mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

ハモン、ハモン!〜サバデイ日記18


ハモンはスペイン語でハム、の意味。

ハモンハモン、というペネロペ・クルスのデビュー作、ロマンチック&セクシーコメディ映画もありますが。

ハモンハモン 無修正版 [DVD]

ハモンハモン 無修正版 [DVD]

観たことない、て4Fioriリーダーのあっちゃんに言ったら「観なさい」って言われました。

帰国したら観るよ!

(新潟の子供達、あっちゃんの歌が聴けて良かったね〜!)

さてさて、私たちの《蝶々夫人》の舞台もついにpenultimo。

日本語に良い翻訳語が欲しいなあ、と思う単語のひとつがこのpenultimo(ぺヌルティモ=最後から二番目の)なんですが、まあ、それは良いとして。

日本から、いや、イタリアから?小川里美さまが観に来てくださったのです〜。

(ハモン目当ての噂もある?!笑)

サンクガット公演の前日にバルセロナで待ち合わせをして。

https://www.instagram.com/p/BFVzzU_OTgV/

Instagram

f:id:toriki841:20160514183940j:image

友、まあまあ遠方より来たる。〜サバデイ日記17 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

良かったなあ〜、エル・ナシオナル!

こちらを教えてくれた私の蝶々さん、みきさんにも感謝。

こんな女優鏡コーナーもありますので、訪れる方がいらっしゃったらぜひ奥までしっかり見てください!

f:id:toriki841:20160514185225j:image


そして、サバデイ入りして魚介からは一転、いよいよハモン!

右から100gの値段が9、15、16、25ユーロ。

私がだいたい買うのは1番食べやすいと勧められていたの15ユーロので、たまに19ユーロくらいのを買っていたのですが、色々ためしてみよう、ということで、四種類。

9ユーロのものも充分美味しくて、初めて買った16ユーロのがとろける脂と甘みと旨味たっぷりでヒットでした。

そこのお店の最高級品、100gで25ユーロ(腿まるまる買うと10万円くらい)のものは、歯ごたえも舌ごたえもぎっちりがっちり。イタリアではよく生ハムをグリッシーニに巻きつけて食べるのですが、ハモン・イベリコは弾力がありすぎて巻きつきませんよっ!!


さて、ハモンの話ばかりで、公演の話に行き着かないので「サバデイ日記、さとみちゃんが来たよ!編」は、後半に続きます(笑)。

前半の今回は最後に、ハモン以外にも食べたものを。

この貝の名前が「ナバハ」。ナイフ、という意味。確かに細くて切れ味良さそう?!

オペラカルメン3幕で、カルメンをめぐってドン・ホセとエスカミーリョが対決するときに、「アクーデナバーハ!」とホセがナイフでの決闘を指定するのでおなじみですね〜〜。

ちなみに、私は1プロダクションで1回はエスカミーリョがホセに「アクーデナバーハ?」と聞き返すのに合わせて舞台袖で「ハクーナマタータ」と呟きます(笑)

なんて、オペラ歌手らしいエピソードを語りつつ?.....後半に続く!!


友、まあまあ遠方より来たる。〜サバデイ日記17

ちょっとお久しぶりになりました、サバデイ日記。

Un bel dì, vedremo...〜サバデイ日記16 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

蝶々夫人》は6日にバルセロナの空港近くのヴィラデカンス、8日には、ローマ時代の遺跡群が世界遺産に登録されているタラゴナで公演がありました。

タラゴナはうっすら歴史の授業で聴いた地名なきもします(笑)。

またはこれで読んだだけか......??


素敵な街でした。

でも私が一番好きな遺跡はやっぱりフィエーゾレかなあ。

スペインの帰りにフィレンツェに寄ったら必ず行くぞ!

