mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

アンサンブル金沢「七尾定期」終演!

またまた、新幹線の中からこんにちは!

お題「好きな乗り物」

そうだ、七尾へ行こう! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

昨日オーケストラ・アンサンブル金沢「七尾定期」への出演を終え、帰京中です。

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終演後の一枚。

指揮の垣内悠希さん(右)

テノール、西村悟さん(左)

と。

オーケストラも含め、贅沢な音楽家の皆様に、私の生まれ故郷に来ていただいて、それだけでもうハッピー至極。 

リハーサルから3泊4日の旅でしたが、ものすごく濃厚な日々に感じたのは、プログラムの濃さのせいもあるかな?

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まず前半はベートーヴェン《運命》!

自分が出る舞台がまず「ジャジャジャジャーン」で始まる、ていうのがナカナカ無い経験で(笑)。しかも、我が故郷、七尾の観客のノリの良さが発揮され、一楽章終わりで大拍手!で、またまたびっくり。

でも、拍手が出てしまうのも納得のブラボーな演奏だったのです!

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そして、後半はフランスオペラの名アリア4曲とビゼーカルメン》。

西村さんとはこれまでイタリアオペラでしかご一緒したことがなかったのですが、フランスオペラの代表的なテノールの役、ロメオ、ウェルテル、ホセ、それぞれのキャラクターを瑞々しい知的さと美声で表現されていて、素晴らしかった!

そして、毎回カルメンからのセレクションをコンサートでやるときに始まる議論。

 

「動く?(演技をつけるかどうか)」

 

で、やっぱり今回も動きました。

オペラ歌手はね、好きなんです、結局、やりたいんです(笑)!

普通抜粋だとやるかな?やらないかな?やらないんじゃないかな??というカスタネットの場面も、叩きたがりな私たっての希望で。

 

舞台裏では恒例の?打楽器奏者の方々とのカスタネット談義もあり(笑)。

 

最期は指揮台の前でいつものように?こと切れました...。

いつかまた全編を演技派の西村ホセと共演できる機会があれば嬉しいなあ。

 

そんな私たちを思う存分歌わせて、動かせて(笑)下さった指揮の垣内さんは、初共演とは思えない親しみを感じさせてくれるマエストロでした。

 

リハーサルの時や、唐揚げを食べながら(笑)色々お話しして、僭越ながら?信条的にもとても似通ったものを見つけ(楽理科出身という賢すぎるマエストロなので、知的レベルは全く私とは違いますが...)、ぜひぜひ、またご一緒したいマエストロです。

 

そして、何よりも嬉しかったのはやはり、そんな素晴らしい方々との共演で、私の生まれ故郷、七尾の皆様に音楽を、歌を楽しんでいただけたこと。

コンサートの最後には、会場の皆様と一緒に「ふるさと」を歌い、感動のフィナーレとなりました!!

 

会場の七尾サンライフプラザは、以前は七尾市民会館という名前で、私が幼稚園か小学校低学年の時に当時習っていたバレエの発表会で初めて舞台を踏んだホールだし、客席には見知った顔も大勢。

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この楽屋も、この「第」の字体を見ればお分かりになるように、私が小さい頃から、というか、そのずっと以前から変わらず!

すべてがノスタルジー!!

 

これからも、いつまでも変わらずにあって欲しいなあ...。

 

終演後は西村さんが七尾に少し残りたいと嬉しいことを言ってくれて、数時間だけど、港町七尾の雰囲気と食を味わっていただけました!

西村さんのおかげで私も久々に七尾の美味を堪能できました。

特にもみいか!!懐かし美味しかった〜〜!!

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 あと実は西村さん、私の甥っ子にそっくりで(笑)。私の父と母にも認めていただけて満足でしたー。

甥っ子。

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さてさて。

北陸新幹線は順調に走行し、長野を過ぎました。

本日はこのまま、10日後に本番を控えたアルベルト・ゼッダスペシャルコンサートのお稽古に向かいます!

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アルベルト・ゼッダ スペシャルコンサート〜米寿を記念して〜 2016年12月1日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

いよいよ神様の来日も間近!

チケット好評 発売中です!!

 

そうだ、七尾へ行こう!

