mezzosoprano 鳥木弥生blog

オペラ歌手(メゾソプラノ)鳥木弥生の日常、演奏会情報など。

九州入り!”Day1” 太宰府天満宮〜鳥栖〜大分

14日から3泊4日、私の半分のルーツ、九州に滞在しました。

メインは昨晩のコンサートだったわけですが。

 

今回は息子も置いて来たし、真面目な仕事旅になるかと思いきや、やっぱり目一杯楽しい旅になってしまいました!!

 

元々はせっかく九州に行くのだから里帰りも兼ねて、しばらく前から家族と熊本に行く予定で準備していたりもしたし、その他、色んな計画が最終的には九州入りしてからも二転・三転した旅で......あ、東京に戻ってから払い戻ししなきゃいけないJRのチケットはどこに入れただろう......!!

 

そんなわけで、まあ、色々は、はしょりまして(笑)。博多に到着した私は、迎えに来てくれた大学同期の友人と、一路、太宰府へ。

さだまさし大好きオペラ歌手の私にとっては、名曲「飛梅」の舞台、太宰府天満宮聖地のひとつ。

その日を遡ること4日、8月10日にさいたまスーパーアリーナでまさし様にお会いしたばかりだったし。

https://www.instagram.com/p/BXnJfA9nw5A/

#さだまさし #がんばれライオン2017 #高校生ボランティアアワード #風に立つライオン基金


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飛梅と!

頭の中ではマリンバソロが鳴り響いています(笑)。

梅ヶ枝餅、ホカホカで美味しかった...。

お題「今日のおやつ」

 

おみくじも大吉が出るまで引きなおそうと思いましたが(さだまさし「飛梅」参照)、三回引いても出ず。

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哀れに思った友人が、一発で引き当てた大吉と一枚交換してくれました(笑)。

 

さらに、伝説のS組(大学のクラス)ポーズや、

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牛さんとの戯れ、

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やりきって、太宰府をあとにしました。

 

太宰府のあとは、どこかでご飯食べつつ、大分まで送ってくれるというので、九州の距離感が分からない私は「ありがと〜」てな感じで受け入れてみれば!意外と遠いやないの!!?

友情、有り難し!!!

 

偶然立ち寄った鳥栖の居酒屋さんでも、突然芽生えた友情で?!初対面同士で大騒ぎ...。

定年後のおじちゃん三人でやってるお店で、「おじちゃんたちが元気に働いてるのは良いお店」という、私がイタリアで学んだ美味しいレストラン判別法の例に漏れず、面白美味いお店でした!

 

そして、とっぷり日も暮れ、日付も変わりかけたかという頃に到着したホテルが温泉付きだったのも嬉しくて!

 

翌日からがコンサートのリハーサルだったんですが、のびのびと浸かったいいお湯の中で、ひとり熱唱したのは当然飛梅でしたとさ!笑

 

年の初めはさだまさし「飛梅」 - YouTube

 

こちらはギター弾き語りバージョンでマリンバは入ってませんが、ぜひご一聴を!

 

九州紀行、つづく。

 

練馬区独立70周年「真夏の第九」と、これから。

明徳義塾勝ったんですか...へえ。と鼻白む、いまだに心しこりが残っている石川県民は少なくないようですね。私もその一人ですけど(笑)

特に積極的に憎いわけではないですけどね!

とりあえず相手チームは応援しちゃいます...。

松井秀喜5打席連続敬遠 - Wikipedia

今週のお題高校野球

 

そんな、球児も燃える夏!!

年末の風物詩、ベートーヴェンの第九交響曲を先週の土曜、8月5日に、ひと足もふた足も早く...。

(ちゃんと他団体所属の者の名前まで書いてくださる二期会さま、ありがとうございます。笑)

 

実はG.W.に、すでに今年最初の第九がありましたが。

#ガル祭 大団円!!いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2017 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

今後、12月の第九ラッシュの前に11月にも、来年1月と2月にも演奏予定があり、一年中第九の公演がある!という時代になってきたのでしょうか?

前々から、第九の殿堂みたいなホールが日本のどこかにあって、そこでは一年中全国から集まった合唱団が代わる代わるに好みのプロオケと好みのソリスト、指揮者を選んで第九を歌っている、ということになればいいのに、と、思ってるんですけど、どうでしょう??

あ、観客......。うーん。

 

ともかく。

真夏の第九」。

1200人の合唱団が舞台狭し、どころか客席の大半も締め、入りきれないお客様は隣のホールで生中継をご覧になる、という公演。

いつも、オーケストラと合唱の間で、正面に指揮者を見ながら「特等席、特等席!」と思いながら、一番観客に近い出演者を自負するアルトソロですが、今回も初共演だった曽我大介マエストロの、前後に向けた華麗にアクロバティックな?!指揮を堪能しつつ、さらに、客席から皆さんがものすごく良い顔で歌ってるのも見えて......しばらく完全に観客気分でした!

曽我マエストロにも「楽しそうだったね」と、バレバレ(笑)。

たぶん後半、他のソリストの方々が立ち上がらなかったら、自分も歌わなきゃいけない、てことを思い出せなかったと思います。

ちなみに合唱1200人中500人くらいがアルトだったそうで、それでもバランス問題なかったということは、やはりソリストもアルトは3〜4人いてもいい、ていうことなんじゃないの?