お題「好きな街」

舞台の方は、また新たにひと皮むけた感じ。

「そろそろなんか違うことやりたくなってきちゃうよね〜」なんて、私の蝶々さんもおっしゃって......。

8公演め、タラゴナではやり始めた違うこともしっくりと、良い流れのドラマが生まれたのを感じました。

毎回ご臨席の我らが女ボス、ミルナさんも特別ご満悦でした。

観客も非常に盛り上がり、カーテンコールがなかなか終わらず......。帰るのが遅くなるー!!と困りつつも、嬉しく。

タラゴナはぜひ街も見たいと思ったので早めに街に入ったのですが、その前にこんな寄り道もしまして......。

他になーんもないところにポツン?ドカン?と彼が立つ姿、シュールでした〜。

ちなみに、マジンガーZの次のセカンド・ラブがタイガーマスク、そのあと、サードかフォースが「美味しんぼ」の山岡さんです。天才少年ドギー・ハウザーとどっちが先かなあー。


さてさて、明日、サバデイから少しバルセロナ中心地よりのサン・クガットでの公演を控えた...。

Madama Butterfly: ENTRADES EXHAURIDES - Òpera - Espectacles - Programació - Teatre-Auditori Sant Cugat | Programació Espectacles: Teatre, Música, Òpera, Dansa, Familiar, Màgia, Sarsuela... Entrades

そんな今日。

バルセロナに現れましたるはこの方〜。

f:id:toriki841:20160512205520j:image

f:id:toriki841:20160512201252j:image

一緒に来たかったエル・ナシオナルにさっそく
来れた〜〜!!

なんか、世界中どこで会っても普通だね(笑)


あ、明日、サン・クガットの公演はラジオで生放送されます。

ネットでも聴けるはずですが、日本時間では朝4時から。生ではちょっときついかな(笑)

Catalunya Música, l'emissora de música clàssica del grup d'emissores de Catalunya Ràdio

Un bel dì, vedremo...〜サバデイ日記16

ようやく昼間は20度を超えるようになった、意外と寒いサバデイより、今日も徒然を。

あ、まず、誰か気にしてるか分かりませんが、先日、異国での美容院チャレンジの結果。

バルセロナ!!〜サバデイ日記・番外編 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

f:id:toriki841:20160505171728j:image

こんな感じになりました!

しかし、これは美容師さんのドライヤーテクニックをもってして出来上がったものでして...現在はなんかギタリスト(男性)みたいな髪型...。うーん、どうしようかな(笑)。

そんな私の頭の中に流れるのは、ベッリーニのオペラ《夢遊病の女》より、”Ah! non credea mirarti”の中のこのフレーズ、

Che un giorno solo...ah, sol duro'...

それは1日しか...ああ、続かなかった...

お題「よく口ずさんでいる曲」


さて、昨晩は私達の《蝶々夫人》、10回公演の折り返し、6回めの公演がManresaのKursaalにて。

f:id:toriki841:20160505174357j:image

こちらが劇場。

ちらっと早めについたので、サバデイにもある生ハム専門店「IBERICUS」で小腹を満たし。

f:id:toriki841:20160505174526j:image

イベリコ豚くんのごはん、ドングリ模様が床に!

f:id:toriki841:20160505174532j:image


舞台の方はいつもの通り大成功。

つくづく、《蝶々夫人》。本当に人気演目なんですねえ...。私は観るなら他のを観たいけど(笑)

帰国したら原作を読んでみようと(今更...)思いますが、なんか、話が分かりやすすぎるのかな?私の好みからすると。

でも演じている分には大好きなんです。

あ、昨日は久しぶり(中4日)だったので少し心配だった「花の二重唱」がとってもよい感じで、嬉しかった〜。

スズキ的にはもちろん「花の二重唱」も盛り上げよう、と集中が増す部分ですが、もう一曲、ここは盛り上げなくては!と、私スズキが密かに張り切っているのが、何を隠そう、アリア「ある晴れた日に」です。

Un bel dì, vedremo...

と、始まる、あれです!スズキは歌いません(笑)

が、実は、あのアリアはスズキの為に歌われているのです!

......私はそう信じています!!