お題「好きな街」

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♪バラの園に煙る雨

ヒゲをつけたペルシャ猫♪

My  favorite thingsのメロディーが聴こえてきそうな景色ですが、京都ではなく、私が今、北陸新幹線に乗って向かっている石川でもなく、埼玉県入間市の紅葉。

 

お題「紅葉2016」 

 

もしかしたら北陸あたりも紅葉が見頃なのかもしれませんが、私が今新幹線に運ばれている目的はこちら。

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明後日、私の生まれ故郷、石川県七尾市にてオーケストラ・アンサンブル金沢「七尾定期公演」があるのです。

地元だからって、私がデカすぎやしないかい?という感が否めませんが(笑)。

ポニョのお母さんしか思いおこせない。

 

ともかく。

私にとって最も親しみ深く素晴らしいオーケストラであるアンサンブル金沢、垣内悠希マエストロ、テノールの西村悟さん、という豪華すぎる共演者を得ての、地元公演。

しかも大好きなフランスオペラ三昧を歌うということで、とっても嬉しい里帰り!!

 

プログラムは、前半にベートーヴェン交響曲第5番「運命」他、オーケストラの曲が聴けて、後半はオペラ、という盛りだくさん。

西村さんと私とで色々出し合ったところ、

グノー

トマ

マスネ

サン=サーンス

ビゼー

というフランスオペラ名作曲家5人衆揃い踏み。

(あ、「5人衆」は今勝手に言ってます)。

 

ビゼーカルメン》は言わずもがな、皆さん楽しんでいただけるだろうな、という選択で。

あとは、地元だということで、想いを込めて歌えそうなトマ《ミニョン》の「君よ知るや南の国」を久々に歌えるのが楽しみ。

この「ミニョンの歌」はゲーテの「ヴィルヘルム・マイスター修行時代」の中にある詩で、日本でも森鴎外堀内敬三などの訳詞が知られていて、様々な言語で様々な名だたる作曲家が曲をつけております。

私が好きなのはドュパルクとチャイコフスキーかな。

もちろん、このトマ作曲のオペラ《ミニョン》のアリアも大好き。

 

どんな内容かといいますと、

 

あなたは知っているかしら?

オレンジの花が咲く国を

金色のフルーツが実り、真っ赤なバラが咲いて

風は優しく、鳥は軽やかで

一年中蜜蜂たちが飛んでいるの

 

お日様の微笑みは神様の祝福のよう

永遠に続く春、ずっと青い空

 

ああ!そこにあなたと行けないなんて

幸せな岸辺

私が運命に追放された場所!

 

そこで私は生きたい

そこで愛して、死ぬのよ

私はそこで生きたいの

そう、そこで!

 

 

あなたは知っているかしら?

遠くで私を待っているお家を

黄金の広間には、大理石の像がいて

夜になると私を呼び、私に向かって腕を伸ばすの

そして中庭の大きな木の陰で踊るのよ

 

透き通った湖の水面を滑ってゆくたくさんの小舟は、まるで鳥たちのよう

 

ああ!そこにあなたと行けないなんて

遠い故郷

私が運命に追放された場所!

 

そこで私は生きたい
そこで愛して、死ぬのよ
私はそこで生きたいの
そう、そこで!

 

 

楽しく訳しているうちに金沢に着きました(笑)。

夢のように美しい曲です。

遠い故郷

て歌うわりに、歌う場所は私のズバリ生まれ故郷ですが、まあ、良いでしょう!!

 

まだチケットはあると思いますので(たぶん)、ぜひぜひ、日曜日、ふらりと石川県能登の都、七尾へいらしてくださいませ。

最近は国内、国外を問わず観光で訪れてくれる方々も非常に多くて、私も故郷の良さを再発見するためにじっくり観光もしたいなあ、なんて思ってます。

 

ところで。

私といえばうっかり、忘れ物、無くし物......。

 

今日は不安のあまり詩人になってしまいました。

 

今のところ、気が付いた忘れ物は本番で履く靴...。間違えて稽古場で履く用の靴を持ってきました...。

いっそフラメンコシューズを持ってくれば良かったのに...。

きっと他にも忘れ物あるけど、確かめたくない...。

 

とりあえず金沢の街に繰り出して。

どうしても食べたかったものを入手!

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香箱蟹〜〜!!

ホテルのお部屋でひとり、黙々と食べました(笑)

次回石川に戻ってくるときにはもうシーズンが終わっているので、食べれてよかったー。

さて、明日は朝からリハーサル。

マエストロ稽古で使う楽譜は持ってきた...かな?