なんて思ったり...??(笑)

 

今回は練馬区にゆかりのあるソリストが選ばれたそうで。

同じ藤原歌劇団所属で何度もご一緒しているテノールの西村さんは日大芸術学部出身。バリトンの大西さんは武蔵野音大の後輩。

同じく武蔵野音大出身、ソプラノの佐々木典子様は先輩。私が大学時代に教えにきてもいらっしゃっていたので、私にとっては「佐々木先生」...その呼び方やめて!と言われましたけれど.....、当時、なんて美しい声で、なんて気品に溢れた歌とお姿なのだ!と、感嘆した気持ちは今も変わらず、初めて一緒に歌わせていただき、ますます憧れが増しました...。

 

 

「真夏の第九」以降は、前々から書き続けている初・自主企画演奏会「Regine del Belcanto」レジーネ・デル・ベルカント関連の諸々が続きました。

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あっこちゃんこと、佐藤亜希子さんと会場のハクジュホールでの打ち合わせ。

透明感のあるデザインや素晴らしい音響で、ベルカントのメロディー、ハーモニーが美しく似合うだろうなあ!と、イメージが湧き上がりました。

https://www.instagram.com/p/BXiEQE3H0ft/

9/8 レジーネ・デル・ベルカント〜花ひらくベルカントの真髄〜 ホールでの打ち合わせ。何がそんなに楽しい?!笑#RegineDelBelcanto #佐藤亜希子 #鳥木弥生

 

あっこちゃんと私との自主企画ですので、会場を決めるところから自分たちで、だっだのですが、ハクジュホールが良いのでは、と言ったのは今回ピアノを弾いてくださる佐藤正浩エストロ。

私は去年、ジョン・健・ヌッツォ氏の呼びかけで参加した熊本のためのチャリティーコンサート以来のハクジュホール。

熊本地震チャリティーコンサート〜Music for Kumamoto〜 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

https://www.instagram.com/p/BXejLdynV2Q/

9/8 レジーネ・デル・ベルカント〜花ひらくベルカントの真髄〜の第一回リハーサル!美しい緑にパワーをもらいつつ...。https://www.facebook.com/events/218007038673240??ti=ia

佐藤マエストロ邸での第一回リハーサルも行われました!

 

最終的には遊びに行ったみたいになりましたが(笑)、リハーサルもがーっつりやりました。

そして、今回ちょっと大上段に構えすぎたか?という気持ちもあった、

Regine del Belcanto(ベルカントの女王たち)〜花ひらくベルカントの真髄〜

というタイトル。

あっこちゃんの威厳と気品に溢れた声と、佐藤マエストロの流麗で端正なピアノで花ひらいたのは「これ、タイトル、大丈夫だったわ!」と、いう素晴らしい音楽。

自分は置いといて、安心した!!(笑)

 

元々は私がイタリアにいるとき、ギリシャ系のソプラノ、インガ・バラバノヴァさんと一緒に何箇所かで歌ったコンサートシリーズのタイトルで、一応?女王様なのは、自分たち歌手ではなく、自分たちが演じるオペラの登場人物のことなんです!

今回、9/8にも演奏するアンナ・ボレーナやノルマを中心に、非常に幅広いレパートリーをもつインガと、モーツァルトロッシーニベッリーニドニゼッティヴェルディ...ちょっともう、女王ではないぞ?というキャラクターにまで広がりつつ(笑)、若さで乗り切った?ものすごいコンサートでしたが...。

 

とにかくそのコンサートが面白かった思い出があり、いつかまたこんなコンサートがやりたい!と思っていたのが私の個人的な気持ち。

あっこちゃんにどんな魔が差して、まんまと「一緒にやろう」と思ってくれたのかは分かりませんが(笑)、今回はいわゆるベルカントを離れず、更にテノールも迎えて、ということで、正しく豪華にリニューアル

 

ただ、なぜ”いわゆる”ベルカントかと言うと。本来ベルカントとは、1600年頃からロッシーニがギリギリ入るくらいまでの、高度な装飾を伴った曲や歌唱技術・様式を表す言葉で、ドニゼッティベッリーニの作品が特に「ベルカント・オペラ」と言われ始めたのはレコード会社の戦略だったとかなんとか、て話もあり。

ロッシーニとかヴェルディプッチーニほどにはピンで売れないと判断されてのユニット名「ベルカント」みたいな感じだったんですかねえ...。いや、これは完全にただの想像ですけど。

 

閑話休題

9月8日まであとひと月をきり、曲がりなりにも、色んな人たちに助けられながらも、初自主企画の公演に向けて話が進んでることを喜びと共に実感する毎日です。

 

とりあえず自主企画なので↑に贔屓的に宣伝に力をいれてるといえばそうなんですが(自分たちがやらないと誰もしてくれないから!笑)、その前にも色々出演させていただきます。いずれも喜んで全力投球したい公演!

 

まずは8月16日、ホルトホール大分にて、イタリアの名バリトン、ロベルト・フロンターリ氏と、フィレンツェを中心に活躍する大分ご出身のバリトン渡邊弘樹さん(すみません、ふた文字め、正しい漢字が出ません。笑)、ソプラノの高橋絵理さん、テノールの寺田宗永さん、そしてピアニスト小埜寺美樹さんと、とても楽しみなオペラ・ガラ!