蝶々さんとピンカートンの結婚式から初夜が描かれる1幕。それから3年後の2幕。

ピンカートンはもうとっくにアメリカに帰り、蝶々さんとのことはすっかり過去の思い出なわけですが、蝶々さんは変わらず彼を待ち続けています。

スズキはさすがに彼は帰ってこない可能性もあると思っていて、生活には困っているけど、だからといって蝶々さんがまた芸者になるのは嫌だし、蝶々さんが嫌っているお金持ちのヤマドリとの結婚などもっての他...もう、祈るしかない気持ち。(私の解釈では。たぶん皆さん色々)。

心から彼が戻ると信じている風に振る舞う蝶々さんに、スズキは不安からついつい忠告のような物言いをしてしまったり、ついには泣き出してしまう。

そんなスズキに、より強くて、よりユーモアに溢れる蝶々さんが、スズキを励ますために歌うのが「ある晴れた日に」

もちろん、蝶々さん本人も本当は不安で、自らも励ますために、という解釈が自然ですが。

スズキ、という相手がいるからこそ、ちょっとウィットに富んだ言葉も交えながら自分の信念を語るのだと思うのです。

蝶々夫人》のストーリーは単純すぎて好みではないのですが、「ある晴れた日に」の歌詞(他にも何箇所かの歌詞は)とても好きです。

たぶん、原作がいいんでしょう(笑)。

せっかくなので訳してみました。

蝶々さんがスズキに語りかけているイメージで読んでくださいませ。



ある晴れた日に、私たちは見るでしょう......水平線のずっと向こうに一筋の煙が上がるのを
そして、船が現れる

その白い船は港に入って礼砲を鳴らすの

見える?来たのよ!

でも私はお迎えには行かない、行かないの

あそこの、丘の端に立って待つわ

ずうっと待つの

待つのはもう平気だから......どんな長い時間でも


そして街の人混みからひとりの男性が、小さな点みたいに出てきて、丘に向かってくる

誰?誰かしら?

ここにみえたら、何を言う?何を言うかしら?

......呼ぶのよ、「蝶々さん」て、遠くから

でも私は、応えずに隠れているでしょう

ちょっとふざけてだけど…でも、ちょっと...

もしもいきなり彼に会ったら、死んじゃいそうだから


そしたら彼は少し心を痛めて呼ぶの

呼ぶでしょう、私を......美女桜の香りがする小さな奥さん、って、出会った時につけてくれた呼び名で


これが全部これから起こることだって、お前に約束するわ

お前は心配でもしてなさい

私は、絶対に信じて、彼を待つから


私の蝶々さん、ミキさんは、本当に語りかけるように歌ってくださいますので(女中っぽさが染み付いてる。笑)、自然に心のままに受けて演技できるのですが、実は2箇所ほど、心の中では違う反応をしながら、これはやっちゃだめだろうなー、と我慢して違う演技をしているところがあります!!

ひとつは前半、

待つのはもう平気だから......どんな長い時間でも

イタリア語だと、

e non mi pesa...la lunga attesa

って部分。

「3年も彼を待ち続けている蝶々さんを痛ましげに見つめる」または「辛くなって目を反らす」、ていうのが舞台でやっている反応なんですが、頭の中では、

「蝶々さん、ナイス自虐!!」

「確かに待つの得意だもんね〜!!よっ!お家芸!!」

みたいなツッコミが渦巻いています......。

そしてもうひとつは、音楽的にもインパクトがある、

もしもいきなり彼に会ったら、死んじゃいそうだから

イタリア語だと、

per non morire al primo incontro

ってとこです。

ここはとりあえず今回は「morire(死ぬ)という言葉に反応して驚いて立ち上がる」という段取りに(笑)なっているのでそうしていますが、実は、

「あー、それ、あるよねー......」

と、スズキ母ちゃんは、めっちゃ女子っぽく(笑)、自らの甘酸っぱい記憶を呼び覚ましているのでした。

死ぬ、は大げさですが、大好きな相手が目の前に現れるか、現れないか、あちらからも見えたか見えないか、みたいな瞬間に、何故か背中を向けたり、隠れてしまいたくなるような気持ち。