確かめるのが怖い...。

 

 

 

アルベルト・ゼッダ スペシャルコンサート稽古開始!あと、ここ最近。

ここ最近。

10月後半の本番ラッシュが過ぎたにも関わらず、日々が充実しているというか...充実させすぎていて逆にやるべきことができていないというか...。

試しにスマホのメモにto doリスト的なものを書こうとしたらたくさんありすぎてスマホぶん投げそうになりました...。

ちなみに今日の充実度もなかなか。

午前中に息子の小学校で公開授業と作品展があり、息子の普段の学校での様子を初めて見学。

(朝最初から見に行こうと思ったのだけど、譜読みが間に合わず三時間めから)。

午後は稽古で「すみません」を100回くらい言って。

(結局譜読み間に合ってない)。

夜は私が稽古の間我が家で遊んでいてくれたママ友ふた家族とご飯。

(息子を見ていてくれた上にご飯も作ってくれるという天使か妖精さんのような友人たち!)

 

そんなこんなで、書くべき書類とか、出すべき資料とか、返事すべきメールとか、かけるべき電話とかがね...。

私がナマケモノすぎるだけなんですけどね...。

まあ確かに、整理された人生ねえ...。いいんでしょうねえ............。

 

さて、そんなダメな私がローマ神話最高峰の女神、「神々の女王」こと、Giunone(ジュノーネ、はイタリア語で日本ではユーノー、ジュノーとか)役を歌うのが(笑)、昨日から稽古が始まりました、こちらのコンサートの、

アルベルト・ゼッダ スペシャルコンサート〜米寿を記念して〜 2016年12月1日 | JOF 公益財団法人日本オペラ振興会

演目のひとつである、ロッシーニ作曲のカンタータ《テーティとペレーオの結婚》。

 

昨日から稽古が始まり、頑張って間に合わなかった譜読みは、昨日の稽古で新たに園田マエストロからいただいたバリエーションだった、というわけです。

世の中にメゾソプラノ数あれど、こんなにロッシーニが得意ではない(控えめに言って)にも関わらずこんなにマエストロ・ゼッダと共演しちゃってしまっているのは私だけなんじゃないか、と思うくらいで...本当に有難いんですけれども......。

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前列右から。

ペレーオ役のテノール中井亮一さん。

ゼッダ神と我々を繋ぐ神官マエストロ、園田隆一郎さん。

後列右から。

ジョーヴェ役、テノール角田和弘さん。

ジュリエッ...ではなく、チェーレレ役の光岡暁恵さん。

ジュノーネ役、私。

昨日、今日と稽古ピアノを務めて下さった星和代さん。

皆、神の降臨を前に緊張感が口元に出ています(笑)。

私から見ると「ロッシーニ?軽い軽い!」と思っていそうな暁恵ちゃんや中井さんでもそうなんですねえ。

いや、できるからこそ余計に緊張感があるのかもね。

しかし、最初から自分なりにやるしかない、と、ある意味半分諦めている私でも、以前、小荘厳ミサの稽古初日、歌っている私にズンズン迫ってきたマエストロ・ゼッダの目は忘れられず、やはりあの人が来る!!と思うと身と心が引き締まるのです。

その時の様子↓(中井亮一氏撮影)

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ゲーマーな私としては、画像右上あたりにパニックメーターが見えるよう。

アイテムのラベンダー使わなきゃ!みたいな。

 

本日、2日目の稽古にはテーティ役の佐藤美枝子さんも参加して、昨年のランスへの旅の時に続いて超絶テクニシャンソプラノ2人の競演!!

《ランスへの旅》7/3&5 日生劇場 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

これは、聴かねば損です!!!

公益財団法人 日本オペラ振興会 The Japan Opera Foundation - タイムライン | Facebook

 

 

さてさて、ゼッダ神来日(降臨)の前に、来週末、こちらのコンサートも!

イケメン指揮者、イケメンテノールと名高いお二人との共演で、地元女子のハートに貢献!!

大好きなフランスオペラのアリア、カルメンハイライト、というめいっぱい羽根が伸ばせるプログラムです!!


折しも石川県では加能蟹、香箱蟹が解禁。

ぜひぜひ、カニとオペラを楽しみに、日本海の港町、私の故郷七尾へお越しくださいませ。

12/1のアルベルト・ゼッダ スペシャルコンサートと合わせてのチケットご購入で.......本当にそんな方がいたら、カニを一緒に食べて私が剥きますね。

ぜひ!(笑)

 

「アントニ・ヴィト&読売日本交響楽団」フランス尽くしのコンサート、終演!

