焼きそば」が最高!

サバデイへお越しの際は是が非でもお召し上がりを!!


さてさて、ようやく公演の方、と、いきたいところですが。

それが...まだなんですよ!!

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こちらがその修道院。

あと、なんか知らないけどポーズを指定されたのでまたお腹出てる写真(笑)。

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ちなみにこの、ちょっと不良っぽい?ジャンパーはその朝、さとみちゃんも気に入ってくれたサバデイの「ストラディバリウス」という高そうで安いお店で購入しました。

このジャンパーに濃いオペラメイクをするとさらに不良っぽく......

やはりポーズは指定(笑)。

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(私とさとみちゃんの間のこの壁ドンネタ、もうかなり古いんですけどね。あと引いてます。笑)

こちらは、サンクガットの劇場、舞台の前室。

そして、前々から頼んであったさとみちゃんの分のチケットを「あ、忘れてたわ!とっくに売り切れだから見つからないわよ」と我らが女ボスに言われるというどっきりハプニングもありつつ...。危うく舞台袖観戦になるところでしたが、なんとかチケット見つけてもらいましたよ...全くもう...!!

その夜はラジオの生中継もあり、最初は少し「置きにいってる」みたいな歌の方もいたかもしれませんが、タイトルロールのみきさんはみきさんだし(笑)、観客の熱気もあり、結局いつも通り太陽の国らしい「情熱の舞台」になりました。

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さとみちゃんに、わざわざこんな田舎まで来ていただいた価値があったか...いや、もちろん、たっぷりあるのは分かっているんですが、良い公演だったと言ってもらえて安心しました。

ラジオは生中継でしたが、こちらからしばらく聴けるようです。ぜひ!

"Madama Butterfly", amb els Amics de l'Òpera de Sabadell

そうそう、公演前に街で買ったワインをさとみちゃんが私の楽屋に置いていったもんですから...。

こんなんでしたよ...。

切なかった〜〜(笑)。

そして、ようやく!

だいぶ頭の中ぐるんぐるんになりながら、自分の理性を試すためにツイートしていたような気がします。しかし、すでにヤバイ感じ(笑)

こんなの書いた覚えありませんねえ...。

でも、いったんベッドにひっくり返ったあと、オムレツを食べにもう一度テーブルに戻ったのは覚えています。

結局翌日、さとみちゃんに、

理性どころか知性も失ってたよ

と言われちゃったわけですけど......。

知性も失ってる、て、どういう状態だったんですか???

とりあえずまたイタリアで会ってくれるみたいなので、嫌われてはないみたいです!!

とにかく、油断してるとうっかり幸せになってしまう日々が続きまして......。

人は幸せすぎると理性と知性をなくしてしまうのかもしれない?

今夜は幸せになっちゃう前に、そのことについてしばらく考えてみようと思います。

そして、その後は明日、さとみちゃんとトスカーナで何を飲んで幸せになるかを考えます!!