そんな、すっかり遠く忘れかけていた青春の記憶を「ある晴れた日に」の歌詞、そしてミキさんの、毎回初めて聴くような初々しい歌が思い出させてくれるんですねえ......。

一回やってみようかな、

「あ、それ!わかるわかるー!!」

て、演技(笑)。

そのあと、どうやって始末つけたらいいか分かんないけど。

勇気ある演出家の方がいらっしゃったら、ぜひ、ツッコミ系スズキ、やらせてください(笑)。


さて、あと4回!!明日はバルセロナ空港の近く、Viladecansでの公演です。

Atrium Viladecans on Twitter: "Divendres 6 de maig a #Viladecans nit pels amants de l'òpera amb Madama Butterfly, el clàssic de Puccini https://t.co/AOi3uIFUB0"



バルセロナ!!〜サバデイ日記・番外編

サバデイの街にもすっかり慣れ、今日は日本食やさんKOTEの奥様に紹介していただいた美容院に来ております。

《蝶々夫人》3日目終演!(サバデイにある日本)〜サバデイ日記13 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

慣れたとはいえ、残念ながらまだスペイン語もカタルーニャ語も話せない私。気合いで意思疎通!どうなることやら?(笑)

私があんまりメチャクチャ言語で話しかけると、とても良い人そうな美容師さんの気を使った笑顔がだんだんいたたまれない感じになるので......ちょっとお話は休憩して、今日は何度か遊びに行ったバルセロナ(サバデイから電車で40分)の思い出でも...。

f:id:toriki841:20160503180218j:image

こちら、港からオリンピック村に向かって海岸沿いに歩いた時の写真。右上の旗?看板?のせいでなんだかCDジャケットっぽく見えますが(笑)、近代的な建物と海岸がこんなに近くて面白い!なんかこの距離からだと、ん?ここ浅草?みたいな金色の物体も!

港では、港町七尾で生まれた、自称「七尾の裕次郎」の娘としてこんなアホ写真も撮りました。

f:id:toriki841:20160503180848j:image

もちろん道行く人にはジロジロ見られました。


先日、テレビの歌番組っぽいので、懐かしい♪ばーるせろおなーーっ!♪という曲が流れていました。その部分しか分かりませんでしたが。

バルセロナオリンピックって...

バルセロナオリンピック - Wikipedia

1992年か!

柔ちゃんが目指してたやつですね。


当時のオリンピック村は、今では各国料理の小さなレストランがズラリと並ぶ広場。

私たちは少し高い位置から海が見渡せるレストランでパエリアを食べました!

f:id:toriki841:20160503181213j:image

柔ちゃんも食べたかなあ(笑)。

しかし、実はパエリアはバレンシアの名物らしいですね。バレンシア出身の我らがシャープレスくんがなんか威張ってました。

で、これはバルセロナ名物なの?と思っていた、

f:id:toriki841:20160503191119j:image

嬉しそうすぎる(笑)。

でも、チョコラテとチュロスも、なんだかスペイン全土で食べるみたいだし。

いったいバルセロナ名物は何ですか?

いや、私がここで聞くのも変か...。美容師さんに...ニコ。いや、困らすのは止そう。

ともかく、私が嬉しいのは魚が美味しいことかな。(まあ、それもイタリアで新鮮で美味しい魚がミラノに集まるのと同じでマドリードの方が美味しい、という噂も聞きましたが)。

まだ、見ただけなんですが、ぜひ行ってみたいレストランがこちら。

バルセロナエル・ナシオナルの中にあるレストラン、La Llotja!ラ・リョ、リョッジャ、ジェ...。

La Llotja | El Nacional Barcelona

あれ?この間歌った劇場と同じ名前だ。

劇場迷子。想いで迷子。〜サバデイ日記15 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

エル・ナシオナルの中ではまだお茶しただけで。

f:id:toriki841:20160503183908j:image

何軒ものカフェ、バー、レストランがもと駐車場のだだっ広い建物の中に。

フードコート、というにはあまりにもオシャレですが、まあ、そういうことですね。

f:id:toriki841:20160503190505j:image

f:id:toriki841:20160503183904j:image

今度は魚食べるぞ!