お題「芸術の秋」

 

東京芸術劇場、世界のマエストロシリーズvol.4「アントニ・ヴィト&読売日本交響楽団」 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

残念ながら先週末が終わってしまいました...。

麗しのフォーレ&フランス音楽の日々...。

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終演後、マエストロ・ヴィトと。

急な代役にも関わらず、プログラムを一曲たりとも変えず...。特に私が歌った”メリザンドの歌”はめったに演奏されない曲で、マエストロも初だったとか、洩れ聞きました。

プログラムはこちら。

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フォーレの《ペレアスとメリザンド》を、この”メリザンドの歌”を入れたバージョンで、と、冒険?して下さった東京芸術劇場さま、それをOKしてくれたマエストロ・プラッソン(元気になってください!!)、歌うのは私がいいんじゃないかと思いついて下さった方、緊急事態にそのままのプログラムを引き受けて下さったマエストロ・ヴィト、もちろん共演の読売日本交響楽団さま、聴きに来て下さった皆さま、感謝すべき方々が多すぎてどこに足向けて寝ていいか分かりません!!

 

リハーサル中、マエストロ・ヴィトが”メリザンドの歌”を「大丈夫、好きに歌って!誰も知らないから」なんて言ったりもしたんですが!(さすがマエストロWit!笑)、残念ながら?この、フォーレの《ペレアスとメリザンド》、こちらの名盤にしっかり”メリザンドの歌”が入っているし、誰も知らなくはないのですよー。笑

フォーレ:「ペレアスとメリザンド」(管弦楽曲集 2)

フォーレ:「ペレアスとメリザンド」(管弦楽曲集 2)

 

私もこれ、当然持っておりまして、密かにマエストロ・プラッソンにサイン貰おう〜、とかミーハーなことを思っていたので残念でしたが...。

 

しかし、代役でまさかのこの巨匠。

(まあ、世界のマエストロシリーズなわけで、意地でも巨匠を探し出さねば、というのはあったと思いますが)。

老...ではなく、人生の大先輩指揮者好きな私としてはたいへん良い思いをさせていただきました!!

 

そうそう、そんな老...ではなく人生の大先輩指揮者好きな私が12月に挑むのは、こちらのコンサート!このマエストロ!!

ヴィト氏より16歳上のゼッダ翁!いや、ゼッダ神!?

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ぜひぜひお越しください...。

 

話を戻しまして...。

ゼッダ氏に比べればまだまだお若いヴィト氏。「華のある職人」と言った風情のマエストロでした。

 

 「歌手」も「歌手」としてではなく、組曲のいち構成要素として(ある意味楽器のように)存在して欲しい、という意図を、はっきりそう言われたわけではないながら空気が読めるメゾソプラノでお馴染みの私、完全に理解しました(笑)。

1st.バイオリンと2nd.バイオリンの間、という初めてのポジションで《ペレアスとメリザンド》曲中、歌う前、歌ったあとも待機。

”メリザンドの歌”の時だけマエストロの真横に歩み出て歌う、という、段取り。

この色で黒尽くめのオケ中にいるので落ち着かないといえば、かなり落ちつかない...。

待つ間の椅子の角度もしっかりマエストロ向きだし、目が合いまくり(笑)。

あとで友人知人数名に「待ってる姿勢が異様に良かった。笑」と突っ込まれましたが、最初、かなり緊張してましたから!!

途中からかなり慣れてその珍しい位置から聴くオーケストラの音に酔い始めて「なんか変なこと考えてたでしょ?恍惚としてたよ」という鋭い?!指摘もいただいたり...。

翌日フラメンコの先輩にその話をしたら「パルマ(フラメンコの手拍子)叩くわけでもないのにねえ」と言われましたが、まさにパルマ叩くとしか思えない佇まいだったと思います、我ながら。

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(参考)

 

一応ソリストとしてマエストロと一緒に最後に舞台に出たものの、歌手が普段座るようなところでないところに私が座ったので、たぶんお客様の中にも「まさかあの位置から歌うのかな?」とか、 思った方がいるかも。

というのも、私が歌うために前に出たら、明らかに「そうだよね」と、ほっとした顔をした人がたくさんいたから(笑)。

とてもゆっくりな曲だからか、会場全体と一緒に呼吸をしているような一体感も感じました。

いくら「楽器でいよう」と思っても、やはり良くも悪くも...歌手は歌手なんだなあ、と思ったり。

あまりにも「楽器ではない」歌手にはなりたくないな、という気持ちは昔からあるんですけど。バランスですねえ、何事も。

ともかく!