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そして、東京に戻りまして、8月20日はこちら!

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私の出演はオペラ「滝の白糸」第三幕の演奏会形式上演。

母ちゃんの、母ちゃんによる、母ちゃんのための、あの感動アリアをまた歌えるのです!!

中嶋彰子さんはじめ、白糸ファミリーとの再会も楽しみ。

 

そしてそして、8月27日はこちら。富山に参ります。

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アンサンブル金沢、山下一史マエストロ、そして大学同級生ソプラノ砂川涼子さん、という私の原点を見つめ直せるような皆様と、大好きなこの曲、ヴェルディ「レクイエム」。

 

「真夏の第九」もそうでしたが、こちらも「居場所が少ないからドレス小さめ推奨」と聞きました。まさか合唱1200人じゃないよね......??? 

 

あ、そしてなんと、山下マエストロとは9月10日に千葉県八千代市にて、モーツァルトのレクイエムもご一緒するのです!

 

九州、関東、北陸、そして代々木八幡または代々木公園駅から徒歩五分のハクジュホールなどで、皆様にお会いできるのを楽しみにしております!!

https://www.facebook.com/events/218007038673240??ti=ia

杉並リリカPresents OPERAMANIA 2 終演!

お題「誰にも信じてもらえない体験」

 ひとつのオペラガラコンサートが開演から終演までで、6時間45分。ほぼ7時間。信じられます?(笑)

私も含め、リハで開演2時間前に会場にいた出演者はその日9時間ホールにいた計算。

(ん?8時〜17時お勤めの方と同じか...?)

終盤出演だった私はリハ後約7時間待ちでしたが、まあ、それは良いとして......。

こちらが全20人の出演の皆さま。

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カーテンコールの列、長っ!!!

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しかし、一番大変だったのは客席の皆様ではなかったかと思います。

救護班の用意があったとも聞いておりますが...。

こちらのぐらっぱ亭さまのブログにその長大なプログラムが綺麗に載っていますので、ぜひご参考に!

(私も盛大に褒めていただいてますし、ぜひ。笑)

OPERAMANIA 2@杉並公会堂 - ぐらっぱ亭の遊々素敵

 

ももっと客席で聴いてお客さん気分を味わいたいとも思いつつ、結局途中で化粧や髪型も中途半端で人前に出にくい感じにもなり(笑)、幸い楽屋が舞台袖近くだったので袖から皆様のハイパーヴォイスを堪能しつつ、前半何度かはチョロチョロと客席へ。

 

私と唯二メゾソプラノ仲間だった中島郁子さんのドン・カルロ、エボリのアリア”O don fatale”は本当に客席で聴いて良かったと感動!

ぐらっぱ亭さまも書かれている通り、前から上手いとは知っていたのですが、改めて、声も音楽性も文句なしに大好きでした。個人的にはあんなに素晴らしいO don fataleを初めて聴いたと言っても全く過言ではないです(自分はもちろん含めて、コンクール、コンサート諸々、なんならまあまあなレベルの歌劇場で聴いたりしたのも含めても)。

 

うーん。皆さんの素晴らしさを語ろうと思うとやはり8時間労働くらいになりそうなので感想はメゾ推しにとどめまして...。

そういや昨年のOPERMANIA第一弾も4時間くらいあったんだ!!(笑)

杉並リリカpresents ”詩人たちの愛と死”終演。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

来年はどうなる???

 

さてさて、私が歌ったのは。

濃ゆい濃ゆいベルカントヴェルディプッチーニヴェリズモからの流れを受けての?カルメンコーナー。

コーナー、と軽く申しましても、普通にカルメンハイライト、と言っても良いような全6曲。

すでに開演から5時間以上。

お客様(さすがに脱落者も多数。笑)へ、一服の清涼剤となるようなしゃれたオペラコミークを、と思ったのですが、最終的に残念ながら?そうは問屋がおろさず。

ハバネラから、私が歌った曲でいうと、カスタネットの歌〜ホセの花の歌、まではまだ清涼剤の雰囲気もあったと思うんですけど(たぶん)。

カエラの青木エマさんはこんな爽やか美女だったし。凛としたキャラクターもミカエラにぴったり!

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(バラ柄がカルメンより似合うミカエラ)。

カスタネットのシーンから花の歌までをご一緒した城宏憲さんも爽やか美男。

真横で聴かせていただいたアリア、花の歌も素敵でした!

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(ファンに怒られそうな写真ですみません)

そこまでは、カスタネットも気持ちよく叩けたし、ご期待に添えたかな〜、みたいな充実感。

一緒に写真撮り忘れましたがバリトンの山口邦明さんもスタイリッシュなエスカミーリョで、会場をすっごく盛り上げておられました!!

 

そして、カルメンコーナー最後は、フィナーレ、俗に言う殺しの二重唱

 もちろん殺されちゃう場面だし、シリアスなのかもしれませんが、あんまりおどろおどろしくなく、物語の自然な帰結としてカルメンが死ぬ、みたいな流れが私の好みなんですが......。

まず、

"C'est toi!"(あなたね!)
"C'est moi!"(俺だ!)