f:id:toriki841:20160503190936j:image

他にもバルセロナでまた戻りたい場所といえば!ズバリ!!

f:id:toriki841:20160503191521j:image
f:id:toriki841:20160503191942j:image
定番中の定番。やはり美しい〜。写真では伝えきれない!!
f:id:toriki841:20160503191551j:image
f:id:toriki841:20160503192053j:image

こちら、文字マニアな私には堪らない扉。
f:id:toriki841:20160503191655j:image
うちにもこういうの欲しい!(笑)
あと欲しいのは懺悔室!!クリスチャンでは無いので入ったことないのですが...心安まりそうだなあ......。

前に来た時は内部がまだかなり作業中で外側ばかり見たし、この間は1時間弱しかなかったので...またゆっくり行かねば!

あとは、こちらも本場、ではないのですが、趣味に生きるメゾソプラノ母ちゃんとしては外せなかったのがこれ。

充分盛り上がって楽しかったのですが、フラメンコ仲間と来たらまたますます楽しめたりしそうだなあー!なんて思いながら。
みんな、どうですか??

でもそれなら南の、本当の本場にも行かなきゃね〜。

さてさて、私の髪はどうなって......ん?なんだか予想よりかなり茶髪にされてるような予感がするんだけどー。
まあ、いいけどね(笑)。

出だしはこんな感じでした。
さて、どんな仕上がりになりますか......。







劇場迷子。想いで迷子。〜サバデイ日記15

 

 

蝶々夫人》公演、5回目めを無事、素敵な川の流れるリェイダの街にて終了!

2幕と3幕の合間に、私の蝶々さんがため息混じりに言いました。

まだ5回め?もう10年やってるみたい...

確かに。一晩につき舞台では3年経ってますので、10年どころか15年やってますよ!

そんな13〜15年めの会場、リェイダのLlotja劇場。また発音が難しいのですが(笑)、確かリョッジェ。ジェ、とジャ、との間くらい。

前回のレウス、フォルなんとか劇場とはうって変わってモダンな大劇場!

カタルーニャロードの始まりと、これから。〜サバデイ日記14 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

こちら外観ですが、大きすぎてかなり遠くからでないと全貌は撮れないので、一側面のみ。

f:id:toriki841:20160501221222j:image

だだっ広いホワイエ、長い廊下、なぜかピンクに染められた入り口。

f:id:toriki841:20160501221224j:image

客席、舞台はこんな感じで、キャパは1000くらい。

f:id:toriki841:20160501221230j:image

舞台裏から楽屋がまた遠くて...。

f:id:toriki841:20160501221245j:image

からしばらく歩くと「楽屋あちら」の案内。向こうに見える扉を開けると...

f:id:toriki841:20160501221320j:image

階段。

f:id:toriki841:20160501221343j:image

上みたいです。登ります。

f:id:toriki841:20160501221442j:image

また扉。開けると...

f:id:toriki841:20160501221500j:image

また扉。

なんだか、昔はまったミストというゲームを思い出してきました。

 

 

 

MYST for Windows<Me対応版>

MYST for Windows<me対応版></me対応版>

 

 

 

扉を開けると長い廊下。

f:id:toriki841:20160501221702j:image

矢印が2つ...こっちか?

f:id:toriki841:20160501221748j:image

正解!無事到着!!