良い経験をさせていただきました!!

 

本番から2日たち、まだまだシャワー下で口ずさむのは”メリザンドの歌”。

ちなみに歌詞は意外にも英語で。

”The King's three blind daughters”

(三人の盲目の王女が)

とてもミステリアスで美しい曲。

また歌う機会があるといいなあ!

 

 

さてさて、先ほど12月1日の公演のチラシを出しましたが、その前に、石川県七尾市での公演があります。

オーケストラアンサンブル金沢さま、テノール西村さんとは何度も共演させていただいていますが、垣内マエストロとは初共演。

札幌に旅立つ直前、お忙しいところを打ち合わせに寄っていただき、初めてお会いしたのに、なんだか前から存じ上げているかのように思わせてくださる穏やかさで、この方なら私の田舎、ど田舎の「七尾」を楽しんでくださるに違いない、と、ほっとした次第でした。

テノール様は大丈夫かなあーーー(笑)。

もちろん私も歌いに行くんですけど、おもてなしもしなければ、という気持ちになるのは超地元だからかな...。

ナマコとかクチコとか、花嫁のれんとか、好きかな?みんな...。

 

私も久々に地元、和倉温泉の湯に浸かりたい!

この機会にぜひ、新幹線と在来線を乗り継いで能登、七尾へいらっしゃいませんか?

 

お待ちしております。

 

東京芸術劇場、世界のマエストロシリーズvol.4「アントニ・ヴィト&読売日本交響楽団」

てんやわんやで楽しかった先週に引き続き、

”Duo! Duo! Duo!” &「オペラへの誘い」終演。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

今週末も魅力的なコンサートに出演いたします!! 

アントニ・ ヴィト&読売日本交響楽団 東京芸術劇場

 

フランス尽くし!!

マエストロ・ヴィトはフランス最高勲章レジオンドヌールも授与されている巨匠ですが、一昨日と昨日、リハーサルをご一緒して、「指揮者の70代ってバリバリ働き盛りなんだな...」と改めて感じるエネルギッシュさ。

今回のプログラムでは(まだ私はドビュッシーラヴェルを聴いていないので未知な部分もあるのですが)、エネルギッシュさがある意味「秘すれば花」的に、深い色香に向かっているように思えます。

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私が歌うフォーレペレアスとメリザンド の中の一曲「メリザンドの歌」は、ゆったりと静かなハーモニーが奏でられる中、やはりゆーったりと揺蕩うように語る歌。

柔らかさ、dolceの極致。

こんなにゆったりとした曲を歌うのは生まれて初めてかもしれません(笑)

なんかあったかなあー。

地元の民謡「七尾まだら」になら似たようなゆったりさを感じるけど......?!

 

昨日の初オケ合わせでは、オーケストラの静かな響きがあまりにも美しくて、思わず「今出したら一番気持ち良さそうな音」が口から?喉から?魂から??流れ出てしまい、マエストロに、

「今の音も良かったんだけど、楽譜とは違うよ。クスクス...」

と笑われること、二度ほど......。

うーん。ダメ、絶対!!酔いしれ注意!!!

 

さて、今日もこれからリハーサル。

こうやってしっかり何度もリハーサルしていただけるのもありがたい〜。

明日の本番では自分ではなく、皆さまに酔いしれていただけるよう、冷静に...いや、やはり勿体無いので一緒に酔いしれるかもしれませんが!よろしくお願いします(笑)!!  

 

まだチケット売り切れではないようですので、ぜひ、これからでも!!

 


 

お題「芸術の秋」

”Duo! Duo! Duo!” &「オペラへの誘い」終演。

まだまだ続くよ!芸術の秋!!

お題「芸術の秋」

 

先週はうっかり本番が3つ。

 

同じプロダクションを、ではなく全く別物で、というのはなかなか...。

でも全部楽しそうだったから!!

実際楽しくてたまらなかったし!!!

 

ひとつめはこちらのメサイアでした。
”メサイア”終演!〜 ”Duo! Duo! Duo!” - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

そして、ふたつめは昨年に続き、ソプラノ山口佳子ちゃんとの企画もの。主催は「街にオペラがやってくる」でもお世話になっているブリーズノート様。

昨年は”Douce France〜歌姫たちの優しきフランス”と題しまして、オールフレンチプログラムを......ん?オールフレンチといえば??