と、最初の掛け合いをしたところで振り返った私が見たのは笛田ホセの表情に漲る...殺意!!

あとで聞いたところによると、楽屋を出る時から「殺してやる...殺してやる...」と呟いていたそうで......

凶暴すぎるだろ(笑)。

「恐怖」と「笑い」は紙一重、の事例なのかどうか、あまりの緊張感に一瞬噴き出しそうになったのを何とか抑え、いやいや、ちょっと待て、7時間半くらい前のリハでは「どうする?演技つける?やめとく?ま、軽くやっちゃう?」くらいの打ち合わせだったのに...。ナイフも指輪も無いし、ちょっとしたマイムで...みたいな......でもこれ、絶対違うやつだよね...と...。

「はて、この場をどう収めようか...」

それはもう、リアルに闘牛場の前で自分を殺す運命であるホセに対峙したカルメンの気持ちとリンクした気さえしました(笑)

 

そしていつの間にやら全て湧き出るまま、本能のまま。

基本的に私のスタンスである「恥ずかしいのは嫌」(まあ、それもどうかと思いますが。笑)の一線、二線、K点を完全に超えて、良く言えば潜在能力覚醒、悪く言えばタガが外れた状態??

実際お客様から見て、聴いて、どんな感じだったのかは分かりませんが(いいのか?)、終わって舞台袖に戻ったとたん、歌った二人、ピアニストの藍子ちゃん、そして袖で聴いていてくれた楽屋仲間の山口安紀子さんとで、何故だか大爆笑!!

なんかもう「Duettoというより相撲の取組だった」(山口安紀子談)と。

藍子ちゃんもよくぞあれに合わせてくれたなあ、と感心しましたが、やはり「見ちゃダメだ!見たら終わりだ!」と言うプロ根性?で辛うじて冷静に弾き切ってくれたようでした。

私も、普段通りではありませんでしたが、一応冷静さもありまして、

(あ、笛田くん、ズボン汚したく無いから膝つかない、て言ってたのについちゃったよ!)

とか、

(ナイフも無いし、手刀で殺人?せいぜい内臓痛めて明日は血尿か?)

とか、

(ちょっと死にゆくタイミング早かったけど上手いこと身体支えてもらってるからゆっくりめに音たてて倒れて間をうめよー)

とか思いつつやってて。

まあ、最後のは思ったより頭が落ちる音が大きくゴトン、と響いちゃって皆様を心配させる羽目に(笑)。

全然痛くはなかったんですけどね。

杉並公会堂の響きの良さを感じた瞬間でした。

 

(ちなみに、次回私のカルメンはなんと海の上)。

クルーズ倶楽部|三越伊勢丹旅行

 

今一度プログラムを見返し、やっぱり長いけど、声を堪能する名曲オンパレードで、好きな方にはたまらない、まさにオペラマニアのためのコンサートだったな、と言うことと。

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プログラムノート43番。最終行、

二人の激突が今夜実現します

て、予言されとるやないか!

企画、構成、解説のフランコ酒井様、さすがです(笑)。

とにもかくにもの長丁場。

まずは最後まで聴き切った皆様に大拍手!Bravissimi!!!

ありがとうございました。

そして、酒井さん始め、支えてくださった皆様、素晴らしい共演者の皆さまにも、拍手と感謝を。

そして、長い1日、息子をあずかってくれたママ友I一家に大・大・大感謝!

なんでも息子はニジマスつかみ取り体験をしたそうで。私もやりたかったぞ!(笑)

 

さて。母ちゃん次の出番は今週末、今年最初の第九です!

 

練馬区の独立(板橋区から。独立戦争とかはなかったよね?!)70周年だそうで、こちらもお祭り騒ぎの予感?? 

「カプレーティ家とモンテッキ家」演奏会形式、終演!そして、夏本番!!

先日オステオパシーを受けながら、

「お疲れですかー?」と聞かれて、

「今月から10月まで毎週のように本番があるんですよー」と、さも大変なことのように答えてから、

(あれ?でもそれって普通に考えたら月に4日しか働いてない人ってこと??)

と我がことながら不審に思ってしまったんですが、いやいや、大切な合わせやリハーサルもあるし、大学勤務もあるし、譜読みも暗譜もあるし、本番以外も休んでるわけじゃないよ!!と、誇りを取り戻しました(笑)。

そこんとこ、ぜひ、音楽家の友人や家族がいらっしゃる方にも伝えたい。

健康第一、命より健康!と言った落語家さんがいましたが、言ってみれば本番が命、練習、合わせ、稽古、リハーサルは健康!!......伝わるかな(笑)??

 

さてさて、そんな初夏〜秋の本番の中でも、歌う量的に?けっこうな頑張りどころでした、昨晩の、

南條年章オペラ研究室による

ベッリーニ『カプレーティ家とモンテッキ家」

演奏会形式

ロメオ役は去年、新国立劇場藤原歌劇団公演に出演して以来、割と早く再び歌う機会がやってきました。

藤原歌劇団《カプレーティ家とモンテッキ家》終演! - mezzosoprano 鳥木弥生blog

 

今回は演奏会形式。

で、燕尾服デビュー!

https://www.instagram.com/p/BW5L0Vlnw2D/

Fine concerto!! Bellini"I Capuleti e i Montecchi" Romeo

私が忌み嫌う(笑)中途半端なセミステージではなく、綺麗な演奏会形式!