この道筋を本番中は着物で何往復かしたわけです。

さらにこんなことも。

開演前に10分くらいトイレで叫んでいたそうですが、幸い舞台への出そびれなどはなく。

あのシーンで、もしボンゾが出て来なかったら??と想像してミキ蝶々さんと後から散々笑いました〜。

怪優歌手のミキさんがそれをどうやって乗り越えるか、ちょっと見たかった気もします(笑)。

 

さて、5回めの公演は大きい会場ながら客席とのコミュニケーションをよく感じられ、またいっそう盛り上がりました。よりドラマチックだった、良かった、と、5回とも観ているサバデイの劇場支配人の夫君にも言っていただけたので安心して告白すると.......私はなんだか、歌いながら、演じながら、色んなことが頭の中に渦巻く日でした。

集中していないわけではなく、むしろいつもより色々タイミングがバッチリだったり、本当に涙が流れたりもしたんですが、そんな自分や周りを冷静に見て、感じながら、何故か面白いこと(カツラが取れるとか)を想像してしまったり、思い出したり(稽古中の変な間違いとか)...。

そんな諸々な雑念を思い浮かべている自分が、いつも通り演じている自分を少し離れてみているような感覚になって、ひとつ気が付いたことがありました。

 

私のスズキにはモデルがいる!

それは、他の歌手のスズキなどではなく(実はプッチーニ好きじゃないし、あんまり蝶々夫人観たことない)、スズキっぽい女優さん?などでもなく。

 

彼女の名前はマリアンナさん

はい。日本人ですらありません(笑)。

彼女は私の師匠、オブラスツォワの従姉妹で、師匠が来日する際にはほぼ毎回一緒に来て、身の回りのお世話などをする方でした。

料理上手で優しくて、頭が良く(確か職業は会計士と数学の先生)、もの静かでキリッとして、でもどこか抜けていて、感じが良く。

彼女がどこかの国にオブラスツォワについて行って、オペラの稽古を堪能しすぎて劇場に一晩置き去りにされた話は、ボリショイ劇場で同じく置き去りにされそうになった私としては親近感湧きまくりでした。

背がすごく高く、まあ、ロシア人にしては普通なのかもしれませんが、180センチくらいかな。

よく一緒に江古田の家(実際は武蔵野音大宿舎)や、サンクトペテルブルクの家でクロスワードをして遊んだりしました。私はオペラ関係か神話系か、日本関係しか役に立ちませんが、意外とたまに(笑)あって。

オブラスツォワは、「マリアンナはつまんない!すぐメソメソするし、恋の話もできない!」(ずっと独身で恋人もなく、そのへんはミステリアスなマリアンナさん)、なーんて言ってましたが。でも2人は仲良しで。

たまに他の人と一緒に来日するとイライラが多くなったりもするところ、マリアンナさんだといつも落ち着いているので、私も助かりました(笑)。

 

そんなわけで、なんと!

私の「蝶々夫人×スズキ」のイメージは、「エレナ・オブラスツォワ×マリアンナさん」なのでした!!!

いや、オブラスツォワは絶対に3年も黙って待ってたりしませんけどね。

弟子の私がわざわざ日本から来ているときに、シベリアに恋人に会いに行っちゃったりしてましたからね!

どこまでいくの?て聞いたら「ちかくGiappone, casa tua(日本のあなたの家のちかく)」って。確かに、シベリア、能登半島に近付いてますけど。

常にトンチが効いた、面白い人でした。

それに比べると、まあメソメソとは言わないまでも確かに大人しいし、少し涙もろいマリアンナさんでしたが、逆にオブラスツォワが悲しんでいたりすると、少し離れてしっかりと見守っているような、必要とあらば近寄って手を握るような......。

ボリショイの指揮者だったオブラスツォワの夫(2人は日本の九州で恋に落ちたのです!)の具合が悪くなったとき。亡くなったとき。またその思い出を語るとき......。オブラスツォワの話を隣でうんうん、と聞くマリアンナさんの姿を思い出します。

夫のアルギスさん。

エレナ、その瞬間がいつ来るかは分からないけど、これは死だ。死がここにある

と言って、それから間もなく亡くなったとか。カッコイイ人だったなあ...。

 

あれ?シベリアに恋人に会いに行った話は、彼が亡くなったあとだよね?うん、そうです!かなり後。良かった。びっくりした(笑)。

弥生、恋には距離は関係ないのよ!

って、カッコイイんだか何だか分からないこと言って。しかも誰かに頼んでプライベートジェットで飛んで行った気がするよ...。絶対蝶々さんじゃないねー。

まあ今は天国から、好きな時に好きなところに飛んで行ってるでしょう。

たまには私にも会いに来てるかな?