 

すみません!急に宣伝を挟み込んでしまいましたが、こちらは今週土曜、東京芸術劇場にて!!

 

閑話休題

 

リニューアルしてますます素敵なサロン「L'atelier by APC ラトリエ」にて、今年は”Duo! Duo! Duo!”と題しまして、オールドュエットプログラム!!

(どうも、オールなんとかプログラムが好きらしい?次は何だ??!)

共演は指揮者であり、指揮者だけに留まらない才能だの何だのが溢れまくる、辻博之さん。

数日前メサイアの指揮も辻さん。

今回はピアノとおしゃべりを受け持っていただきました!

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いきなり終演後の乾杯を載せてしまいましたが(笑)、プログラムはこんな。

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一部は宗教曲と歌曲のDuo。

二部はオペラのDuo。

辻マエストロによるピアノソロや楽しい解説も挟みつつ。

本日本番!Duo! Duo! Duo! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 


全ての曲が綺麗で面白くて。

翌日はダリラとカルメンを歌いましたが、歌い終わった直後からまた頭の中にはバッハやモーツァルトベルリオーズが流れて、いまだに鳴り続けています。二重唱の下パートがね!(笑)

 

バッハのロ短調ミサからの二重唱は特に一番馴染みの無かったもので...こんなに理解できないなんて、私アホなんじゃなかろうか?と、泣きそうになったことも何度か...。ようやく何か掴みかけたところなので、ぜひまた機会があればチャレンジしたいです。

モーツァルトのオペラからの二曲はちょっとした演技付きで歌わせていただき、お客様からの評判も良く、してやったり(笑)。

ベルリオーズ《ベアトリスとベネディクト》のノクターンは、「ホフマンの舟歌」に飽きたあなた(私?)にぴったりな名曲で、また歌いたいなあ。推していこう!!

そして、王道《ノルマ》の二重唱で締めた後のアンコールに私たちが選んだのは!?!

楽しかった〜〜。

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リハーサルしながら、このDuoプログラムでどこか行きたいねえ、と話していたのですが、場所によっては半分ザ・ピーナッツでもありじゃない?て話にもなったり!!

 

辻ちゃんは、こんなになってますが、はっきり言ってピアノ、特にソロが(笑)めちゃくちゃ上手でした!!なんと人前でのピアノソロは12年ぶりだったそうで。

選曲もお任せしたら、まさかのザ・クラシックだったので小ビックリ、聴いてみて大ビックリでした。

「声楽科出身」と思ってなめていて申し訳なかったです(笑)。

おしゃべりが上手なのは知っていたのですが、そちらは初共演の佳子ちゃんがなめていたようで?!裏で辻トークを聞くたびに「大丈夫?今から出て歌える?」てくらい笑ってました。

 

お客様と非常に近しい気持ちになれるのもラトリエでのコンサートの素晴らしいところ。

第三弾もぜひ実現したいです。

ちなみに、早い時間からの打ち上げは、焼き鳥からのチーズフォンデュでした。

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ブリーズノート、壷井さんと。

 

さてさて、そして翌日は、小江戸・川越に!!

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前半は色々なオペラから名アリアと名二重唱、後半はカルメンのスーパーハイライト。

テノール、樋口達哉さま。

バリトン、谷友博さま。

ピアノ、大坪由里さま。

どこのプロダクションの公演?てくらい豪華な先輩方と共演させていただき...。

男性お二人の安定&迫力の歌はもちろん、舞台を降りるとちょっと、いや、相当?おとぼけ美女な由里先輩の華やかなピアノでのカルメン前奏曲や間奏曲も素晴らしかった〜〜。

あと、菊池先生の解説もダジャレが多すぎた以外は名解説で(笑)。

 

実はこのコンサートの合わせを武蔵野音大仏子校舎でやった帰りにもチーズフォンデュを食べたんですよ!

入間市にもオシャレなお店ができたもんです...。

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これは、ソーセージをフォンデュした息子が「指!」と言ってみんなドン引きしてるシーン。

息子の樋口先輩と谷先輩へのなつきスピードがすごかった。

チーズフォンデュの帰りには家族旅行のように谷先輩の車の中で大爆笑しりとり合戦も開催され......とにかく集まると笑っぱなしになる顔ぶれなのです。

カルメンとしてホセに刺されて死ぬ瞬間でも下手したら笑い続けちゃうくらいです。

でも、当日初めて会場に入って時間も無いながらに照明や諸々にこだわって舞台を作り上げる先輩方の姿勢、学ぶところが多かった!!