しかし、考えてみたらむしろある程度体を自由に動かせるセミステージの方が、歌い手にとっては楽なんだな、と、少し認識を改めました...。 

でもでも、音楽を楽しみたいお客様にはやはり超・超おすすめな、演奏会形式。

指揮の佐藤宏さん、ピアノの村上尊志さんという、大ベテランのマエストロお二人に導かれ、純粋にベッリーニの音楽の美しさとドラマを霊媒の如くにお伝えできたら、とは思いながら、やはり私利私欲(?)が出ちゃいましたけどねー。

感動してほしいとか、泣いてもらいたいとか......かっこいいと思われたいとか(笑)。

そして、隣で歌うジュリエッタ平井香織さんは、姿も声も音楽性も透明感が半端ない、麗しいソプラノ。

引き込まれたら帰ってこれないんじゃないか?と思わせる世界が広がっていて、素敵な緊張感と酔いを味わいました。

ベルカントの妖精って風情。

まず息なんかしなくても生きてるんじゃないか、というくらい息が長くて...稽古中は一緒にアンサンブルしている男性陣(私も含めて。笑)がバッサバッサ面白いくらいに息の根を止められる場面もあり、やっぱり妖精さんって残酷なんだな、て思いましたが、最終的には仲良しアンサンブルに...なってたかな???

 

合唱を担当して下さった方々がまた素晴らしい歌い手揃いだったのもまた気持ち良かった!!

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なかなか見れない揃い踏み。プリマ3人との一枚!!

右から、先日素晴らしい蝶々さんを聴かせてくれた小林厚子さん。

15年ぶりくらいの《蝶々夫人》観劇。高校生のためのオペラ鑑賞教室。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

愛しのジュリエッタ、平井香織さん。

9/8、一緒に「Regine del Belcanto」でベルカント対決?をする佐藤亜希子さん。

https://www.facebook.com/events/218007038673240??ti=ia

めっちゃいい笑顔な終演後写真です。

とにかくあらゆる意味において良〜い(濃〜い)歌手、音楽家がい〜〜っぱい集まった、ミラクルな一夜でした。

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演奏会形式のため、客席も良く見えたんですが、昔から厳しく見守ってくれる方、紡ぐ言葉にセンスと信念を感じる方、いつも応援してくれる方、見るだけで勇気100倍になれる顔がたくさん並んでいて...。

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一昨年末、九州で一緒に漫画オタクツアーした大学同期とか(笑)。

(ポーズは当時からクラス写真でやっていたS組のS)。

 北九州ソレイユホール《第九》能登〜九州親子三代旅part5 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

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小田島久恵嬢は超可愛いワンピースで来てくれたし!(両手に花♡)

感想ツイートもたくさん、ありがとうございます!!

 

室田尚子様は、素敵なレビューを書いてくださいました...。ありがとうございます!

 【Opera】南條年章オペラ研究室 ピアノ伴奏演奏会形しいによるオペラ全曲シリーズVol.17 ベッリーニ『カプレーティ家とモンテッキ家』 | 室田尚子 | note

こちらもありがたいツイート!



さてさて。

息子も夏休みに入り。

学校に行かない分、母ちゃんのマネージャー業を頑張ろうと思っているようで...??

お題「夏休みの計画」

夏休み中もとりあえず月4回くらいは働く母ちゃんのため(笑)、ぜひとも母ちゃんが一番苦手な荷造り(忘れ物ナシ)を覚えていただきたいと思っております。

8月には大分と富山にも参ります!!

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どこかで皆様にお会いできればこの上ない幸せです!! 

 

15年ぶりくらいの《蝶々夫人》観劇。高校生のためのオペラ鑑賞教室。

先週、このような公演に行って参りました。

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高校生のためのオペラ鑑賞教室「蝶々夫人」!

高校生じゃないのに潜入させていただきました。

ソプラノ佐藤亜希子さん、ピアニスト藤原藍子さんとかと、みんなで色違いのセーラー服で行こうか、と。

 

言ってましたが、もちろん着てません(笑)

 

あっこちゃん、藍子ちゃん、私、が揃って応援に行く相手と言えば!

知る人ぞ知る幻のユニット(笑)4Fioriのリーダー、あっちゃんこと、ソプラノの小林厚子さん♡

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こちらは終演後、あっというまに着替えてしまっていたあっちゃん蝶々さんと。

いやー。

素晴らしかった!

1幕のあっちゃんは本当に15歳の蝶々さんそのもののようにピュアで綺麗な声で、姿も可愛らしくて少女そのもの!(ちなみに4階席から鑑賞)。

舞台裏の歌い出しの声が聴こえて、姿が見えた瞬間、すでに感動に打ち震えて涙ぐんでしまいました。

あとで話したら並んで聞いていたあっこちゃんと藍子ちゃんも「出て来ただけで泣けた」そうで、あっちゃんには「お母さんがいっぱい聴いていたんだね」と言われて(笑)

そんなわけで1幕から三人のお母さんは割と号泣だったんですが、それがもう2幕、3幕ともなりましたら...!!!