ていうか、今かな?こんなに思い出してるし。

エレナ!プリヴェート!!

マリアンナさんは元気かな?

f:id:toriki841:20160502062232j:image

たまたま持ってきた手帳に挟まってた古い写真たちの中に、マリアンナさんもいました!一番手前です。これは、浜松の同級生(私の後ろにいるマアコ!)に連れて行ってもらったうなぎやさんだ〜。

美味しかったなあ!懐かしい。うなぎ食べたい(笑)。

 

さてさて、次回の《蝶々夫人》公演、折り返し6回めは5月4日。

マンレーサという街に行きます!

http://www.kursaal.cat/index.php/acts/show/04-05-2016-0900h-madama-butterfly

カタルーニャロードの始まりと、これから。〜サバデイ日記14


今週のお題ゴールデンウィーク2016」

昨年は色々掛け持ちで走り回った(踊り狂った?)ゴールデンウィークでしたが、今年はここ、サバデイでずっとスズキ!

3日間のサバデイ・ファランドゥラ劇場での公演を終え、あとは7回の出張公演。

ロード第一日目はレウスという街のFortuny劇場。(この、Fortunyの読み方が意外と難しくて、何度も習ってようやく分かりましたが、もう忘れました...)。

こじんまりとしているけれど、伝統的な馬蹄形の美しい劇場。

f:id:toriki841:20160428205714j:image

オケピットもこじんまりとしていて、打楽器がバルコニー席にはみ出してます。

f:id:toriki841:20160428205822j:image

あと面白かったのは、緞帳に覗き穴が開いていて...。客席の様子が伺えるようになっていました!

開演前の様子が舞台の上からこんな感じに見えます。

f:id:toriki841:20160428210110j:image

何かと覗き文化のあるスペインの劇場??(笑)

舞台裏!〜サバデイ日記12 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

さて、4回目の公演は旅ムードも手伝い、リラックスモード。

演出家のカルレスがいきなり合唱に混ざって出演していたりして驚かされましたが...。ひとりお休みがいたから、て!引越しの手伝い役、海兵役など、4役をこなしたようです!

Instagram

その他も諸々、面白いこともありましたが(モニターの位置を確認していなくて裏歌前に焦ったり、八百屋舞台に慣れず草履が脱げたり。笑)、無事、レウスの街の皆様にも感動をお届けできました。


サバデイでの公演の新聞、雑誌評なども続々出ており、評判も上々。


そうなんですよー。コンビネーションが最高なんです!(笑)

その他も、もしスペイン語わかる方がいたら読んでみて下さいませ〜。

Entitats en xarxa - Portal Municipal d'Entitats de Girona - Notícies

そんな感じで、嬉しいというよりは驚きと安堵を感じつつ、まだ6回公演があるので、評判を聞いてより期待して来てくださるお客様がいることを思って、しっかり演じなければと思います。


さてさて、どっぷりスペイン、いや、カタルーニャに腰を降ろしているスズキ母ちゃんですが。

日本からも、このようなニュースが!

キャストもいつの間にか全部発表されておりましたが、私的にツボなのは、私とジュリエッタをめぐる恋のライバル、テバルドを演じるテノールの所谷直生さんとの、まさかこの役で??!の共演。

Breeze Note《街にオペラがやってくる!vol.2》終演。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

共演も多く、飲み友達でもあり、うちの息子にもとっても好かれている所谷さんですが、実は私とは考え方が全く相容れない「男はこうあるべき!女はこうあるべき!」という古き良き四国男子(笑)。以前はよく喧嘩しました...。

最近はかなりあちらが我慢してくれているようなんですが、それでも私が男装したり、女の子を可愛がったりしていると(笑)、面白いほどのドン引きを見せてくれるのです!

そんな彼と、私の男らしいところをこれでもかと見せつけるこの《カプレーティ家とモンテッキ家》を!!!