また帰りは大爆笑しながら帰りましたけどね。

 

初めて行った川越の観光ができなかったのが少し残念でした。

街並みを少し見ただけでしたが、素敵でした。

また行きたいなあ。

 

いやー、それにしても、充実した一週間でした!!!

あ、ただ、忙しくてフラメンコのレッスンに行けなかったので(舞台では踊ったけど?!笑)、今から張り切って行ってまいります!!! 

本日本番!Duo! Duo! Duo!

お題「今日の出来事」

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本日はこちらの演奏会!!

Duo! Duo! Duo!

直前、プログラム公開でもしてみようかと思います!!!(お楽しみを残しつつ)。

 

まず、第一部は宗教曲(など)をお聴きいただきます。

ヴィヴァルディ《グローリア》より ”Laudamus te”

バッハ《ロ短調ミサ》より ”Et in unum Dominum”

ロッシーニ《小荘厳ミサ曲》より ”Qui tollis”

他!

 

むしろオペラより女性2人の美しいDuoがたくさんあるのでは??というような宗教曲レパートリー。

今回落選?した中で歌いたかった曲もまだまだあり。

 

そして第二部はオペラ。

モーツァルトは二曲当選(笑)。

オペラ・セリア(シリアスな内容のオペラ)から一曲と、オペラ・ブッファ(コミカルな内容のオペラ)から一曲。

セリアの方は、私がモーツァルトのオペラの中で一番好きな作品、

皇帝ティトの慈悲》より、アンニオとセルヴィーリアの二重唱  ”Ah perdona al primo affetto”

 これはもう、特に出だしのメロディーは世界一美しいのではないか、と思える名曲。聴くと自然に涙が溢れる、という方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

また、内容が切ない!!

女声2人で歌われますが、片方のメゾソプラノは男役、アンニオ。

彼と、恋人のセルヴィーリアとの二重唱なわけですが、この《皇帝ティトの慈悲》に出てくる人々...とにかく皆、複雑な境遇で、皆、悩んでいるのです。

これも、ただの愛の二重唱ではありません。

この二重唱の前に、彼は、自分の恋人が皇帝の妃に選ばれてしまったことを知り、しかもそれを彼女に伝える役割を与えられてしまいます。

彼女、セルヴィーリアのもとへ行った彼、アンニオはそれを告げつつも、つい、彼女に「愛しい私の...」と呼びかけてしまい......


【アンニオ】
ああ、許してください

これまでの愛で
言ってはいけないこの呼び名を
罪なのは、この唇

いつも、あなたをこう呼んでいた...

 

【セルヴィーリア】
ああ、あなたは私の初めての人
これまで心から愛してきた
そして、最後の人になるでしょう
いつまでも、この心に住む...

 

【アンニオ】
大切な人の愛しい言葉

 

【セルヴィーリア】
ああ私の甘く愛しい希望

 

【セルヴィーリア アンニオ】
あなたの言葉を聞けば聞くほど
私の中で一層膨らむ熱情
ひとつの魂がもうひとつの魂とひとつになるとき
何という喜びを心は感じるのでしょう!
ああ、人生から消し去ることができたなら
すべて、この愛以外を

 

切ないです......。歌いながら泣いたらごめん!!?

 

そして、ブッファの方は、《コジ・ファン・トゥッテ》、意味は「女性はみんなこういう風にするよ」、て感じ。

どういう風にするか?

まさに、それが見える場面の二重唱です。

歌うのは2人の姉妹。

 

”Prendero' quel brunettino”

「私は黒髪男の方にするわ」!!

 

歌い出しから聞いてはいけない女子トークの匂いがプンプンしますね〜(笑)。

詳しい解説はあとで、辻ちゃんから聞いてください!

 

さてさて、あとはお越しの方のお楽しみで...。

あ、チラシ掲載曲もありますが(笑)。

びっくりするような曲も歌いますよ〜〜!!

 

 

びっくりするような衣装もあったりして?!?

 

それでは、渋谷でお待ちしておりまーす。

まだ若干お席に余裕もあるようですので、ぜひ、フラリといらしてくださいませ。