ときに驚くほどゆっくりだったテンポも物ともせず美しく語るフレージングも天才的だったし。

そして、不幸なんて寄せ付ける気配もなく、ポジティブオーラ溢れるあっちゃんの蝶々さんにも悲しい結末はやってきまして...。当たり前だけど。

前にも私、なんだか語っておりましたが、悲劇のヒロインは明るく生命力に満ちてるのがより感動的!

ヴァニタス・ロスから日本酒へ。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

最後のアリアも「涙を誘おう」なんて全くしない暖かさと気高さに大号泣。今思い出して西武線の中でまた泣きそうになってます(笑)。

あっちゃんのミミはやっぱり聴きたいし、あと今回、アンジェリカ(Suor Angelica)も聴きたくなった!!

あっちゃんの声でアリア想像しただけでやっぱり泣ける(笑)。

 

で、実は私「蝶々夫人」を観劇するのがたぶん生まれて二度目で。

もしや生まれて初めてかも?と思ったら、フィレンツェに住んでいた頃にトスカーナ・オペラ・フェスティバル(って催しだったような???違うかも)で、パドヴァ在住のソプラノ岡崎他加子さん主演の舞台を観たことを思い出しました。たぶん15年前くらい!!

岡崎さんもやはり朗らかさと気品のある素敵な蝶々さんだったなあ〜。

それ以来初、客席で聴く「蝶々夫人」でした。

 

あっちゃん蝶々さんといつかスズキやりたいし、客席で「お客様の中にスズキさんはいらっしゃいませんかー!!」という事態を期待したりもしましたが?!?

でも?(笑)スズキを歌われた山下牧子さんは割とご近所さんでもあり、先輩母ちゃんとしても尊敬する素晴らしい方。山下さんの知性と愛のある美声と歌が大好きで、久々に生歌、生芝居を堪能できたのも嬉しかった!

背中で泣かせるニクい演技に思わず「くー!いいね!でも顔ももっと見せて!」と思っちゃったのは笈田バタフライの後遺症...?

笈田ヨシ氏演出《蝶々夫人》金沢、大阪公演。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

あと、合唱団の皆様の着物姿の美しさが眩しすぎたのはスペインでのバタフライの後遺症(笑)?

サバデイ・ファランドゥラ劇場《蝶々夫人》初日。〜サバデイ日記11 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

ともかく、一週間前の観劇でしたが、まだ感動は薄れておらず!

お題「最近涙したこと」

藍子ちゃんいわく、

泣きすぎてスッキリしたね!!

と、あっちゃんの三人のお母さんたちにはちょっとしたデトックス効果まであった公演でした。

 

さてさて、そんな幻の4Fioriメンバー(そろそろ再結成したいからもう一回書いた!笑)小林あっちゃん、佐藤あっこちゃんとは今週も23日の本番に向けて稽古で一緒なのですが。

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なんと、贅沢にも2人のプリマは合唱参加!(笑)

私は初参加なのですが、こちらのシリーズ、こうしてプリマ、プリモ達が合唱にまぎれているのが恒例だそうです。すげ!

https://www.facebook.com/events/870000583163685??ti=ia

ぜひぜひ、そのあたりも楽しみにお越しいただけたらと!!

プレイガイドなどでのチケット発売がないので、お問い合わせ、お申し込み、お気軽にチラシ記載の番号やFacebookTwitterでもどうぞ〜。

 

 

オーケストラ・アンサンブル金沢 第391回定期公演《モーツァルト オペラの愉しみ》終演!!

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終わっちゃいましたーーーー!!!

確実に慌ただしい打ち上げで美味しい日本酒を急いで二杯かっくらったせいで涙もろくなってますが(笑)。

https://www.instagram.com/p/BWR9nmZnVBx/

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あ!そういえばサイン会のときも「水じゃなくてビールください」と、すでに飲み始めていたし......。

 

でも、新幹線でコーヒーを飲んで酔いが覚めてきた今でも、終わってしまったことが本当に寂しくて心がぎゅっと締め付けられるようなコンサートでした。

何が一番ぐっときたかというと非常に迷うのですが、まずお客様が暖かかった!!
見ていてこちらが幸せになるような良い表情で聴いてくれて、サイン会も長〜い列を作って待ってくれて。
今回は金沢での男装初披露だったんですが、
「カッコよかった!」
と言ってくれた女性がたくさんいて嬉しい限りでしたし。
皆さん本当に楽しんでくれた顔をしていて、素敵な感想をくれて!!
コンサートが素晴らしかったのはほとんど私の手柄ではないんですけどね(笑)
終演直後にこうして生のご意見をいただけるって、良いですね。

もちろん私が初めてご一緒したオーケストラでもある、アンサンブル金沢との共演はいつも特別な気持ちになります。
今回もやはり音色がとても美しくて、というか、美しいだけではない熱い焦点があるんですよね。
その焦点に自分もビシッとはまり込んだときの感覚は、筆舌に尽くしがたいものがあります。
リハーサルも真摯だし、ひとりひとりにこだわりとスペシャルなマインドを感じるオーケストラ。