私と意見は合いませんが(笑)、所谷さんは、ちょっとスペインかラテンアメリカ系を思わせる粘りのある色男声で、音楽的にも素晴らしいテノール

ロメオとテバルド、対決のDuettoもあるし、本物の火花が散りそう!?!


さて、今日も《蝶々夫人》の方はお休みなので、ちょっと《カプレーティ家とモンテッキ家》の楽譜でも開こうかな。

明日はLleidaという街のLlotja劇場にお邪魔します。また読み方が難しい......。

Òpera “Madama Butterfly” – Agenda de la Ciutat de Lleida

《蝶々夫人》3日目終演!(サバデイにある日本)〜サバデイ日記13

なんか、こんな気持ちになっていた3公演めでしたが...。

蓋を開けてみれば、これまでで最高の出来だったような。

f:id:toriki841:20160426025934j:image

(こちらはGPの写真)。

歌手たちの声も劇場に馴染んできて良く響くようになって。(実際は歌手の方が劇場の音響に合わせてきてる、てのが正しいんですけど)。

同じ劇場で3回め。きっと毎回観ている人もいらっしゃるのが頭のどこかで気になっていて、毎回どんどん演技を変えたり、より盛り込んだり、何かしてしまうもの...。

しかも昨晩は開演時間が早めで時間に余裕があると思ったせいか??マエストロのテンポも遅めで、盛り込む隙間がありあり(いいのか?!)。

(色々やりすぎて3幕でケイトを発見するのが超ギリギリになって焦ったたのは秘密)。

私は勝手に変えているのですが......どうも演出のカルレスくんも色々マイナーチェンジを指示しているよう。

前回までは改宗したと聞いたとたん他の人と一緒に、なんで?てくらい、めっちゃ怖い顔で蝶々さんを責めながら去って行った蝶々さんのお母さん役の方が、昨日は少し同情を見せながら去って行きました!良かった!(笑)

そして、カーテンコールで貰える薔薇の花にも変化が!!

f:id:toriki841:20160426031140j:image

左が初日のもの。右が3日目のもの。

高くなってる!!!

枝が隣にいたボンゾ・シンホくんの目を突きそうで怖かったです...。

そして終演後は、有志による!日本食打ち上げ〜。

私をすごく褒めてくれた美青年(そういうことは忘れない!笑)の彼氏がオーガナイズしてくれ、サバデイで最近2周年を迎えたという日本食屋さん、KOTEへ。

舞台裏!〜サバデイ日記12 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

kote

美味しいよ、というだけの知識のみでお店に到着。

あ、メニューの日本語がちゃんとしてる!と思いつつ入店。(ヨーロッパでは日本食屋さんといえど大体日本人はおらず、色々怪しいのが相場)。

すると、そこには素晴らしく感じの良い笑顔の日本人のご夫妻が。手には私達の《蝶々夫人》のプログラムを持って!!

なんて素晴らしい偶然...。

ご夫妻はいつもサバデイにいらっしゃるわけではなく、普段お店は娘さんご夫妻が切りもりしているとのこと。

f:id:toriki841:20160426033756j:image

f:id:toriki841:20160426033816j:image

まだサバデイには3週間くらい滞在するし、また来よう!と思いながら帰ったわけですが...。

実は翌日(今日)、またお昼に行ってしまいました!!!

昨晩とは違うものを色々いただきましたが、すべて美味しかった〜。

あ、コテ、とはお好み焼きのコテのことで、こちらではお好み焼き、焼きそばがメインメニュー。メニューはまた滞在中にゆっくりご紹介したいところ...。


f:id:toriki841:20160426034421j:image

マグロとアボカドのタルタルも最高でした!

そして、オーナーご夫妻から、デザートはすべて娘さんの手作りときき、体重が気になりながらも、大好物のフォンダンショコラを!!

こちらではCoulant de chocolateと呼びます。

f:id:toriki841:20160426034740j:image

幸せな休日〜〜!!

さてさて、明日は《蝶々夫人》、レウスという街での公演です!


日本食パワーで、更に深いスズキを演じたいと思います。