そして、今回が定期デビューとなった指揮の辻博之さんは、私との共演は枚挙にいとまがなくて、なんなら来週末もご一緒するんですけど...(笑)。なんとまだ33歳!なんでもオーケストラ・アンサンブル金沢の芸術監督、井上道義エストロが「彼は明るい。だからかならずいい音楽をやってくれる」と強く推薦したそうです。

ただ、井上マエストロも実はご存知でしょうが、辻ちゃんはただ明るいだけじゃないんだよ??(笑)

そしてやはり声楽を学んだことがあるからなのかな?こんなに歌いやすいのは。

(私がもうお一方、とっても信頼していて大好きな佐藤正浩エストロもやっぱり声楽科出身なんですよねー)。

(でも声楽出身で歌いたがりでちょっと辟易させられる指揮者もいるしなー。笑)

もとい。

今日もリハーサルのときに辻マエストロの流麗な指揮を客席から堪能しました。

自分が歌ってるときには、そこにいることを感じるのみで、見る必要は無し!!

これが良いのです(本当はたまにはちゃんと見やがれ!と思われているかも??笑)。

特に私が主に立っていた下手側は左後ろに辻マエストロ、右後ろにコンミスのアビさんを感じられるベストポジションで、もちろんモーツァルトだから、ていうのもありますが、演奏会スタイルでこんなにのびのび歌ったの初めてかも!!

 

そして、三曲のduettoをご一緒したソプラノの鷲尾麻衣さんはなんと産後一ヶ月...。

いや、私も覚えてますよ、自分の産後一ヶ月...。うん。まいちゃん、すごい!!!

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ちなみにプログラムはこんなでした!

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リハーサルを聴いていた、能登が生んだスーパープロデューサー、ジミー山田氏が、

「二人の声似てるねえ〜」

と感想を漏らしていましたが、確かにある音域だと自分が歌いながらでも「誰が歌ってるの?」と思うくらいでした。

 


オペラフィガロの結婚の俗?に言う「ケンカの二重唱」は有名曲にも関わらず実はまだ歌うのが3回目くらいで...しかも私にとってちょっとした鬼門ともいえる苦手意識があったりもしたんですが、今回で払拭できた気がします!コンサート形式だし、あんまり演技しなくて良いよね?と本番前に言っていたのが嘘のように(笑)楽しかった。

コジ・ファン・トゥッテの二重唱は、何度も歌っていますが、それこそ似た声色の二人で、姉妹感がけっこう出ていたのではないかと思います。

そして、今回初めて出会った名曲ポントの王ミトリダーテ の二重唱!

まず「音たっかいなー」と思っていたら、案の定というか、ソプラノ二人で歌うのが通常。無知って怖い(笑)。

このオペラはモーツァルトが14歳の時、まだカストラートが活躍していた時代に作曲されていて、今回私が歌った男役はカストラートが歌っていました。

さすがの超絶技巧......。久々にメトロノームを持ち出して練習しました。

エストロ・ゼッダとロッシーニやってたときですらやってない(笑)。

忍者の修行ように毎日少しずつスピードを上げてコツコツと......。

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今週のお題「私の『夏うた』」

 

最終的に本番はほぼ勢いでしたが!!?!

これからベルカントの本番が続くことを考えても素晴らしく有難い選曲でした。

ぜーんぶ辻ちゃんが決めたんですけどね!!

でも《皇帝ティトの慈悲》のアリアはアンサンブル金沢さんとの共演すでに3回目だし!

岩城宏之音楽賞受賞式&メモリアルコンサート!そしてこれから。 - mezzosoprano 鳥木弥生blog

コンサートの最後がティト、ミトリダーテ、という流れ的にも私の着替え的にも(この二役はいずれも男役)完璧なプログラムでした。

 

共演者だけでなく、スタッフ、事務局の皆様もいつも通り頼りになって.....なんだかヤバイ三人が揃っちゃったな、と思われていた感も無きにしも非ずですが......。

 

さてさて、そろそろ東京が近付いて参りました。

心の赴くまま、今日の喜びを綴りましたが......。

またこの旅の枝葉末節(主に食?!)について、皆さんがぜひ金沢に行きたいなあ〜、と思われるようなレポートもしたいと思います。

 

武蔵野市民文化会館チェドリンス・リサイタル&藤原歌劇団ノルマ

お題「今日の出来事」

今日じゃなくて昨日と今日、というか、日付変わって昨日と一昨日の話ですが...。

私にとって思い出深い2人のイタリア人プリマの歌を堪能しました。

 

レビューというより思い出話大半ですので悪しからず...。

 

まずは月曜日。私の日本でのオペラデビューだった2003年の「ノルマ」のでタイトルロールを歌ったフィオレンツァ・チェドリンスのリサイタル。 

ベッリーニ:ノルマ 全曲 [DVD]

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彼女とは2003年より前からもチラチラとご縁があり、 その後もチラチラとお付き合いが続けていましたが、昨年スペインに歌いに行った帰りにイタリア、ブッセートで久々に会い、やっぱり素敵な方だなあ、と改めて惚れ直していて。

 

リサイタルではイタリア人らしくない、というと何ですが、ちょっとした演出もついていて(フランスでは多い印象だけど、もしや最近はイタリアでも??)、伝わる度満点なステージ。

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そして盛りだくさんなプログラム...。

「色んな私を見て!」とばかりにそれぞれのキャラクターを演じ分けていました。

日本でも「ノルマ」はじめ同じプロダクションにいくつかカバーなどもして関わらせてもらったし、私が劇場の研修生だった頃によくフィレンツェに歌いに来ていたのもあって頻繁に聴いたソプラノのひとりですが、実演を観ていない役のアリアもたくさん聴いて興味津々。デズデモナやサントゥッツァ、アンコールで歌ったアドリアーナ・ルクヴルール...まだまだ観たいし聴きたい。

声のパワーはありながら、繊細さの権化とも言える曲作りにはがっつり感動させられました。

ピアニッシモへのこだわりがすごくて、バタフライのアリアを前奏後、会場が静まり返るまで30秒くらい(印象としては...実際は半分かな?笑。でも非常に長い間)待ってから歌い始めたのも凄かったなあ。

アンコールでは日本歌曲の「初恋」も披露してくれ、かつてレナート・ブルゾン氏が「荒城の月」でみせてくれた「日本語のの母音はフランス語のUの発音」という勘違い(笑)をまた聴けたのもご愛嬌?...とても美しい情感で歌いあげてくれました。

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終演後、サービス精神が過ぎて退館時間を過ぎそうになって超急かされながらチェドリンス様に「セルフィー!セルフィー!」と言われて撮った写真(笑)

 きっとまたいつか再会できるのを楽しみにしよう。

 

さてさて、そして昨日、火曜日。

マリエッラ・デヴィーア様の「ノルマ」。

デヴィーア様は御年69のプリマ。

チェドリンスの「ノルマ」の翌年に同じラ・ヴォーチェ主催「ルチア」で来日された時が出会いかなあ...とはいえ私はそのプロダクションには関わっておらず、その時にはコンサートとオペラを聴いてパーティーでお話しして...というくらい。めちゃめちゃクールな方で「素晴らしかったです」と話しかけたら「そう?」くらいの返事で当時まだ20代の若造で根性なしの私は「え...あ...はい...」と、めちゃくちゃ戸惑ったのを覚えています。

あ、そういえばその時コンサートで聴いたデヴィーアの日本の歌、「さくら〜 さくら〜」のの母音はめっちゃ深いUでした(笑)

そしてさくら1回目はmf、繰り返しはpp、というやはりベルカント様式だったよ!!

 

それからかなり経って、数年前に「ラ・トラヴィアータ」で来日されたおり、私がフローラで共演させていただいた時にはもう少し気楽に接していただけました。

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全然どうでもいい話なんですがついで?に。

イタリアで私が住んでいた場所の近くで、いつも通過する高速出口にDeiva Marinaというのがありまして、そこを通るたびにMariella Deviaに似てるなあ、と思い出していたのも、一方的な彼女との思い出!

 

そんな名プリマ、デヴィーアの「ノルマ」。

とにかく聴いて良かったー、としか言いようがない!!

 

本当に好みだけの話で言うとアリア、Casa Divaの前半部分(カヴァティーナ)は、その後たぶんお得意な後半(カヴァレッタ)のための声慣らし的にも聴こえたデヴィーアより、初っ端からこれでもかと情緒を深めまくるチェドリンスの方が好きかなー。同じ役を歌うとはいえ、ノルマが唯一の重なる部分であとは全く違うレパートリーの2人で、比べるのもおかしいんですけど。

デヴィーアのノルマはやはり背後にロッシーニを感じるノルマだし、チェドリンスのノルマは予言者らしくヴェルディの登場を予言してる感じ?

しかし、後半に行くにつれて溢れまくるノルマの情や苦しみを美しい様式感を崩さずに表現するデヴィーア様にはゾクゾクさせられました。

やはり元メゾソプラノ(コントラルティーノ、と言ってたかな?)のチェドリンスとは違う1000%ソプラノ!という女子力を感じたなあ〜。

 

ともかく連続してDivaたちの歌声に酔えた贅沢な二日間でした。

 

いつも素晴らしい東フィルと藤原歌劇団合唱団もデヴィーアのノルマの世界にきっちり沿っていて美しかった!!


そして、デヴィーアさまを相手に美声、様式美、そしてキャラクターでも存在感を示したポッリオーネ笛田博昭さんとは、7月30日と9月8日に共演させていただきます!

すみません!便乗宣伝します!!!

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こちらでは私、笛田さんとカルメンのフィナーレを歌うはず。

 あ、フラーヴィオを歌われた及川尚志さんもご出演だ!ノルマで及川さんの歌を聞き足りなかった方もぜひ〜。チケット残り些少かと思います。

 

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9月8日のこちらはベルカント一本勝負。

「ノルマ」からも数曲。笛田さんのベルカント、ポッリオーネをまた聴きたいな、て方はぜひ〜。

まだ少し先なので今ならチケットに余裕ありますが、そんなに席数も多くないので、ご興味ある方はお早めにご予約、お買い求めを!!

https://www.facebook.com/events/218007038673240/?ti=icl

 

いつもやってる宣伝も図々しいな、と感じるのは(結局するとはいえ)、2日連続で大プリマたちの真摯な姿を見たからだなー。

この気持ちを忘れるなよ、私!!!